※二次創作です。
過去作品のため改行なし三点リーダー等はバラバラな状態です。


"どうしてこうなったのだろう"
イデア・シュラウドは頭の片隅で思う。あまりにも現実離れした状況の中、他人事のようにぼんやりと考えていた。
昨日の放課後、いつものようにアズールと二人でボードゲームで対戦をしていた。普段と変わらない部活中、珍しく彼が愚痴を零した。モストロ・ラウンジの調理器具が壊れてしまったと、溜息をつきながら話していた。特注品の器具は修理に出すと高く、出費が嵩んでしまう。ゲーム中にも関わらず、頭を抱えて嘆く彼にイデアは少しだけ同情をしていた。確かに特注品が壊れたとなればそれなりの材料が必要になるだろうし、それ故に金も相当掛かってしまうだろう。だからといって、わざわざ自分から面倒事に首を突っ込む必要はない。そう思って慰めるだけに留めておいたのだが、目の前の男があまりにも真剣な表情をしていたものだから魔が差してしまった。
それなら拙者が直そうか。気が付いたらそう口走ってしまっていた。言ってしまった後すぐに後悔したが、もう遅い。アズールは一瞬だけ目を丸くさせた後、即座に顔を輝かせて何度も礼を口にしながら深々と頭を下げた。そんな事されてはもう撤回できない。できる訳がない。イデアは仕方なく了承するしかなかった。そこからはとんとん拍子だった。部活後にありったけの材料をかき集め、その日の夜にオクタヴィネル寮に赴き修繕作業を始めた。持ってきた物を上手い具合に使う事ができ、作業は思ったよりも早く終了した。ここまで来たのだからと、ついでに調子が悪そうだった他の器具の修理を行ったため、全てが終わった頃にはすっかり夜も更けていた。きちんと稼働するようになった調理器具を見て、アズールは目を輝かせながら喜んだ。そして対価として、今度モストロ・ラウンジでおもてなしをするとの事だった。できる事をしただけだし、そんな大袈裟にしなくてもいいと思いつつもイデアは結局断れなかった。
そんな事があった翌日、まさに本日の夕方、つい先程の出来事。いつものように部活を終え、イグニハイド寮に戻る途中の事だった。鏡舍に辿り着く直前、突然背後から誰かに呼び止められた。驚いて振り返ると、そこにはフロイドとジェイドがいた。一人はニコニコと笑い、もう一人はニヤニヤと笑っていた。その時点で嫌な予感しかしなかった。適当な言葉でお茶を濁して寮に向かおうとしたが、案の定二人に両腕を掴まれてしまった。逃げたくても両腕をがっちりとホールドされているため逃げる事ができない。イデアは捕まった宇宙人の如く、ずるずると引き摺られるようにしてモストロ・ラウンジに連れて来られてしまった。
自分達しかいない店内は驚く程に静まり返っていた。普段ならばそれなりに客がいるはずだが、今日に限って誰もいない。何かあったのか。そう思いながら辺りを見回していると、座るように促された。イデアは大人しく従いソファに腰をかける。それを待っていたかのように目の前にはティーセットが置かれた。いつの間に用意したのだろうか。テーブルの上に並べられたそれらを眺めて感心しつつ、視線を上げれば目の前に双子が立っていた。二人は彼を挟むように座り、楽しげに見下ろしている。一体何が始まるというのだ。言いようのない不安を感じつつ黙って様子を窺っていると、ジェイドから紅茶を勧められた。断る理由もなく、勧められるがままにカップを手に取り口に含む。芳しい香りが広がり、心地良い渋みが舌の上で転がる。どうやら上質なものを使っているようだ。こんな状況でなければ美味しく頂けただろう。だが、今はひたすらに居心地が悪いだけだった。
この双子は一見穏やかそうな見た目とは裏腹に、かなり凶暴な性格をしている事をイデアはよく知っていた。気分屋なところがあり、少しでも機嫌を損ねれば何をされるか分かったものではない。だからこそ今の状況が怖かった。一体これからどんな無理難題を突き付けられるのだろう。そう考えるだけで恐ろしい。どうしてこうなったのだろう。頭の片隅でそう思いながら震える手で紅茶を飲み干した瞬間、フロイドがイデアの耳に唇を寄せて息を吹き掛けた。突然の出来事に持っていたティーカップを落とした。床に落ちた陶器の音と同時に、片側の耳朶に柔らかな刺激を感じる。噛まれていると理解するのに時間はかからなかった。鋭い痛みと共に、熱を帯びたような感覚が広がる。思わず身を捩ったが、両側から押さえつけられているため逃げる事はできない。それでも抵抗するように身体を動かせば、今度は反対側の耳元で息遣いを感じた。また噛み付かれる。そう思った矢先、予想に反して優しく舐められた。生暖かいものが這う感触に背筋が粟立つ。左右同時に与えられた刺激によって、頭が真っ白になっていく。混乱するイデアを無視して、二人の兄弟はくすくすと笑いながら耳元で囁いた。

「昨日は大事なものを直して頂きありがとうございました」
「おかげでオレたちすっげー助かっちゃったぁ。ありがとねぇホタルイカ先輩」

そう言うと彼らはゆっくりと顔を上げた。見下ろす双眼は愉悦に染まっており、弧を描く口元は妖艶に歪んでいた。その表情を見てイデアは察した。これはもう逃げられない。完全に獲物としてロックオンされている。やっぱり言うんじゃなかった。改めて後悔するが、もう遅い。全ては後の祭りだった。アズールの頼みを断らなかった時点で、自分の運命は決まっていたようなものだ。そもそもあの時の自分はどうかしていた。何故あんな事を言ってしまったのか。冷静になれば分かる事なのに、あの時はそこまで考えが及ばなかった。馬鹿じゃないのか。頭の中で自分を責める言葉がぐるぐると巡っていく。だからといって、いくら悔やんでもこの状況が変わる訳ではない。なんとかしてここから逃げ出す方法はないかと考えてみるが、何も浮かんではこない。それどころか、どんどん追い詰められていくばかりだ。両脇にいる双子は、イデアが諦めるまで逃がさないつもりらしい。捕食者のような瞳がそう語っていた。魔法を使おうにも、腕をぎっちりと拘束されていて使えない。仮に使えたとしても、彼らが素直に従うとは思えない上に後々酷い事になるのは目に見えていた。つまり、現状打つ手なし。完全に詰んでいる。その事実に気付いてしまい、全身の血が一気に引いていった。
どうしよう。どうすればいい。脳内で必死に思考を巡らせるが、焦りのせいで上手くまとまらない。その間にも双子は容赦なく追い詰めてくる。片方は耳殻の形を確かめるかのように舐り、もう片方は軟骨部分を甘噛みしている。時折聞こえるリップ音が嫌に鮮明に聞こえた。縁に沿って円を描くようにして触れられれば、くすぐったさと紙一重の快感が湧き上がってくる。今まで感じたことの無い未知の感覚に戸惑いながらも必死に耐える。抵抗すればするほど余計に相手を刺激してしまうことは分かりきっていた。故に、大人しく受け入れるしかなかった。だが、それも長くは続かなかった。不意打ちのように耳の中に舌を差し込まれ、びくりと肩を揺らした。鼓膜に直接響く水音に眩む。ちゅ、くちゅ、と淫靡な音を立てられながら執拗に攻められる。脳髄まで犯されていくような錯覚に陥り、無意識のうちに甘い吐息が漏れた。そんな反応を楽しむように、フロイドは更に奥へと侵入していく。熱い粘膜に内壁を直接舐られ、耐え切れず声が零れた。それが面白くなかったのか、ジェイドも片割れと同じように反対の耳を塞いだ。途端、両耳の奥で反響するようないやらしい音が響き渡る。ダイレクトに伝わる卑猥な音に、イデアの顔が見る間に紅潮していった。羞恥心から目を瞑ってやり過ごそうとするが、視覚が閉ざされたことで他の器官が敏感になり、聴覚から与えられる刺激をより強く感じてしまう。逆効果だったと気付いた時には既に遅く、結局のところ悪循環にしかならなかった。両側からの容赦のない愛撫によって、徐々に理性が溶かされ崩れ落ちていく。
やがて、二人は示し合わせたように動きを止めた。ぴちゃりという水気を帯びた音と共に、ようやく双子の唇が離れていった。安堵したのも束の間、今度は制服越しに下半身を触られた。ズボンの上から形を確かめられるようにして指でなぞられ、思わず身を捩らせた。そのまま何度か擦るように動かされた後、今度は強く押し込まれる。ぐりっと先端を押し潰される感覚に快楽がせり上がってくる。直接的な刺激を与えられずとも、先走りによって下着の中は既に湿っていた。このままではまずいと焦る気持ちとは反対に、身体はもっとと強請るように震える。フロイドの楽しそうな笑い声が耳元で聞こえてきたと思えば、双子はゆったりした動きで彼の股間を揉み始めた。布地が擦れる感触に思わず息を飲む。これ以上は駄目だ。そう思って抵抗しようとするが、相変わらず両腕の自由は利かない。ならばと足をばたつかせてみるが、逆に膝裏を掴まれて大きく開脚させられた。無防備になった中心を容赦なく弄ばれ、そこはどんどん張り詰め、窮屈そうに膨らんでいく。ズボンの中で勃ち上がった性器を揶揄うように二人は笑った。

