▽その5 フリオニール
「(フリオニールが武器の手入れをしている。辺りに人の気配なし。よし、背後から近づいて作戦開始だ!)」
「フリオニール!」
「うん?どうかしたのか、ナマエ。……うっ!?」
「ね、今、ふたりっきりだね。」
「そ、そそそ、そうだな。そ、それより、どどうしたんだ、その格好は……」
「(すっごく挙動不審だ。)これ?コスモスに貰った魔女の衣装なんだけど、似合ってない、かな……?」
「い、いや!似合ってる!似合ってるんだが!そ、その、」
「その、なに?」
「え、えっと、ろ、ろ、露出し過ぎじゃないか!?」
「ん?なにを?」
「だからっ、その!か、肩とか、足とか、む、むむっ、胸とかっ!!」
「(わー、顔真っ赤。)大丈夫、ここにはフリオニールしか居ないでしょ?」
「そ、そうだが……」
「私、フリオニールに見て欲しくって着てきたんだよ?」
「お、俺に?」
「そう。せっかくのハロウィーンだから、一番にフリオニールに見てもらいたくて……」
「ゴクッ……は、ハロウィーン……?」
「(あ、唾飲んだ。)うん。今の私みたいに仮装して、お菓子を貰って回るお祭りごとだよ。コスモスが教えてくれたの。楽しそうだよね。」
「で、でも、俺お菓子なんか持ってないぞ?」
「そっか、残念。それなら、悪戯するしかないね!」
「悪戯!?」
「うん。お菓子をくれない人にはいたずらをする決まりなの。フリオニールには、うーん、なにをしようかなー。」
(ジリジリジリ……)
「せ、迫りながら考えないでくれ!」
「そんなに逃げないでよ、傷付くなあ。あ、でも、後ろ岩だからもう逃げられないね。」
「っ!しまった!」
「よし、決めた!ねえ、フリオニール……」
「な、ななな何だ!?(ナマエの体が密着して……!や、柔らかい……)」
「あのね、目、閉じて……?」
「!?(これはまさか……!?いいのか?本当にいいのか!?)」」
「お願い……」
「(お、男なら度胸出せ!)わ、わかった!」
「ありがとう……」
「(ナマエの気配が、ち、近い!)」
「じゃあ、いくね……?」
「あ、ああ……」
(ポンッ キュ、キュ、キュー……)
「(顔がくすぐったい。って、あれ?)」
「よし、完成ー!これは私の中で最高傑作だね。うんうん。あ、もう目開けていいよ。」
「……。」
「……おい、あまりフリオニールをからかってやるな。」
「えー、でもクラウド。私はハロウィーンルールに則って、色仕掛けに怯んだフリオニールの顔面に油性ペンで落書きをするといういたずらをしただけだよ。」
「ぐすっ……」
「はあ……」
-end-
救世主