▽その2 バッツ

「バーッツー!」
「おお!ナマエ!どうしたんだ?なんか楽しそうなカッコしてるな!」
「これ、いいでしょ?コスモスがね、ハロウィーンだからってくれたの!」
「ハロウィーン?」
「私もよくは知らないんだけど、話によると仮装した人が手当たり次第に他人からお菓子を集るイベントらしいよ。それでね、お菓子をくれなかった人にはいたずらをしていいんだって。」
「恐ろしいイベントがあったもんだな。つまりナマエは俺にお菓子をねだりに来たってわけか!」
「ご名答!というわけで、トリックオアトリート!」
「とりっく……?なんだって?」
「トリックオアトリート。お菓子をくれないといたずらするぞっていう意味の脅し文句だよ。貰う側はこう言って相手を揺さぶるの。」
「衣装に似合わず物騒だな。うーん、いたずらされるのは嫌だけど、お菓子も持ち合わせてないしな……。あ、そうだ!」
「うん?」
「お菓子の代わりと言っちゃなんだけど、これやるよ!」
「えっ、これ、バッツが大切にしてる羽じゃないか!一緒に旅してた相棒のものなんでしょ?わ、悪いよ!」
「いいっていいって!実はもう何枚か拝借してきてるんだ。ほら、幸運はお裾分けしなきゃな!」
「そう、かな。ありがとう、すごくうれしい!こっちも貰ってばかりじゃ悪いから……うーんと、あ、あったあった。これあげる、お返しね。」
「うおっ!な、なんだ?ひんやりしてて妙に触り心地がいいな。」
「それね、ピンクのしっぽ。この世界のとは違うんだけどね。何時間でも触っていられる気持ちよさでしょう?」
「ああ!ありがとうな!でもいいのか?こんな良いものもらっちゃって。」
「大丈夫、私もいくつか持ってるの。これでおあいこね。あ!でも、セシルに内緒でちょろまかしてきたからくれぐれも秘密にしてね。」
「了解!二人だけの秘密だな!」
「うん!」

「(……その秘密とやらがだだ漏れなんだが。というか、ハロウィーンとはあれでいいのか……?)」

-end-

救世主