まだまだ時間はあるから
コラーダは雨が苦手なのだとばかり思って居たが実はそうではないらしい。
最近になってようやくそのことに気がついたスタンピーは、 いつもよりどことなく距離の近いコラーダに言った。
「寒くない?」
「おめえが心配するほど寒くはねえけど」
「そうかなあ?」
どことなく、少し寒そうな様子に、 そっとその手を握る。
「嘘つき。 こんなに冷たい手のくせに」
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そもそも俺の故郷はこんな変動的ではなかった。 そんなことを想いながら、 なんだか必死そうに布団に潜り込んでは己を抱きしめてくるスタンピーを見つめてコラーダはため息をついた。
「おい」
「どうかした?寒い?」
「寒くはねえけど…、 なんでお前がこんなとこに紛れ込んでるんだよ」
「空調の調子が悪いみたいで、 ロングラックが一生懸命直してくれてるけどまだ直らないみたいだから心配でみにきたんだ。 そしたらコラーダが全然起きてくれないから。 外は雨が降ってるしあと今はまだ夜だから安心してねていて?」
そのことにようやく合点がいった。 つまり、 コラーダの機体温はだいぶんさがってしまっているらしい。このときばかりは温度変化に素早くついて行けない自分のビーストモードが嘆かわしい。 機体の温度が下がってしまっているのだから、 まだ機体が完全に眠りから目覚めていないのだろう。 見かねたスタンピーが己の体温で暖めてくれている…というのはいつものごとくだ。だが、 なんだか今日はやけにその距離を意識してしまう。
「もうあちいから離せよ」
「嘘つき。 コラーダってばこのくらいの熱さ全然へっちゃらでしょ」
そういう意味で言った訳ではないのだがと、 若干あきれてしまうもののそのことを言うのはなんだか癪にさわるので言おうとはしない。
だが熱いのだ。
「スタンピー離れろって」
「ビッグコンボイも、 コラーダの事心配してたから大丈夫だよ」
「あちいんだってば」
「どこが? こんなに冷え切ってるくせに」
ぎゅうと抱きつかれて、 機体をこすられる。 スタンピーにとってみれば今の己は相当冷たいのだろう。 だが、 スタンピーとコラーダのいう熱いはだいぶんちがう。 スタンピーの手が己の背を撫であげ、 その体躯にまで達したときにどうしようもなくなってコラーダは叫んだ。
「お前のさわっとこがあちいんだよ!」
ぴたりと、 その瞬間にスタンピーの手が止まった。 しまったとコラーダ自身も思うがそれよりも先に、 スタンピーが跳ね上がった。
「わー!!! べ、 別にそんなつもりじゃあ…!!!」
「そんなつもりなくてあんなにしつこくねちっこくさわってこねえだろ!」
「ぼ、 僕本当に…!!!」
ふと目覚めたいたずら心に、 スタンピーの背を体躯でなで上げる。 じんわりとした暖かさに、 なんだか心地がよくなるが対するスタンピーはかちんこちんに固まってしまっていた。
「こ、コラーダ、 あのね…、」
「おめえだってさんざんさわりまくったんだから俺にもさわらせろ」
「こ、 コラーダでもさ」
なんだか体躯になじむそれが気持ちいいとさえおもう。 機体を絡ませながら、その暖かさに酔いしれる。
「あったけえな」
自然と溢れた言葉をスタンピーに向けた瞬間のできごとだった。
「スタンピー変身!」
そのことに焦ったのは他の誰でもないコラーダ自身であった。 何かまずい事でもあったのかと、 自分自身も変形する。
「コラーダ変し… 、うあっ!」
なんだかずいぶん乱暴にされていると思いながらスタンピーを睨み付ける。
「なにしてんだおま、 え…」
「コラーダのせい」
その瞬間にふさがれた唇になんだか納得がいかない。 だが、 抗議の言葉を言おうと開いた唇に、 舌をねじ込まれる。 ぞろりと、 牙をなぞられた瞬間に背筋を走る悪寒にびくりと身震いした。
「まだ寒いみたいだね」
「す、タンピー」
いつもよりだいぶん男くさい笑みに、 言葉がつまった。
「お前、いつもそのくらい自信満々なら良いのに」
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眼下に広がる光景に、スタンピーはくるりとおもわずのどが鳴るのを感じた。 それはコラーダとて敏感に感じ取っているようで、 なんとなく優越にひたる。
「コラーダ」
声をかけた瞬間にびくりと大げさなほど機体を揺らしたコラーダがかわいいと思う反面少し、 かわいそうにもおもう。そんなに怖がらなくたっていいはずなのに と、スタンピーは笑みを漏らした。
「す、すたぁ…、もうやだ」
「何が?」
「できない、もう、やだぬいてや、っ… んぅあ!やだ、すた、やだぁあ!!!」
コラーダの声が耳にきもちいいとさえ想いながらスタンピーはコラーダの体内をうがった。そのたびに、きゅうとしまるコラーダの体内の動きにどこが嫌なんだろうと疑問が浮かぶ。