「ホタルイカ先輩すげーじゃん。もうこんなにしちゃったの?」
「ふふ、気持ちが良かったのなら何よりです。おもてなしをさせて頂いている甲斐があるというものです」
「どう考えてもおもてなしじゃないでしょこれ!ていうかもうほんといい加減にして…っ!」

半ばヤケクソ気味になって叫ぶと、不意に下腹部に刺激が与えられた。視線を下に向ければ、フロイドがイデアのベルトに手を掛けているところだった。慌てて止めようとするが、それよりも早く彼はベルトを外してしまった。そして、ジェイドは躊躇なくファスナーを下げていく。下着の中から取り出された陰茎はすっかり上を向いていた。先走りで濡れそぼったそれを、双子はじっと見つめていた。あまりの恥ずかしさに、イデアは今すぐにでも消えてしまいたいと本気で思った。しかし、そんな願いなど叶うはずがない。
フロイドは鈴口を親指でぐりっと押し潰すようにして触れた。それだけで軽く達してしまいそうになるほどの強い快感に襲われる。反射的に腰を引くが、ジェイドに阻まれてしまった。それどころか、逃げるなと言うかのように根元を握られ、上下に扱かれる。突然与えられた強烈な刺激に、イデアは目を見開いて背を仰け反らせた。二人同時に責め立てられて、視界が眩く程の強烈な刺激に襲われる。裏筋を爪の先で引っ掻かれる度に、先端からは透明な液体が溢れ出した。ぬめりを借りてスムーズに動く手がもたらす快感は凄まじいものだった。ジェイドの方は根元をぎゅっと握り、搾り取るような動作を繰り返していた。二つの異なる刺激に翻弄されて、気が狂いそうになる。このまま続けられると本当にどうにかなってしまいそうだった。彼は涙目で首を横に振った。しかし、それで彼らが手を緩めるはずもない。むしろ愉しげに笑いながら、更に追い詰めてくる。下を弄びながらも、双子は首筋や鎖骨に舌を這わせて絶えず快楽を与え続けた。絶え間ない愛撫によって、限界まで追い詰められる。もう耐えられないと思った瞬間、突然手を止められた。だが、それも束の間のこと。今度は焦らすようにゆっくりと扱かれ始めた。緩急をつけて何度も繰り返される行為に、思考が蕩かされていく。絶頂を迎える寸前のところで止められ、また再開される。その繰り返しに、耐えられず無意識の内に腰が揺れていた。それを見ていたフロイドは喉を鳴らして笑った後、わざとらしく耳元で囁いた。

「まだイかせてあげねーよ?オレらのおもてなしはまだ終わってないんだからさぁ」
「ほ、ほんとに無理だから…これ以上されたらおかしくなる…」
「おやおや、イデアさんは随分と欲しがりな方のようですね。いいですよ、たくさん可愛がって差し上げますから、安心して下さい。たとえおかしくなったとしても、僕達は貴方を決して見捨てたり致しません。最後まで責任を持って面倒を見て差し上げますのでご心配なさらずに」

