プロローグ


汚い断末魔が響く。

上紺の刀身はその切れ味をたたえるかのように、血一滴すらもつかない。

少女は長い睫毛を一瞬伏せる。

そしてずっと昔から変わらないまま美しい月を睨みつけた。