目隠し

現パロ/同い年/恋人設定
保険医は居ないというお約束の状況でお送りしています


頭痛がするからと保健室に来たのが二時間目の終わり。
四時間目の始まりを知らせるチャイムが鳴った時に目を覚ましたが、目を開けた筈が何も見えなくて、視界いっぱいの白さに包帯で目を覆われていると気付く。

「え……?」

気付いたところでこの状況はとても不可思議な物で、目隠しを取ろうと腕を動かそうとして、その腕も寝ているベッドのヘッドの部分に縛り付けられてると気付けば、浮かぶのは焦り。

「何だ、何でこんなことに……」

言い終わらぬうちに感じる違和感。
下半身が随分と涼しい気がして、意識を集中すれば膝の辺りにまで下着と共に制服が下ろされている。
そして誰かの気配。
露わになっている太腿に手を滑らされゾクリとした時、ばき、と骨を打つような音に続いて誰かが隣のベッドにまで飛ばされたような音が聞こえた。
飛ばされたであろう男は口の端が切れたのか、上手く回らぬ舌でそれでも自分を殴った男の名を呼んだ。

「は、はら、だ……」
「斎藤に何してんだ」
「いや、これはその……」

見えなくとも左之の殺気を強く感じる。
見えている男には尚更だろう。
言い訳すら告げずにすぐに逃げ去る足音が聞こえ、それから聞こえたのは左之の溜息。

「大丈夫か、斎藤?」
「左之……? 俺は、いま目が覚めたから……」

だから何があったのか分からないと言おうとしたのだが、それより先に左之の方から

「しかしあいつは腹が立つが、こりゃいい眺めだな」

と言われ、俺は驚いた。

「何を言っている、早く俺の腕を解いてくれ」
「まぁなかなかこんな状況ってのも味わえないもんだし……、俺ならいいだろ? 斎藤」

そう言って、左之は俺自身に触れてくる。
目の見えない状況とはどうにも感度が高まるようで、「あっ」と上げた声がいつもより高かったのは自分でも分かった。

「何だ、これだけで感じちまったのか?」

楽しそうに笑いながら、今度は口に含まれる。

「あっ何を……止め、左之!」

当然俺の制止など聞かず、左之に激しく扱かれた俺は左之の口内に欲を吐く。
ごくりと飲み込まれる音が聞こえて恥ずかしくなったのも束の間、途中まで下ろされていた制服を全て剥ぎ取られてしまう。

片足を持ち上げられ、下半身を大きく開かされた。
その間に入り込んだ左之は、俺の奥へと舌を這わせて早急に濡らし始め、すぐに指も差し込まれた。

「あぁぁぁ、あ……」

ぐちゅぐちゅっと聞こえ始める水音に恥ずかしくなるが、腕が縛られた状態では何も隠せない。左之によって開拓されている俺の身体は、結局すぐに全身で左之を求め始めていた。
左之が上体を起こした気配がした時にはもう、早く左之が欲しくて、挿入された時に上がった声は、恐らく今までで一番甘いものだったに違い無い。

俺の上半身が自由にならないのを良いことに、両脚を持ち上げられたかと思うと、そのまま膝をベッドに押し付けられる。
左之に晒すように上向かされた俺の秘所へと、左之が刺すように挿入してきた。まるで征服されるかのように奥まで捩じ込まれ、感覚が鋭くなっているいま、初めての刺激も初めての体位での行為も、俺を興奮させるに充分だった。

「あぁぁぁあっぁ左之っ、はぁ、はっ、あぁぁあぁ!」

保健室なのにも関わらず、俺は叫ぶような声を上げてしまい、慌てた左之の唇で口を塞がれる。
それから激しく突き刺すような挿入を繰り返され、俺は短時間で二回は達してしまった。

終わってから、やっと包帯を外される。頭痛は治まったというのに、結局起き上がることなど出来なくて、放課後まで保健室から出られなかった。
帰りに迎えに来た左之に、文句を言おうと思ったのに……。

「家でも目隠ししてやるか?」

そう言われてしまえば、つい先程の快感を思い出してしまう。俺はただ、頷くことしか出来なかった。

* 拍手ログ@掲載期間 *
2010年04月25日 - 2010年06月17日

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