まるで悪魔の甘言だ。イデアの顔色がみるみると青ざめていく。双子の言葉を鵜呑みにすれば、これから先もずっとこの状態が続くということだ。本能的な恐怖を覚えた彼は必死になって首を横に振った。しかし、それが聞き入れられることはなかった。それどころか、逆に火に油を注ぐ結果になってしまったようだった。双子は心底楽しそうに笑い、再び手を動かし始めた。射精を促すような動きではなく、焦らすためにじっくりと時間を掛けて行われるそれはまるで拷問のようだった。あと少しなのに決定的な刺激が与えられず、ずっと生殺し状態が続く。それでも身体は貪欲に快楽を求め続けてしまうため、苦しいだけだった。わざと音を立てるように動かされると羞恥で死にそうになるが、それと同時に耳に届く淫猥な音に興奮してもいた。そんな自分に嫌気が差しながらも、イデアはどうする事もできなかった。逃げたくても両隣にいる双子のせいで身動きすらままならないのだ。ジェイドの手の動きに合わせて腰が跳ね上がる。その様子を見たフロイドは心底楽しそうに笑うと、イデアの首筋に噛み付いた。鋭い痛みに眉根を寄せるが、すぐに甘い疼きへと変わっていく。その間もジェイドによる手淫が続けられていたが、やはり絶頂には至らない程度の強さでしか触ってもらえなかった。
もう無理と泣き言を漏らすと、二人はぴたりと愛撫を止めて彼の顔を覗き込む。イデアは荒くなった呼吸を必死に整えながら視線を上げると、フロイドと目が合った。彼は蕩けるような表情でこちらを見つめている。ジェイドの方も同じような顔つきをしていた。双子は互いの顔を見て小さく笑い、そのまま頬に唇を落とした。ちゅっと軽いリップ音が静かな店内に響き渡る。ただそれだけの事なのに、酷く羞恥心が煽られる。恥ずかしさから俯いたが、そんなことは許さないとばかりにフロイドに顎を掴まれる。そのまま強制的に上を向かされ、唇を奪われた。無理矢理ねじ込まれた舌が口腔を犯していく。歯列を丁寧に舐められ、舌をねっとりと絡ませられる。上顎を擦られると、身体が震えるような感覚が走った。フロイドは気持ちが良い所を見付けたと言わんばかりに、執拗にそこを攻め立ててくる。しつこく繰り返される行為に頭がぼうっとしてきた頃になってようやく解放された。
長い口付けが終わると、今度は片割れが同じようにキスをしてきた。先程よりも深く激しいもので、息継ぎをする暇さえ与えられなかった。ジェイドは彼の舌を吸い上げると、自分のものと一緒に絡め合わせる。唾液が混ざり合い、くちゅくちゅといやらしい水音が耳に響く。舌同士が擦れ合う度に得体の知れない感覚に襲われて、イデアは頭がくらくらした。二人の濃厚な口付けを目の当たりにしたフロイドは面白くなさそうな表情を浮かべ、そのままジェイドを押し退けて強引に割り込み、イデアの頭を引き寄せた。そして、激しく唇を重ね合わせる。ジェイドも負けじと隙を見て彼の唇を奪い返す。二人同時に責め立てられて、イデアは意識が飛びそうになった。酸欠になりそうになり、苦しげに喘ぐと双子は名残惜しそうに彼から唇を離した。
三人分の唾液が口端からだらだらと零れ落ちる。イデアはだらしない有様になっているであろう顔を見られる事が恥ずかしくなり、解放されていた両腕で覆い隠そうとした。しかし、それよりも早く双子の手が伸びる。片方は再び彼の腕を掴み、もう片方は顎を持ち上げてきた。そのまま再び深い口付けをされる。彼は双子にされるがままだった。抵抗する気力など残っていないし、そもそも抗うだけの体力がなかった。弱々しく首を横に振って、やめてという意思表示をしたが、双子には通じていない。むしろ逆効果にしかならなかった。更に強く求められて、呼吸すらまともに出来なくなるほどに蹂躙された。もう駄目だと涙目で訴えるが、聞き入れて貰えない。それどころか、再び陰茎を握り込まれて上下に扱かれた。先程までの緩やかな刺激ではなく、射精を促すような激しさだった。突然下腹部に与えられる強い刺激に彼は身を捩った。それでも二人の動きは止まらない。フロイドが竿の部分を擦るのと同時に、ジェイドは陰嚢を揉み込んできた。あまりの快楽に身体が大きく仰け反った。それでも手は止まることはなく、寧ろ激しさを増していくばかりだった。やがて絶頂が近付き、視界がちかちかと点滅し始めた。限界まで追い詰められて、いよいよ我慢が出来なくなりそうだった。だが、やはりあと一歩のところで手を離されてしまう。絶頂に達する寸前まで高められて放置されるという行為は想像を絶するほど辛かった。イデアは今にも泣き出しそうになりながら、情けない声で彼らに助けを求めた。

「お、お願い…何でも言うこと聞くから…!だから、もう許して…」
「おや、困りましたね。一体何を許せばいいんでしょう。僕達は昨日のお礼をしようと思って、貴方に奉仕しているだけなのですが」
「そーだよぉ。オレ達、すげぇ優しくしてあげてるじゃん。もっと楽しんでよ」

二人は白々しく言葉を並べつつ彼の服をはだけさせ、同時に乳首に噛み付いた。痛いはずなのに、甘い痺れとなって全身に広がっていく。イデアはいやいやと首を左右に振りながらも、与えられる快楽に身を震わせていた。ジェイドはそのまま甘噛みを繰り返し、フロイドは尖らせた舌先で押し潰してくる。左右同時に与えられる異なる刺激に、イデアはすっかり翻弄されてしまっていた。
暫くすると満足したのか、二人はようやく口を離した。散々弄られたそこは赤く腫れ上がり、ぷっくりと膨らんでしまっている。その様子があまりにも卑猥で、フロイドは思わず生唾を飲み込んだ。彼は再び顔を寄せると口に含んで思い切り吸い上げた。ざらついた舌で転がされ、軽く歯を立てられる度にびくっと肩が跳ね上がる。反対側ではジェイドが指を使って捏ねるようにして弄んでいた。時折、爪を立てて引っ掻かれると痛みと共に快感が押し寄せてくる。男なのに胸で感じるなんて、恥ずかしくて仕方がない。だけど、気持ち良いものはどうしようもなかった。与えられる刺激をただ享受することしかできない。散々可愛がられ、解放された時には全身に力が入らなくなっていた。
息を整える暇もないまま、今度は下腹部に手が伸びてくる。フロイドの手が臍の周りに触れた瞬間、イデアは反射的に腰を引いた。しかしその程度で逃れられる筈もなく、簡単に押さえ付けられてしまう。そのまま腹を撫で回され、熱を帯びた身体が小刻みに震えた。暫くするとジェイドが臍に顔を近付け、中に舌を差し入れた。ぬめりとしたものが穴の中に侵入してきて、ぞわりと鳥肌が立つ。ジェイドは丹念に中を舐めると、今度はぐりぐりと舌先を押し込んでくる。内臓を直接刺激されているような感覚に恐怖を覚え、イデアは逃げようと藻掻いた。しかし、フロイドにしっかりと抑え込まれているせいで身動きが取れず、されるがままになってしまう。必死にそんなところ舐めないで欲しいと訴えても、双子は聞いてくれない。時折、中をぐるりと掻き混ぜるように動かされると、どうしようもない感覚に襲われる。ジェイドの舌は丹念に動き回り、やがてゆっくりと抜き差しを始めた。まるで性行為をしているかのような錯覚に陥り、頭がおかしくなりそうになる。羞恥心に耐えられず、イデアはぎゅっと目を瞑った。それでも尚、彼らの愛撫は止まらない。
臍への執拗な責めが終わり、ジェイドが離れていったと思えば、今度はフロイドが顔を寄せてきた。何をされるのか察したイデアは必死に拒絶したが、当然のように無視される。フロイドは彼の腕を掴み、上に引っ張り上げた。そのまま無防備に晒された脇の下を舐め始める。予想していなかった場所への愛撫にイデアは戸惑った様子を見せた。ぴちゃぴちゃとわざとらしく音を立てて舐められ、もう舐められていない筈の耳まで犯されているような気分になった。脇に意識を取られている隙にジェイドが彼の足を開かせていた。そして、そのまま内腿に吸い付く。軽い痛みが走ると同時に赤い痕が刻まれた。それを見たフロイドは、ずるいと言わんばかりに不満そうな声を上げると、反対側の同じ場所に唇を押し当てた。二人同時に吸われ、口からは小さな喘ぎ声が漏れる。双子は彼の反応を楽しむように何度も口付けを繰り返して痕を残していく。暫くして満足した様子で彼らはようやく口を離した。そして、互いに視線を合わせると意味ありげな笑顔を浮かべた。
フロイドは彼の足を持ち上げ、足の指を口に含んだ。一本一本丁寧に舐られ、足の裏を舌でなぞられる。まるで性器を舐られているかのようだった。回らない頭で自分の陰茎を舐められている場面を想像していまい、罪悪感と羞恥心でイデアはどうにかなりそうだった。必死に想像を掻き消そうと頭を振っている内にジェイドは彼の陰茎を握り込み、ゆっくりと上下に扱き始めた。既に限界まで張り詰めているそこは少しの刺激でもすぐに達してしまいそうだった。絶頂に達する寸前で止め、彼はイデアの耳元で囁く。

