私と降谷は幼なじみだ。小学校の時に私が転入して、隣の席が降谷だった。よろしく、と笑いかけられた顔が子供ながらに綺麗だと思ったことを覚えている。しかし特別仲が良かったわけではない。挨拶はするし会話もするけどお互いクラスメイトという認識しかなかった。
まさか大学までその関係が続くとは、私も降谷も思っていなかったけど。
中学は公立だったから違和感はなかった。高校も近場だし、そんなこともあるだろう。しかし大学までも被るとは。流石に脱力した。腐れ縁って本当にあるんだなと。
「そのお陰で降谷とこうして話すようになったわけだけども」
「入学式でユキを見たときはストーカーかと思った」
「モテる男は言うことが違いますねー。自意識過剰かよ」
まあ降谷ならストーカーの一人や二人いてもおかしくないけどね。
そんなことを言いながらハンバーガーを頬張る。おお美味い。降谷の奢りだからなおさら。人のお金で食べるものってどうしてこう美味しいのだろう。
「降谷は将来警察官になるんだっけ?」
「ああ。ユキは弁護士だったか」
「まあ玉の輿目的だから結婚したら辞めるけどねー」
「お前ほんといい性格してるよな……」
「いいでしょ別に。降谷が警察官になって日本を守るように、私は子供産んで日本の少子化対策に貢献するから」
にひっと女らしくない笑みをしたことはわかっている。最初は女がそんな笑い方をするなと煩かった降谷も、無理だろと笑った。
「ま、お互いその為には頑張らないといけないけどな」
「あんたは余裕でしょ。入試トップのモテモテ降谷君?」
「それやめろ」
心底嫌そうな顔をする降谷の肩をまあまあ、と叩く。こんな風に気軽に話せる友達は少ないから降谷といる時はとても楽しい。本人には絶対言わないけど。
遠くからもう一人の腐れ縁の声がして、降谷と二人、こっちだと手を上げた。
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