それが恨みでも構わない
イデアと憑かれている後輩の話
イデアは、話しかけるつもりなどなかった。
悍ましい気配を背にくっつけて、あそこまで平然としている同僚の後輩に、こちらが削られて行くような気がして、思わずすれ違いざまに声をかけてしまった。
「ねぇ。」
「ヒィッ、え、シュラウド氏?わ、我らが寮長がボクにな、な、なんのごようで…」
「キミ、誰かに恨まれてたりする?」
「え?」
「ハッ、ほぼしょ初対面で、拙者は何を…」
「…ボクの背後に幽霊でも見えましたか?」
「エッ、あ、まあハイ。幽霊っていうか、まあそれに近い様な気配はシマス…ケド。」
唐突に変なことを聞いた自覚はあるけども、質問を質問で返さないで欲しい…
「そうですか!」
「え、なんでそんな嬉しそうなの…?」
「恨まれていた自覚はあります。どんな感情であれ、ボクのそばにいてくれるので有れば、嬉しいと思ってしまうのです。」
「…大切な人に、恨まれているの?」
「事実がどうか、ボクには確認する術がありませんから、断言までは出来ませんが、きっとそうなんじゃないかと思います。」