「ずっとこのままなのは可哀想ですから、一度楽にして差し上げますね」

ジェイドはそう言うと再び手を動かし始めた。先程よりも激しく、絶頂を促すように擦り上げられる。あっという間に限界まで追い詰められ、イデアは身体を大きく仰け反らせた。もう少しで達するという瞬間、突然根元を強く握られて射精を堰き止められた。予想外の出来事に困惑していると、足の間にフロイドが割り込んできた。そのまま、目の前で射精直前の陰茎を観察するように見つめる。恥ずかしさに耐えられずに彼が顔を背けると、フロイドは意地悪な笑いを浮かべ、尿道口を親指の爪で弄った。鋭い快感が走り、イデアは大きく目を見開いた。今度は亀頭をぐりぐりと押し潰される。あまりに強い快楽に身体が大きく痙攣する。ある程度刺激を与えた後、満足したのか指を離して再び観察するように眺め始めた。フロイドの様子を見たジェイドも、再び扱き始める。先端を中心に攻め立てられ、強烈な快楽が襲ってくる。人の手で扱かれながら目の前で観察され、イデアは居た堪れない気持ちになった。そんな彼を慰めるようにジェイドは頬に唇を落とす。その感触にすら限界まで高められた身体は感じてしまう。

「あはっ!先っぽの穴ぱくぱくさせてかわいーねぇ。もうすぐ出そう?出していいよぉ」

フロイドは口を開けて舌を出すと、陰茎の目の前で揺らした。その光景があまりにも卑猥で、イデアは思わず顔を逸らした。ジェイドは彼の言葉を聞き、鈴口を掌で覆いながら力を込めた。そのまま強く押されると、溜まっていた精液が一気に吐き出された。勢い良く出たそれは、待機していた彼の口内に収まっていく。全て口に含み切った後、フロイドはぐちゅぐちゅと味わうように咀噛し、見せ付けるように大きく口を開いた。精液と唾液が混ざった液体が口の中で泡立ち、ねっとりと糸を引いている。一人だけ彼の精液を味わった事が面白くない様子のジェイドは、自分も欲しいと強請るようにフロイドの顔を覗き込んだ。それに気が付いた彼はジェイドの唇を塞ぎ、ゆっくりと口の中のものを流し込んでいく。ジェイドは美味しいと言いたげに表情を蕩けさせ、もっと欲しいと片割れの首に腕を回した。そのまま舌先を軽く甘噛みすると、フロイドも仕返しだと言わんばかりに歯を立てる。二人の間で交わされるキスは段々と激しさを増していき、イデアの出したものと互いの唾液が混じり合ったものを分け合うように舌を絡ませ、貪るような口付けを繰り返す。
目の前で繰り広げられる光景に、イデアは信じられないという表情を浮かべた。この双子は兄弟同士で何をしているんだ。そう思ったが、射精した脱力感から口に出す余裕などなかった。二人はようやく唇を離すと、精液と唾液が混ざった白濁色の液体が二人の舌を繋いでいた。それを拭うこともせず、双子は妖艶な笑みを浮かべて彼を見遣る。捕食者の眼光に恐怖を感じたイデアはふらふらと立ち上がり逃げようとするが、簡単に捕まり元の場所に戻されてしまった。フロイドはイデアの腕を引きソファの背もたれに手を付かせ、膝を着かせる。そして、後ろ向きのまま腰を上げさせた。尻を突き出す形になり、恥ずかしさから顔に熱が集まる。今更抵抗しても無駄だと悟った彼は、自分の腕に顔を押し付けて羞恥心に耐える事しかできなかった。
ジェイドは背後に回り込むと、尻臀を掴んで左右に割開いた。外気に晒さられひくつく蕾をじっと見つめた後、片手を自らの唾液で濡らし、そこに指を這わせた。縁をなぞり、皺を優しく撫でる。初めて他人に触れられた場所への刺激に、イデアはびくりと身体を震わせ、息を詰めた。何をされるかは分かっているからこそ、恐怖心を煽る。しかし、逃げることは許されず、大人しく受け入れることしかできなかった。ジェイドが指先に力を入れると、ゆっくりと指が中に侵入していく。異物が入り込んでくる感覚にイデアは歯を食い縛って耐えた。痛みはないが、内臓を押し上げられるような圧迫感に吐き気がする。そんな彼を気遣いつつも、奥へ奥へと進んでいく。指の根元まで入り切った所で一度動きを止め、馴染ませるように動かし始めた。少しずつ解れてきたことを確認すると、もう一本増やした。二本の指をゆっくりと動かし、内壁を擦っていく。暫くそれを繰り返している内に中は柔らかくなってきた。頃合だと判断したジェイドが前立腺を探し当てるため、腸内の探索を始める。腹側の浅い所にある筈だが、なかなか見付からない。もう少し深くまで挿入しなければ駄目なのかと思い始めた時、指の先端が固いものが触れた。その瞬間、イデアの身体が大きく跳ねた。どうやら当たりを引いたらしい。そこを重点的に責め立て始めると、イデアはその強い快楽に艶かしい声を上げた。三本目が入るようになったところで、ジェイドは指を一気に引き抜いた。排泄にも似た快感にイデアは身を震わせる。しかし、休む間もなく再び押し込まれていく。今度は二本同時に挿入され、動かされる。時折前立腺に触れる度に身体が大きく跳ねた。

「ホタルイカ先輩の中もうどろっどろじゃん。ジェイドの指をぎゅうぎゅう締め付けてえっちぃね」
「ふふ、僕の指を美味しそうに食べていますよ。ほら、分かります?」

ジェイドの言葉通り、彼の指をしっかりと咥え込み、抜き差しされる度に入口が捲れる。そこから覗く肉色をした粘膜がいやらしく収縮し、彼らの興奮を掻き立てた。中の指を拡げれば、隙間から赤い媚肉が見えた。淫靡な光景に二人はごくりと喉を鳴らす。早く挿れたいと逸る気持ちを抑えつつ、ジェイドは更に指を一本中に埋めた。フロイドも彼に便乗するように指を中に捩じ込んだ。合計四本の指が狭い穴の中で暴れ回る。絶え間なく与えられる刺激に、イデアの口から出るのは意味のない喘ぎ声だけだった。今まで経験したことのないほどの質量に、呼吸すらままならない。苦しくて仕方がないのに、それよりも上回る快楽が全身を支配していた。フロイドは執拗に前立腺を擦りながら、彼の尻に唇を落とす。そのまま舌で舐め上げると、中がぎゅっと締まった。ジェイドも彼と同じように尻にキスを落とし、軽く噛み付く。外からの刺激に中は痙攣し、もっと欲しいと強請るようにうねった。暫く中を解されている内に、異物感はもう殆どなくなっていた。絶え間なく与えられる快楽に思考が塗り潰されていく。もう何も考えられず、イデアはただ身を任せていた。先程射精した陰茎は再び勃ち上がり、透明な汁を流していた。双子は勃起しているそれに気が付いているが、触ろうとはしない。ひたすら後ろの穴だけを弄んでいる。
どれくらい時間が経っただろうか。イデアが何時間も弄られているような錯覚に陥っていると、がちゃりと扉の開く音がした。誰かが来た、と双子は同時に扉の方を見た。そこには制服姿のアズールが立っていた。彼は部屋の中に漂う異様な雰囲気に眉根を寄せ、不快そうな表情を浮かべる。そして、室内にいる人物達を視界に入れた途端、信じられないと言わんばかりに大きく目を見開いた。イデアも彼らに続き緩慢とした動作で後ろを振り返り、入ってきたのが誰なのか理解すると絶望的な表情で固まった。見られたという羞恥心と、こんな姿を見られてしまった事によるショックで耐えきれずに涙が零れ落ちる。ジェイドは指を引き抜き、泣き出した彼を宥めるように優しく頬を撫でた。一方のフロイドも、もう少しだったのにと頬を膨らませながら指を引き抜いた。アズールは何が起きたのか分からないといった様子で立ち尽くしている。いや、状況はとっくに理解しているが、初めての状況を受け入れる事ができなかった。双子を怒るべきか、イデアを助けるべきか、混乱した脳では判断できずにいた。そんな彼に構わず、ジェイドはイデアの顎を掴むと無理矢理自分の方を向かせて唇を塞いだ。突然のことに驚いた彼が口を開いた瞬間、長い舌が入り込んできた。イデアは咄嗟に舌を奥へ引っ込めようとするが、すぐに絡め取られてしまう。上顎や歯茎を丹念に愛撫されると力が抜けていく。何度も深い口付けを重ねられ、苦しくなった彼の目尻から新たな雫が流れた。ようやく解放された頃には息も絶え絶えになっていた。

