ゴンの性別はゴンだと思っている。理由はゴンだからだ。
私は所謂箱入り娘というもので、今まで出会った男の人は大体が落ち着きがあって上品で優しくて頼りがいがあってカッコよかった。多分両親がそういう人にしか私を会わせなかったからだろう。
家族以外の滅多に異性とは話さないから、話しかけれたら緊張して「あ、う」と意味のわからない音が出る。それが恥ずかしくて、でも緊張を解く方法なんて知らない。
正直、私は男の人が苦手だった。
「ねえねえ! キミってオレと同じくらいだよね!」
だからそんなに時出会ったゴンは、多分男の人じゃないと思っている。
生まれてからずっと広大な屋敷という狭い世界に私を閉じ込めていた両親にある日突然「才能はあるし無理ならリタイアすればいい」と強引にエントリーされたハンター試験。毎年多くの死者が出るらしい試験に何で私がと半泣きでいると、太陽のような男の子が話しかけてきたのだ。
「え、あ、あの」
「オレゴン!ゴン=フリークスっていうんだ!12歳だよ!キミの名前は?」
私より少しだけ高い背。ニコニコしていて感じはとても良いのだけど、如何せん異性に慣れてない私は緊張してしまって上手く言葉が出てこない。
どうしようどうしようと焦って、ますます声が出なくなって、いっそ逃げようかと足に力をこめた、ら、
「ん?」
ひょっこりと、私の顔を覗き込んできたのだ。このゴン=フリークスと名乗る男の子は。大きな目をパチパチと瞬かせて、急かすようなことはせず、好奇心に満ちた目で私を見つめる。
その様子が可愛く、とても異性とは思えなくて──自然と私の口は意味ある言葉を吐き出していた。
「……ユキ、です」
それはとても小さな音だったはずなのに、ゴンは満足そうに笑って、よろしくねと私の手を握った。私より少し大きくて固い、温かい手だった。
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