打ち付けるように降る雨の中、傘も差さずに二つの影が歩く。ひとつは小さく、もうひとつはそれよりも少しだけ高い。高い影は時折揺れる。それを小さな影はたまに顔を上げて見るが、声をかけることはしなかった。
「、なんで……っ」
「……」
「わ、わたしたちっ……こんなやり方しか、できないのかな……」
嗚咽混じりのその問いに、小さな影は応えることはしない。ただ、何処か遠くを見据えるようにまっすぐ前を向いた。
「ひくっ……」
「……優しいだけじゃ」
「っ…?」
「……優しいだけじゃ、救えねーもんも、ある」
ぽつりと呟いたその言葉は雨で消えかけていた。しかし高い影には聞こえたのだろう。益々泣き出した高い影の手を、小さな影は強く握った。
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