「コナンく〜ん!」
「コナン君はかわいいねぇ」
「コナン君口にソースついてるよ」
「コナン君届かないの? 抱っこする?」
「コナン君あそこ怪しいと思うな〜」
「ねえコナンく、」

「うるっせえんだよオメーは!!!」
「ごめんごめん。あ、コーヒー淹れる?」

 めげないな。
 沖矢昴——もとい赤井秀一はその光景を見てそう思う。小学生男児に異常なほど構う男。日本人特有の童顔のせいか高校生でも通じそうな顔つきだが、あれでも20代前半の立派な成人男性である。性癖の特殊な、が前につくが。
 少年は普段被っている猫を殴り捨てて素で対応している。まあ彼らは古くからの付き合いらしいから、これはきっといつもの光景なんだろう。

「ったくあのショタコン野郎……警察に突き出してやろーか……」

 嬉々としてコーヒーを淹れに台所へ消えた男の影を睨み付けるその目はまるで小学生とは思えない。赤井がいることに気付いていないのか忘れているのか、コナンは深々とため息をついてソファに腰を下ろした。

「大変だなボウヤ」
「! あ、赤井さん……いたの?」
「随分前から見ていた」
「見てたんなら助けてよ……」

 げっそりとした様子のコナンにそれはすまなかったと小さく笑う。不適な笑みは幾度か見たことがあるが、この子供が疲れている顔は初めて見た。それほどまでにあの男の相手は面倒らしい。

「好きな人が楽しんでいるのを邪魔するほど、心は狭くないつもりなんでね」
「……僕、赤井さんの趣味を疑うよ」
「俺は彼をあんなに笑顔にできるボウヤが羨ましいがな」

 じゃあAPTX飲む? とはさすがに言えないが、もしそんな薬があれば赤井は飲むのだろうかと少し気になった。






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