「昨日修理していただいたお礼をしていた所ですよ。イデアさんのお陰で壊れかけていた機械が直りましたから」

ジェイドの言葉を聞いたアズールは一気に顔が真っ青になった。確かに昨日イデアに調理器具を修理してもらった事と、近々モストロ・ラウンジでお礼をする事を二人には伝えていた。しかし、まさかこんな事になるとは思ってもいなかった。慌てて彼らを止めようとするが、その前にフロイドがイデアの顎を掴み、強引に唇を押し付ける。ジェイドと同じく長い舌を絡ませて、口内を蹂躙していく。先程の行為で力を使い果たしたイデアに抵抗する力は残っておらず、されるがままになっている。その様子を見たアズールの顔色はますます悪くなっていく。今すぐ好き勝手をする双子に怒りをぶつけたいが、この雰囲気に気圧されて言葉を発する事ができなかった。
フロイドはねっとりと舌を絡ませ続け、やがて満足したように唇を離した。二人の唾液が混ざり合い糸を引く。それを拭うことさえできずにイデアはぐったりとソファの背もたれに顔を埋めた。濃厚な接吻が終わるのを確認したジェイドはイデアの腰を掴み、突き出していた尻をアズールの方に向けさせる。呆然としている彼に見せ付けるように、尻臀を左右にゆっくりと割り開く。先程まで散々掻き回された穴は物欲しそうに収縮を繰り返していた。それを見たアズールはごくりと唾を飲み込む。今すぐにでも止めさせなければいけないのに、そこから目が離せない。物欲しそうにひくついている穴に、フロイドは三本纏めて指を入れて思い切り中を掻き回し始めた。突然訪れた刺激にイデアの身体が跳ねる。敏感になっている中は簡単に快楽を拾い上げ、彼の理性を溶かしていった。どうにか快楽を逃がそうと大きく息を吐いたが、それを見たフロイドが意地悪そうな笑みを浮かべて今度は中を拡げるように指を動かす。時折前立腺を軽く掠めて弄んだ。中途半端に与えられる刺激は、快楽よりも苦痛の方が大きかった。

「ここさぁ、さっきずーっとオレらの指で可愛がってあげたんだよねぇ。ホタルイカ先輩、中ぎゅうぎゅう締め付けてすっげぇ気持ち良さそぉにしてんの。アズールもやってみたら?」
「……っ! お前達、いい加減にしなさい!」

我に返ったアズールが怒鳴り声を上げると、二人はやっと彼の方へ視線を向けた。その瞳は獲物を狩る時の肉食獣のように鋭く光っている。アズールは一瞬怯むが、ここで引き下がる訳にはいかない。二人を睨み付け、制止するように手を伸ばす。しかし、それは途中で止められてしまった。ジェイドが彼の手首を掴んだのだ。その手を振り払おうとするが、びくりともしない。ジェイドは掴んでいた手を、そのまま彼自身の股間へと導く。そこには服越しにも分かる程に勃起した性器があった。アズールは驚きに目を見開き、咄嵯に手を引いてしまう。混乱と怒りで自分の下半身の様子に気が付かなかった。ジェイドは片手で器用に彼のベルトを外すとズボンの前を寛げた。下着の中から飛び出してきた陰茎は天を向いており、イデアの痴態を見て反応した事は一目瞭然だった。既に先走りで濡れており、アズールは思わず自身の下半身から目を逸らす。その様子にジェイドは心底楽しそうに笑いながら、彼の顎を掴んでイデアの方に向かせた。
一方のフロイドはイデアの中から指を引き抜き、尻臀を左右に広げた。今まで弄られていたそこは、赤く色付いていた。その縁に親指を添え、彼はアズールに見せ付けるようにゆっくりと開いていく。まだ閉じきっていない穴は簡単に口を開け、中の肉壁を晒し出す。中途半端に与えられていた刺激のせいで、もっと欲しいというように蠢いている。イデアは羞恥で再び泣き出しそうになったが、今の彼にはそれを気にする余裕などなかった。絶え間なく快楽が与えられるのに、決定的なものは与えられていない。イデアは早く終わらせて欲しい一心で、無意識の内に強請るように腰を揺らす。アズールは見てはいけないものを見るような気分になりながらも、ジェイドに顎を固定されているため顔を逸らす事は出来ない。その蠢く内壁から依然として目を離せずにいた。ジェイドは顎から手を離して下の方に持っていく。そして、そのまま彼の陰茎に触れた。突然与えられた直接的な快感に、アズールは喉の奥から呻き声を上げた。ジェイドはその反応に気を良くすると、優しく包み込むようにしてそれを握る。ゆるゆると上下に扱かれる度に、歯を食い縛って耐えようとするが、彼の手は止まらない。アズールが限界を迎える寸前で手を離し、また緩い動きを繰り返す。

「イデアさんを助けたい割に、ここは随分と元気ですね。彼の姿を見て興奮してしまったんですか?それとも…」

そこで言葉を切ると、ジェイドは彼の耳元まで口を寄せた。息を吹きかけるようにしながら囁く。
"僕達に犯されるイデアさんの姿を想像して興奮しましたか?"アズールはびくりと身体を震わせると、ジェイドを睨み付けた。図星を突かれた動揺を必死に抑え、冷静さを装う。そんな彼の強がりを崩そうと、ジェイドは更に追い討ちをかけるように続けた。先程まで自分達がイデアに行っていた行為を事細かに説明する。じっくり時間をかけて慣らした事や、彼がどんな風に乱れたか、どうやって絶頂に導いたか。そして、これからどういう風に彼を犯すつもりだったのか。想像させるようにわざとゆっくり喋るジェイドの言葉を聞いている内に、アズールの呼吸は荒くなり、更に身体が熱くなるのを感じた。ジェイドはその様子を満足そうに見つめると、鈴口に爪を立てた。鋭い痛みと共に強い射精欲に襲われる。必死に耐えようと足に力を入れるが、そんな事をしても意味がない。アズールは奥歯を噛み締めた。このままでは本当にまずいと、頭の片隅で警鐘が鳴る。しかし、快楽によって溶かされた脳は上手く機能せず、正常な判断を下す事ができない。もう駄目だと思ったその時、ジェイドの手が止まった。あと少しで達する事ができたのに、それを止められて浅ましくも切なげな表情を浮かべる。ジェイドはそんな彼の頬を一撫でしてから、フロイドに目配せをした。彼もその意図を理解したように一度大きく首を縦に振ると、穴の縁に添えていた親指を押し込み、思い切り左右へと開いた。柔らかくなったそこは抵抗もなく限界まで広がり、中の様子を全て晒け出した。真っ赤になった内壁と、そこから溢れ出る腸液が見える。外気に触れているだけでも感じてしまうようで、ひくついているのがよく分かった。中に触れている指先を軽く動かすだけで、肉壁が吸い付くように動く。イデアは自分の恥ずかしい場所が全て見られてしまっている事に耐えられず、弱々しく首を振る。しかし、それが余計に相手を煽ってしまう事になるとは思っていなかった。
ジェイドはもう一度アズールの陰茎を掴み、亀頭を掌全体で包むように撫で回し始めた。再び敏感な場所を擦られる度に強い快楽に襲われ、身を捩らせる。身体で渦巻く欲を吐き出したいのに、許されない。絶頂を求めて無意識に腰を動かし続けていると、陰茎の先端をぐりっと押し潰される。強烈な刺激が脳天まで突き抜け、視界に星が散る。アズールはもう我慢の限界だった。ジェイドはそんな彼の心を見透かしたように微笑むと、耳元に唇を寄せ囁いた。

