「やっと終わったね〜!」
「そうだね、なんかすごく疲れた気がするよ」
女子更衣室でいそいそと体側服を脱ぎ制服に着替える。三奈ちゃんは頭にツノが生えてるし皮膚の色はピンクで、個性は「酸」らしい。あまり先程の個性把握テストでは活躍できていなかった個性らしいが、なんか、酸って強そう。隣で服を脱いでいる三奈ちゃんに話しかける。
「三奈ちゃんの個性〈酸〉って強そうだよね。なんでも溶かしそう」
「うーん、結構個性の調節難しいんだけど、溶かすだけじゃ無くて割りと幅効くんだ〜!いつか見せれたらいいんだけど!」
体操服を脱ぎながら話していると、隣で着替えていたやけに舌が長い女の子と耳がイヤホンコードになっている女の子が話しかけてきた。
「貴方の個性もすごく強そうだわ」
「ん?あぁ、ありがとう」
「確かに。なんか地面から大砲出てきた時はビビったよなー」
「私は蛙吹梅雨よ、梅雨ちゃんって呼んでね」
「私は耳郎響香。よろしく」
「梅雨ちゃんに響香ちゃんね、私は名字名前、よろしく」
「私は芦戸三奈だよー!よろしくね!!」
なんかナチュラルに名前を知れた!友達増えた!なんかチョット嬉しい!心の中で拳を握りしめる。割りと人に無関心だから、個性把握テストも見てない時が多かったけど確かにいたなこんな人達。
「そういえば名前ってなんで左手と右足片方ずつなんか付けてるの??」
「え?あー、うーんと·····」
体操服を脱ぎタンクトップ姿になってシャツを着ようとしていた時に、響香ちゃんに尋ねられた。私の左手と右足は付け根付近からごっそり無くなっている。義手義足を付けているのを隠す為に、長い手袋と長い靴下を片方ずつ付けているのだ。まあ、いつかは見られるんだろうけど、初対面で話すのはめんどくさい。どうやって掻い摘んで話そうか、そう思いながら言葉を濁した。
「あ、いや別に無理に話さなくたっていいよ!」
「うーん、どうやって話そうかなって思って·····」
「ごめん!なんかうち無意識に踏み込んだ言い方になっちゃった·····」
「いやいや!変な気を使わせちゃってこちら
こそごめん!また話せる時に話すね」
ニコリと人当たりのいい笑みを浮かべた。この機械だらけの義手義足を見た人の中で「気持ち悪い」「なんでこんなの付けてるの??」「こっちに寄ってこないで」「キモイ」そんな薄っぺらい嫌悪感を向けられた事が過去に何度もあった。見せる人、言える人を見極めないと、自分の心がしんどくなる事を身をもって知っているのだ。
少し暗い顔をした響香ちゃんに心の中でごめん。と呟きながら、
「響香ちゃんって耳すごく長いのね。それはイヤホンになってるの?」
「·····うん、これはね·····」
気を使って話題を逸らした。
その隣で着替える梅雨ちゃんは、少し何か言いたそうだったけど、私達の話を聞いてるだけだった。