隠し事

※土←斎


初めは尊敬しているだけだった。

けれど俺の感情は、いつしかその域を超えていたのだ。
副長からの絶対の信頼を得られた今頃なって、漸く己の気持ちを自覚する。

もっと早く気付いていれば良かった。
こんな関係になってしまってからでは、最早副長に俺の望むような感情など、持ってもらえるはずがない。

今日も任務を伝えられる。
お前にしか頼めないと、澄んだ瞳で見詰められながら。

この日「俺に隠し事はするなよ」と、何の気無しに言われた副長の言葉が俺を縛る。



今日も副長を君を好きだと言えない俺は、大切な貴方に隠し事をしています。

2012.05.14

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