見知らぬアナタがくれたもの
幼少期から始まる轟家次女の話。
家族の中で唯一、荼毘お兄ちゃんに気がつくというありがちな話……を書こうと思っていたら何故かモブヴィランのお兄さんと仲良くなっていた。

焦凍の双子姉 名前候補:凍火とうか
個性 過熱冷水
炎は出ないが、周囲を熱する事は出来る。氷は出せないが、冷水は体のどこからでも出せる。

周囲に可燃物がある状況で、熱した温度が可燃物燃焼温度に達せば燃える。街中で威力を考えず使おうものなら大惨事。

強化したら
・熱に指向性を持たせられる。
・水を瞬時に蒸発させて霧を発生。
・水蒸気爆発。

以下 次女とモブ敵の会話文
モブ敵がエンデヴァーの娘を拐う所から始まる。

「こんなことしても、エンデヴァーはきっと来ないよ?」

「はぁ?ンなわけねぇだろ。子供拐ってんだぜ、親なら来るだろ。それより早く連絡しろよ。」

「そうかなぁ?」

「……仲、悪いのか?」

「わるいなんてもんじゃないよ。だから、やめた方がいいよ。」

「ガキなのに苦労してんのな。」

「お兄さんも、苦労してそうだね。エンデヴァーになんの用だかしらないけど、やめたほうがいいよ。まだだれにもバレてないから…」

「…お前、親に言わないのかよ。」

「いわないよ。まあ、お兄さんがわたしを殺す気なら、そもそもいえないけどね。」

「……殺さねぇ、俺はお前を殺さねぇよ。」

「そっか、じゃあいいひとだ。」

「はぁ?悪い奴だよ、誘拐してんだぞ。」

「それをわるいって思うなら、お兄さんいいひとだよ。それにわたしは、ゆうかいって思ってないから、お兄さんとあそんでるだけだよ?」

「変わってんな、お前。」

「わたし、へん?」

「ああ、変だ。でもそれはきっと…」

「きっと?」

「いや、なんでもねぇよ。」

「そう?お兄さんってへんなの。」

「ああ、お揃いだな。」

「おそろい…」

「なんだ?」

「ううん、おそろいってずっとキライだったけど、お兄さんとならうれしい。」

「そうかよ。」

「そうだよ。」

「お前、さ……もう、家帰れよ。」

「お兄さんはどうするの?」

「どう、しようかな…」

「お兄さん、わたし……ううん、やっぱりなんでもないや。」

「どうしたんだよ。」

「ううん、ホントになんでもないの。ただ、かえったらもう、会えないね。」

「俺に、また会いたいのか?」

「うん!」

「バカ、じゃねぇの?」

「うん、バカだからまた会いたいな。」

「会わねぇよ。もう2度と会わねぇ。」

「わたしがエンデヴァーをよばないから?」

「いや、そうじゃねぇ。」

「じゃあ、どうして?」

「どうでも良くなっちまったんだよ。」

「……しんじゃうつもりなの?」

「お前、妙なとこでバカじゃねぇな。」

「しんじゃやだよ。」

「俺には何も残ってねぇからな、命は惜しくねぇ。」

「わたしじゃ、生きる理由にならない?」

「お前それ、あと10年経ったら大切な奴に言えよ。」

「お兄さんは、バカだね。また、お揃いふえたね。」

「うるせぇよ。」

「ごめんなさい。」

「……し…かよ。」

「え、なあに?」

「俺に生きてて欲しいか?」

「うん、ほしい!!生まれてから、いちばんほしいよ!」

「そうか。」

「うん。」

「そう、か……」

「うん。」

「俺も、お前には生きてて欲しいよ。」

「え?」

「生きろよ。どんなに辛くても生きろ。」

「わたしが言うのもなんだけど、会ったばかりなのにどうして?」

「さぁな。ただお前が、似てるから…」

「だれなのか、聞いても?」

「……妹だよ。エンデヴァーに殺された様なもんだ。まあ、仕方ねぇといえばそうなんだがな。」

「それは…」

ヴィランだったんだ。俺は、止められなかった。止めてやれなかった。」

「だからエンデヴァーを、いやちがうね。お兄さんはおんなじように、しにたかったんだ。」

「ああ。」

「ダメだよ。」

「ああ、そうだよな。アイツのヒーローに、なってやりたかったなぁ…」

「ヒーローなんて、いないよ。」

「……生きてりゃいつか出会うよ、俺みたいにな。」

「お兄さん?」

「お前は俺のヒーローだよ。」

「わたし、何もしてないよ?」

「誘拐して悪かったな。お前に会って生きようって思えたから、お前は俺のヒーローだよ。」

「このままつれてってくれれば、お兄さんもわたしのヒーローなのにな…」

「そんなに酷いのか?」

「…ううん、大丈夫だよ。」

「ガキがそんなとこまで、ヒーローになんなよ。」

「やさしいね……そろそろ、かえろうかな。」

「そうか。」

「お兄さんを敵にはしたくないからね。」

「もう、おせぇよバカ…」

「そっか。」

「じゃあな。」

「うん……また、会ってくれる?」

「お前がもっと大きくなったらな。」

「ぜったいだよ!!ウソは嫌だからね。」

「おう。」

「そうだ、お兄さんの名前おしえてよ。わたしはーーー。」

「俺は、ーーーーだ。」

ねぇ、あの時私はヒーローなんて居ないって言ったよね。
お兄さんが私をヒーローだって言った様に、私にとってのヒーローはお兄さんだった。

でも、どうして…
どうして、お兄さんがそっちに居るんだろう。


「久しぶりだね、お兄さん。」

「おう。」

「どうして、そっちに居るの?」

「俺はさ、お前に救われたよ。けど、お前はまだ救われてねぇんだろ?」

「…。」

事実だった。だが、私は救いを求めてはいない。

「でも、お兄さんはヒーロー…ううん、私にとって英雄だったよ。世に溢れているヒーローより、よっぽど輝いていて特別だった。今でも私の特別。ねぇ、まだ間に合うよ。」

「…嬉しいよ。そう思って貰えたんなら、でも俺は後悔してねぇんだ。」

「そっか。生きてくれるなら、それだけでいいよ。それだけでも嬉しい。きっとこれはエゴだけれど…」

「お前、やっぱヒーローだよ。いや、俺にとっての英雄だ。他の誰かが、お前でさえお前の言葉がエゴだって言っても、俺にとっては結構……くるんだよ、心にさ。だからさ、こっちには、絶対来んなよ。」

「行けないよ。そんな顔されたら、行けない。」

だって、お兄さん……行かせてはくれないでしょう。





Index

Home

ALICE+