「彼の中に挿れたくありませんか?あの柔らかい穴はきっと僕の手なんかよりもずっと気持ちが良いでしょう。ほら、貴方だって本当は早く挿入して滅茶苦茶にしてやりたいと思っている筈です。大好きなイデアさんのあんな姿を見せ付けられて、何もしないなんて男じゃありませんよ」
「オレらもホタルイカ先輩のこと大好きだから内緒でヤッちゃうつもりだったんだけど、途中で来られちゃったからさぁ…仕方ないから初めてはアズールにあげる。先輩もアズールになら処女あげても良いよねぇ?」

フロイドはイデアの頬を両手で掴むと、アズールの方へ向かせた。焦点の合っていない瞳には涙を浮かべ、その顔は快楽で蕩けていた。口からは飲み込み切れなかった唾液が零れており、その表情はとても淫猥なものに見える。アズールが何も答えられずにいると、イデアは彼に向かって小さく頷いた。高められ続けた身体はもうとっくに限界を迎えていた。ずっと自分の意志を無視され、今は初めての相手を勝手に決められているが、もはや拒否をする余裕などない。早くこの熱から解放されたい。それに、初めての相手が彼ならば嫌ではなかった。無意識の内に目の前の陰茎を求めるように腰を揺らす。その淫らな姿にアズールはごくりと唾を飲み込んだ。こんな事をさせるつもりはなかったのに、こんな事をするつもりはないのに、どうしてこうなってしまったのだろう。頭の中でぐるぐると言葉が浮かんではすぐに消えていく。何を考えても、全ては早く気持ち良くなりたいという思いに掻き消されていく。ジェイドはアズールが葛藤している様子を楽しげに見ながら、彼のズボンと下着を一気にずり下ろした。下肢が外気に晒されたことで一瞬だけ正気が戻ったが、すぐにまた快楽に飲まれていく。誘うように揺れ動く尻を見ながら、彼は理性が完全に溶けていくのを感じた。
双子の視線を感じながら、アズールは恐る恐るといった様子でイデアに近付き、濡れそぼった穴に陰茎を押し当てた。収縮を先端で感じながら、ゆっくりと挿入していく。負担を掛けないようにと優しく入れたのだが、それでも圧迫感はあるらしく、彼は苦しげに息を吐いていた。その姿に申し訳無さを感じるが、それと同時に興奮を覚えている自分もいる。今すぐにでも激しく動きたい。アズールはそんな感情を振り払うように大きく首を振って、更に深くまで押し進めた。根元付近まで入った所で動きを止め、中が落ち着くのを待つ。その間もきゅうっと締め付けられ、危うく達してしまいそうになるのを抑えた。暫くすると、馴染んできたのか中の締め付けが緩くなった。一度深呼吸をしてから、ゆっくりと抜き差しを始めた。最初は浅い所を抜き差ししていたが、徐々に奥へと進めていく。肉壁が絡みつくように動いていて、それが堪らない程気持ち良かった。あまりの快感に意識が飛びそうになりながらも抽送を繰り返すと、ある一点を掠めた瞬間に彼が反応を示した事に気が付いた。その場所を確かめるように何度も突いていると、次第に声も大きくなっていく。どうやらここが弱いらしい。弱点を見つけた事で少しだけ冷静になった彼は、そこを狙って攻め始めた。

「ねー、なんかさぁ…オレらのこと忘れてない?」
「盛り上がっているところすみませんが、僕達もいる事をお忘れなく」

不機嫌そうに頬を膨らませたフロイドが、突然イデアの胸の突起を強く摘まむ。鋭い痛みと共に強い快楽を与えられ、彼はより一層高い声で喘いだ。そのまま引っ張ったり押し潰したりして弄ばれる度、身体に電流が流れたかのような衝撃が走る。同時にジェイドの手が陰茎に触れ、上下に激しく動かされる。今まで散々焦らされていた彼にとって、それらは全て快楽にしかならなかった。前戯で高められていた身体は簡単に上り詰めてしまい、あっという間に絶頂を迎える。勢いよく吐き出された精液は彼の胸元まで飛んでいき、肌の上を流れていった。射精した事で後ろが締まり、アズールの陰茎を強く刺激する。突然の強い快楽に耐え切れず、そのまま彼も中に欲を流し込んだ。全てを注ぎ終え、ようやくアズールは大きく息を吐いた。萎えたそれを抜こうとした時、フロイドがそれを止めるかのようにアズールの腰を掴んだ。彼は結合部をまじまじと見つめた後、にやりと笑みを浮かべた。そしてぎりぎりまで腰を引かせると、再び一気に最奥目掛けて押し込んだ。突然の衝撃にアズールは大きく背を反らす。イデアも彼の行動に驚いたようで、慌てて止めようとしたが遅かった。フロイドはアズールの腰を掴んだまま、容赦なく抽挿を繰り返した。達したばかりで萎えていた筈の陰茎は再びイデアの中で硬度を増しており、激しい水音を立てていた。イデアは揺さぶられる度に口から悲鳴のような声を上げ続けていた。達したばかりの身体は敏感になっており、そんな状態で乱暴に犯され続ければ狂ってしまいそうな程の快楽に襲われる。先程出したばかりのアズールのものは中で掻き回され、泡立って太腿を伝っていく。その感覚にさえも身体は震えてしまう。アズールは己の意思とは無関係にイデアを犯しているという状況に頭がおかしくなりそうだった。罪悪感と快楽が入り混じり、正常な思考が出来なくなっている。こんな事したくないと思っているのに、それとは裏腹にフロイドに容赦なく腰を打ち付けられ続ける。激しく出し入れさせられる度に内壁が締まり、まるで搾り取るように陰茎を刺激してくる。限界を感じたアズールは、彼の中に再び精を放った。熱いものが注がれていくのを感じながら、イデアも薄くなった精液を少量だけ吐き出す。お互いが達した事に満足したフロイドは、アズールを抱きかかえるようにしてイデアの中から陰茎を引き抜かせた。栓を失ったそこからどろりと白濁が流れ落ちる。ようやく双子から解放されたアズールは力が抜けたようにその場にへたり込んだ。
イデアの意識はまだはっきりしていたが、体力の限界だった。ぐったりとソファに横になっていると、急にジェイドが覆い被さってきた。何が起こったのか分からず困惑していると、尻の割れ目に硬いものを擦り付けられる。それが何か理解すると同時に、彼は慌てて起き上がろうとした。しかし快楽を受け続けた身体では上手く動く事ができず、簡単に押さえ込まれてしまった。また犯されると身構えたが、彼は割れ目に何度も上下に擦り付けているだけだった。まるで挿入している時のように動かされ、先程の行為が思い出される。先程の快楽を想像しただけで、イデアの口から甘い吐息が漏れた。先走りで濡れた先端が穴に触れる。ちゅっと可愛らしい音が響き、それだけで恥ずかしくなる。ジェイドが先端で入口を撫でるように動かすと、イデアはもどかしさに腰を揺らす。快楽に溺れた身体は再び熱を拾い始め、太腿を擦り合わせた。その様子を見てジェイドは顔を綻ばせる。