「気持ちいい?」
「やだってばぁ、 もうっ、 ん、ぅ…ちゅ、 」
やだやだとわがままばかりの唇を塞ぐ。口腔油の絡んだ舌を合わせればとろりとコラーダの瞳がとけた。
「はぁう…、 ん、 ちゅぱ、 」
「ちゅっ… キス好き?」
こくり。控えめながら、 頷いたコラーダを導いた。
「気持ちいい?」
「あ、、 う、…、、」
「コラーダ」
促すように咎めるように訪ねれば、コラーダはこくりと頷く。
「きもち、い、ふぁう!!」
「ココ?」
「あ、 ひぅ!! やあっ、 そこはだめ!!」
「気持ちいいんでしょ?」
「ふぁ、 だめぇ、 こわい、、 !!」
動きを止めてから、 そっと口づけた。
「怖い?」
「… 、 わかんなく、なりそうで、」
「わからない?」
「、いなくなる気がする、 」
コラーダとの付き合いは短い。 それもその筈だ。 訓練が始まる前はコラーダのことは同じ訓練生で同期であることくらいしか接点はなかったし、 こんな風な関係になるなんて想像すらできなかった。
短く言ったコラーダはそれきりなにも言わずに口をつぐむ。 だが、 ぽろりぽろりと零れる雫が綺麗で切ない。
「ごめんねコラーダ、 僕にはまだコラーダのこと、 全部わかってあげられないんだ。 でも僕はここにいるか…、 」
スタンピーがいい終えるよりさきに動いたのはコラーダだった。
「こ、 コラーダ…?」
「べつに、全部わかんなくったって、 いい」
「コラーダ?」
ぎゅぅと抱きついてくるコラーダのその背中にてを回した。 安心したように排気をくりかえすコラーダがぽつんと言った。
「そばにいりゃあいいよ」
コラーダの珍しく素直な言葉に頬が火照っていくのがわかるがどうしょうもなかった。
「ご、ごめん」
「お前さ」
「だって」
「あ?」
「コラーダすごい素直で、 その… か、 かわいいから」
その瞬間コラーダの動きがぴたりととまった。 そこから全く動かないことに不安に思って、 除きこむ。
コラーダは真っ赤に頬を染めていた。
「あんまりそういうの、 いうなって」
少しすねたように怒ったように言うコラーダだが頬にさした赤みのせいで全く迫力がない。
自身の頬にまたぎゅうと熱が集まるのを感じながら、 こつんと額を合わせた。
「続き、してもいい?」
「…… あぁ」
そのまま唇を合わせて、 寝台へとコラーダを押し倒した。
ちゅくりちゅくと、 舌と舌がからみあって音を立てる。
「は、ん… ちゅっ、 ぴちゃ… は、 んあぁ!」
「ちゅ、… きもちいい?」
「ふぁ、あ、あ! そこ、うん、…やあぁっすたぁ!」
ぎゅ、と抱きついてくるコラーダの聴覚器のそばでささやく。
「僕はココだよ」
「んっ、ぁ、ひあああ、 !」
「すき、コラーダ。大好き」
「お、おれも、っあぅ!! ああ、だめ、やぁ!! きもちい、そこきもちい、!!」
コラーダの限界もそろそろのようだった。震えるように小刻みに締め付けてくる内部がスタンピーにも気持ちがいい。
ずちゅりぐちゅりと淫らな音をたてながら、コラーダの胎内を犯していった。
「こわ、やだぁこわ、いく、いっちゃう、すた、すたぁ」
「っ… うん、ぼくもそろそろ、いっていい?」
「すたんぴ、ぎゅって、こわいから、ぎゅってして、」
必死で首に腕を回すコラーダにこれ以上できないと言うほどに、機体を密着させれば自然と接続機がコラーダの深くへと刺さる。
ひぐ、と息を飲むようなそんな声に答えるように言った。
「きみを、愛してる」
「───っ!?、やっあ、っ やああー!」
そのまま機体の奥深くを抉るように、腰を動かせば一瞬止まってから甘い声が部屋に響き渡った。
「ああ、や、うそぉ…、まだいって、あ、やだ、ふかいよぉっ…」
ひくんひくんと、高みに上りきったコラーダの機体はスタンピーの接続機をまるで己のものであるかのように自由に締め付けてくる。
ちゅうと、耳元にキスをするたびに大袈裟に揺れる機体にはじめてじゃないくせに、と思わず苦笑した。
「大袈裟すぎない?」
また震えた機体に今度はふふっと笑いが溢れた。
「っう、しゃ、べんなぁ…」
「え?」
熱に浮かされたコラーダは自分が何をいっているかわかっているのだろうか。
そうおもいながらコラーダに聞く。
「なんでしゃべっちゃだめ?」
スタンピーの疑問の声に、コラーダが首を降りながら答えた。
「声、身体に響くからぁ…」
「…え?」
「びりびりするか、ん、ちゅ」
掠めるように口付ければ、逃げるようにコラーダがみじろいだ。
「僕の声も好きってこと?」
ゆるゆるとそらされた視線は、否定できない証で思わずまた口付けた。
「コラーダ」
「な、んだよ」
「名前呼ばれるの好きだったよねコラーダ」
「うるせー、」
「沢山呼んであげる」
その瞬間に機体に揺らいだ視線に答えるように、スタンピーは再び寝台へと身を委ねた。
!おわり!
(五月三一日
お誕生日おめでたいでございます!
フライングゲットしました!すいません!!!)
鳳櫻月雨