魔法使いみたいなんてさ
twst エース
恋と呼ぶにはまだ幼すぎて、気付いた時には遅すぎた。
そんな話。
「すごい!エースは魔法使いみたいだね!!」
ちょっとしたカードマジックに、大袈裟なくらいに喜ぶアイツの顔を、俺は忘れられないでいる。
「みたいじゃなくて、魔法使いなんだよなぁ。」
まあ、確かにアイツの前で見せたのはただの手品だったけれど。まだ魔力を自覚し始めたくらいの、幼い頃の事だ。
アイツに披露したのは、あの当時かなり力を入れて練習した渾身のマジックだった。今よりずっと小さかった手で扱うトランプは、取りこぼしやしないか、失敗しないかと不安はあったけど、それを悟られるのはダサい気がして、ただひたすらに練習した。練習なんて面倒で格好悪いと思ったけど、たぶんそれ以上にアイツが笑うとこが見たかった。
まだ、学生で魔法士と呼ぶには未熟だけどさ、
「魔法使いになったんだよ、おれ…」
お前は、何になりたかったんだっけ?