「僕達もそろそろ失礼しますね」
「ま、まって、も、もうやめて…!」

イデアが懇願するようにそう口にしたが、当然聞き入れられる筈がない。腰を掴まれ、ゆっくりと中に入ってきた。先程アズールを受け入れたそこは彼の陰茎も簡単に飲み込んでいく。根元まで入れると、ジェイドは一度動きを止め、イデアの体を持ち上げて自分の上に座らせた。自重のせいで更に深く入り込む感覚に、イデアは小さく喘いだ。背面座位の体勢になると、ジェイドは自分の膝の上に乗せていた彼の足を思い切り左右に開かせる。それによって結合部が露わになり、イデアは羞恥に震えた。普段なら絶対に人に見せないであろう部分を見られているという事だけでも辛いのに、繋がっている部分を見せ付けられるなんてとても正気でいられなかった。嫌だと首を振って訴えるが、その願いは聞き入れられない。それどころか、フロイドは力なく座り込んでいるアズールを引き寄せて目の前で二人の結合部を見せる。ジェイドが軽く突き上げる度に陰茎が抜き差しされている様がよく見える。先程出された精液が溢れ、彼の陰茎に垂れていく。アズールがその光景に思わず顔を逸らすと、フロイドがそれを咎めるかのように顎を掴んで引き戻す。無理矢理見せられる状況に涙目になる彼を見て、双子は楽しそうに笑った。
ジェイドは一旦律動を止めると、フロイドが二人の繋がった部分に指を入れて円を描くように動かし始めた。敏感な粘膜を弄られた事でイデアは背を仰け反らす。同時に中に入っているものを締め付けると、ジェイドは顔を歪めて苦しげな表情を浮かべる。いきなり締め付けられて達しそうになったが、どうにか耐えるとフロイドに目配せをした。それを受けて彼は指を引き抜く。既に下半身を露出させていたフロイドは、アズールを解放すると二人にのしかかるように覆い被さった。そして、既に挿入されている穴に陰茎の先端を宛てがう。これから何をされるか理解したイデアは恐怖に顔を青ざめさせる。アズールも彼らがしようとしている事を察して必死にフロイドにしがみついたが、そんな抵抗など無意味だった。フロイドは一気に腰を押し進める。狭い肉壁を掻き分けて入ってきたそれは、先に埋まっていたものと同じくらいの質量があった。まだ全部入りきっていないのに、腹の奥が圧迫されて息をすることすら困難になる。これ以上入らないと思ったところで、ようやくフロイドの止まった。そこで一旦呼吸を整えようとしたが、今度はジェイドが動き始める。彼はイデアの足を掴むと、下から突き上げた。二本の陰茎に中を擦り上げられ、圧迫感に気が狂いそうになる。内臓が潰れそうな程に抉られると、視界がちらついた。あまりの衝撃に脳が処理しきれなくなり、意識を失いかけたのだ。しかし、ジェイドはイデアの意識を呼び覚ますように強く奥を突き上げる。その瞬間、今まで感じた事のない快感が襲ってきた。結腸の入り口を突かれたイデアは、声にならない悲鳴を上げる。未知の感覚に怯えて逃げようとするが、二人がかりで押さえつけられているため、逃げる事はできなかった。ぐぽぐぽと音を立てて出し入れされる度に強い刺激が全身を駆け巡る。快楽を得た身体にはもう圧迫感は消え、ただひたすら気持ちいいという感情だけが残った。
アズールは目の前で行われている行為を呆然と眺めていたが、イデアの様子が変わった事で我に返った。先程まで辛そうにしていた彼が今ではすっかり蕩けた顔になっている事に驚くと同時に、羨ましくなった。彼らが腰を動かせば動かすほど、イデアは甘い声で喘ぎ出す。その姿を見ただけで興奮してしまう。もっと乱れた姿が見たくて仕方がなかった。無意識の内に立ち上がり、イデアの手を握りしめてソファに座る。もう罪悪感も何もない。彼の手に己の陰茎を握らせて上下に扱き出した。

「アズール、ってば、ホタルイカ先輩の、手で、シコる、とか、マジで、変態じゃん」
「…ふふ、イデアさんの…手は、気持ちいい、ですか?」

二人はイデアの手を使って自慰を始めたアズールを笑う。その間も腰の動きは止まらない。イデアは前後から与えられる快楽に耐えられず、何度も絶頂を迎えていた。意識を飛ばしかけてもすぐに強い刺激によって呼び起こされ、休む暇もなかった。交互に最奥を穿たれ、前立腺を強く押し潰されると、目の前が真っ白になり、一瞬意識を失う。しかしその次の瞬間にはまた強烈な快感を与えられて強制的に覚醒させられる。気絶する事すら許されない状況にイデアは絶望するしかなかった。このままでは本当に死んでしまうかもしれないと思いながらも、体は貪欲に快楽を求めてしまう。その証拠に、先程からずっと尿道からは透明な液体が漏れ続けていた。
そろそろ限界が近付いたフロイドは、荒い息を繰り返しながら更に激しく腰を打ち付ける。ジェイドも彼と同様に限界を感じていた。下から突き上げるように動くと、亀頭が結腸に入り込む。その感覚に堪らずイデアは甲高い悲鳴を上げた。その瞬間、中のものが強く締めつけられて彼らもほぼ同時に射精した。イデアの手がアズールの陰茎を強く掴んだため、彼も双子にやや遅れながらも絶頂を迎えた。全てを出し切ったフロイドが陰茎を引き抜くと、ジェイドも同じようにそれを引き抜いた。ぽっかりと開きっぱなしの穴からは、たった今出された二人分の精液が溢れ出してソファーを濡らす。どろりとした液体は、イデアの太腿を伝って床に落ちてゆく。自分の中に出されたものが足に垂れていくのを感じながら、彼自身の意識も静かに落ちていった。



目を覚ました時、イデアはベッドの上に居た。見知らぬ天井を見て自分の部屋ではない事に困惑する。体を起こそうとするが、全身に痛みが走って起き上がれない。何故こうなっただろうか、ぼんやりとしている頭を働かせて状況を整理する。そして、自分が何をされたのかを思い出してしまい、頭を抱えた。どう考えてもおかしいだろ。あんな事、普通なら絶対に有り得ない。そもそも何で僕がこんな目に遭わなきゃいけないんだよ。そんな事を考えながら一人で身悶えた。
暫くそうしていると、部屋の扉が開いてアズール達が入ってきた。一瞬だけ目が合ったが、イデアは咄嵯に布団を被って隠れた。別にやましい事があるわけではないが、あの光景を思い出すと羞恥心と恐怖心が込み上げてくる。まさか男同士でセックスをするなんて思いもしなかった。しかも相手は三人。あれが夢だったらどんなに良かったか。だが、体に残る鈍痛のせいで現実だと思い知らされる。正直、今は誰とも話したくなかった。しかし、そんな願いも虚しくアズールが声を掛ける。無視しようかと思ったが、結局のところ無駄だと悟り布団の中から渋々返事をした。まず最初に謝罪の言葉を口にしたアズールは、イデアの様子を窺いながらゆっくりと事情を説明し始めた。彼によれば、あれから三人は後始末を済ませ、気を失ったイデアをアズールの部屋で休ませていた。今は汚れてしまった服の代わりに、寮生用の体操着を着せられている。その事を説明されて初めて、イデアは自分が着替えさせられている事に気が付いた。事情を話し終えたアズールは、何度も申し訳なさそうに謝罪の言葉を口にする。彼は今回の件は自分のせいだと思っていた。双子を止められなかった事もそうだが、一番はイデアに無理矢理行為をさせてしまった事がショックだった。アズールがもう一度謝ると、ジェイドとフロイドも同じように謝罪した。双子は相当怒られ、珍しく反省している様子だった。
イデアは彼らに対して怒る事も、責め立てる事もしなかった。ただ黙って話を聞いていた。全てを聞き終えた所で、彼は深い溜め息をつく。体は痛いし、声も枯れていて辛い。しかし、怒る気も責める気も起こらなかった。双子はともかく、アズールは巻き込まれただけだ。彼には何の非もない。だから、これ以上咎めるつもりはなかった。そんな終わった事にいつまでも拘っても仕方がない。それよりも何故自分が犯されたのかという理由の方が知りたかった。いくら考えても答えが出なかったため、直接本人達に聞くしかないだろう。そう思ったイデアはおずおずと顔を出すと、上目遣いになりながら三人を見上げた。聞くのが怖いが、聞かない訳にはいかない。意を決して口を開く。しかし、それよりも先に眉尻を下げたフロイドが喋りだした。

「ごめんねぇ。アズールがホタルイカ先輩大好きだし、オレとジェイドも好きになっちゃったからさぁ…」
「アズールが近々イデアさんにお礼をするという事で、それに託つけて貴方を抱かせてもらおうかと思いまして。ですが、まさかあんな事になるとは…」
「……お前達、それは本当ですか?」

アズールは低い声で問い掛ける。その表情は笑顔だったが、目は笑っていない。本気で怒っている事は双子の目から見ても明らかだった。二人は揃って冷や汗を流す。流石に今回はやり過ぎたという自覚があった。だから何も言い訳せずに怯えて縮こまるしかなかった。アズールが説教を始めようとした時、イデアは慌てて止めに入る。このままでは話が進まないし、何よりこの件で喧嘩になってほしくない。そう思って必死に訴えかけると、アズールは困ったような顔をして双子から視線を外す。一触即発の状態だったが、どうにか収まりイデアは安堵した。そして、少し落ち着いたところで先程の二人の言葉を頭の中で反芻する。つまり、彼らは自分に好意を抱いていて、その気持ちを抑えきれずに襲ってしまったという事らしい。そこまで理解したところで、イデアは再び大きな溜息をつく。好意を寄せられるのは嬉しいが、だからといってこんな風に襲うのは勘弁してほしい。そもそも、陰キャのオタクなんかよりも良い人が沢山いるだろうに。何故わざわざ自分なのか、彼は不思議でならなかった。

「あのさ…君達なら他にもっと良い相手が見付かると思うよ?そもそも、僕なんかに好かれても迷惑だと思うし…だから、その、今回の件は怒ってないし気にしなくていいっていうか…えっと、まあ、そういう訳なんで。はい、解散!拙者は疲れてるんで寝ますわ!!」

早口に捲し立てたイデアはそのまま布団を被って眠ろうとする。その言葉にアズール達はぽかんとしていたが、我に返ると慌てて彼を引き留めた。しかし、イデアは頑として譲らない。もう話は終わりだと言わんばかりに、頭まですっぽりと布団を被ってしまった。アズールとジェイドはどうしようかと悩んでいるようだったが、フロイドだけは違った。彼はベッドに飛び乗ると、イデアの上に覆い被さる。そして、強引に布団を引き剥がした。突然の事にイデアは抵抗しようとしたが、腕を押さえられて動けなくなる。また何かされるのではないかと彼は怯えたが、予想に反してフロイドは何もしなかった。その代わり、期待を込めた眼差しを向けている。

「それって、オレらの告白聞いてくれたってことぉ?」
「は!?ち、違うってば!拙者そんな意味で言ったんじゃないんだけど!それに、他にもっと良い相手が見付かると思うって言ったよね!?」
「イデアさん以外に良い人なんて見付かりません!!」

アズールが珍しく大声を出したため、イデアは驚いて体を震わせた。彼がここまで感情的になる姿を見た事がなかった。それだけ自分の事を大切に思ってくれているのだろうか。そう思うと嬉しかった。しかし、同時に罪悪感が湧き上がる。こんなにも真っ直ぐな想いを受け止める事はできない。双子の事だってそうだ。正直なところ、彼らの事は苦手ではあるが別に嫌いではない。だからこそ、誰かを選ぶ事ができなかった。彼が三人の視線に耐えられず俯いたまま黙り込んでいると、不意にジェイドが口を開いた。

「もういっその事、全員とお付き合いされてみてはいかがでしょうか?」
「さっすがジェイド!天才じゃん!」

ジェイドの提案を聞いた途端、フロイドは目を輝かせた。一方、アズールは眉間にシワを寄せながら首を横に振る。そんな無茶苦茶な提案が通るはずがない。イデアがそんな事を了承するとは思えない。彼を見ると、案の定信じられないという表情を浮かべていた。しかし、ジェイドは気にする事なく話を続ける。

「誰か一人を選べないのでしたら、三人共付き合えばいいんですよ。そうすれば誰も傷付く事はありませんから。それに、僕達は貴方を逃がす気は毛頭ございません。ですから、諦めて僕達のものになってくださいね。愛していますよイデアさん」

ジェイドの言葉にフロイドはうんうんと何度も大きく縦に首を振る。その横でアズールは呆れたように肩をすくめていたが、一理あると思ってしまったのかそれ以上何も言わなくなった。三人とも本当にそれでいいと思っている様子で、それぞれ真剣な表情でイデアを見つめている。イデアは口を開いたまま呆然としていた。まさかこんな展開になるとは夢にも思わなかった。この調子ではきっと何度断っても無駄だろう。だったら最初から受け入れてしまった方が楽かもしれない。あまりにも非現実的な状況に、半ば自棄になった彼は考える事をやめて小さく呟く。

「分かったよ…付き合えばいいんでしょ……」

こうして、イデア・シュラウドはオクタヴィネルの三人組と恋人同士になってしまった。しかも、彼らは揃いも揃って独占欲が強いらしく、イデアに近付く者に対して敵意を向けるようになったのだ。そのせいで、彼は更に疲労困憊する事になるのだが、それはまた別のお話。





sample