何もしらされていないのだろうとガルバトロンは気取られないようにそっと排気をついた。 つくづく甘い奴だと思うも、 それさえも魅力だと言われればうなずけてしまう。 己も相当焼きが回ってしまったかと、 ぎりと歯を食いしばった。

「今日もお願いしますね」

ぎぎぎと重苦しい音が鳴って薄暗い部屋に光りが射し込む。 この仕打ちももはやなれてきてしまったとだが、 喪失が何もないわけでもない。

「無駄なことをずいぶんさせる。 いっそ思いのままに痛めつけろ」
「貴方を傷つけてはならないと、 ライオコンボイの厳命なのです」
「傷つけてはならん?」

卓上に置かれた薬品を見てガルバトロンは口角をつり上げた。 その反応に、 にこりと笑って目の前の医者らしきものが笑みをこぼした。

「普通の者ならとうに落ちているところなんですがさすがはガルバトロンといったところでしょうか」

つながれた腕に打たれたその物質が入り込んだ瞬間ぐらりと視界が揺らいだ。

「今日もお話きかせていただきますね」

おぼつかないぐらぐらすると、 緩みかけた意識を必死に呼び覚ます。 機体から力がぬけだらりと倒れ込みそうになるのを両腕の鎖が許さない。 頭を上げていることすらつらい。

「ガルバトロン?」
「なん、 だ」
「ライオコンボイは、 話せばわかってくれるといつもいうんですよ」

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捕虜の扱いなどこんなものだろうと、 ガルバトロンは体内に異物を感じながら唇をかみしめようとするもそれは叶わない。 だが、 これはこれでまたいいと朦朧とする意識の中で思う。

「おい、 もっと舌使え!」
「ふご、ぐ、う、!」
「薬いれてちゃ無理か」

ぼそりとぼやいたその言葉がなにを意味しているのかはわからない。 そんなことよりもすさまじい徒労感が襲っていた。

「んんんご!」
「あー!いい、いいぜあんたすげえしまってる」
「ふ、ぎぃ!んぐふっ、 んーっ! がひゅ、 っお!」

咽喉深くにまで押し込まれた目の前の機体の接続機が排気を妨げた。 押し広げられた咽喉は、 みちりと接続機を締め上げおそらく目の前の機体は快感によがっているのだろう。

「おい、 あんまり締めるんじゃねえよ」

背後で声がした瞬間ぐちゅんと押し込まれる感覚に、 思わず背筋をそらす。 知らずのうちにびくんと機体が小刻みに震え、 それで己が達したのだと悟った。
こんなものだろうと、 わかってはいた。 捕虜の扱いなどどこも大差かわらないと、 不屈の者を屈させるにはこれが最も手っ取り早い方法である。

「やらしいなあんた。 こんなにされてんのにいっちまうなんて」

ぱしんと、 臀部をたたかれて背がしなる。 咽喉の奥に注ぎ込まれた生殖油を何度も飲み込む。 一気に引き抜かれた接続機に、 急に解放された排気が滞りなく行われるのが逆に苦しくて咳き込んだ。
誰のものだかわからない生殖油もはき出されていく。 その白の体液の中にガルバトロン自身の体循環油も混じっていた。 むりやりひろげられた喉奥が傷ついたのかは謎だが、 そのことで喉奥にはりついていた生殖油の味が消えた。

「反抗的だなずいぶん」

にらむように鎖を見つめていれば、 視線を合わせることを強要される。

「あんたもなかなかしぶといな」

目の前の機体は熱に浮かされたような目をしていた。 その瞬間にガルバトロンの中になにかがむくりとわき上がった。

「無抵抗な捕虜一匹貴様は扱えぬか」

意味を理解したらしい目の前の機体は当然怒り狂いガルバトロンは愉悦に口角をあげた。

「何をしているんだ」

短く透き通った声が響いた。 そのことに誰もが、 ガルバトロンでさえも動きを止めた。 だが、 すぐにうっとうしそうにガルバトロンは言う。

「何しにきた、 ライオコンボイ」
「ガルバトロン」
「お前がこんなとこにきてどうするつもりだ」
「君をここにはおいていけない」

突如として、 ガルバトロンを戒めるすべての鎖をほどくライオコンボイに周りの者が慌てる。 そいつは危険だと、 だが、 ライオコンボイは言った。

「彼は全く危険ではない」

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「嘆かわしいほどに悪趣味だなライオコンボイ」
「そうは思わないけれど」
「捕虜などどこもそんなものだ」

全く相変わらずだと排気混じりに目の前のライオコンボイをみやれば、 ライオコンボイはその風格には見合わないほどおろおろと心配を体現していた。

「すまなかったガルバトロン」
「何を言っておる」
「あんなことになるなんて考えなかったんだ」
「気にしておらぬわ」
「私は気にするよ」

そういったライオコンボイの声が剣呑ととがっていることを無視してガルバトロンは言った。

「愚弟に何もしておらんだろうな」
「ガルバトロンは丁重に扱っているって伝えたところだったんだ」

ある意味では確かに丁重であったと、 だがそれを伝えることもなくガルバトロンは言った。

「儂を早くつなげ」
「君の尋問は私が担当する」
「ライオ」
「君は」
 
ライオコンボイが、 確信しているように言う。

「君が思っている以上に話し合いで解決できるはずだ」
「寝首をかくかもしれんぞ」
「君はそんなことはしない」
「過信するな!!」
「過信なんかじゃない、 私は君を大切に…!!」

何が大切にする、だと愚かなことを言うのはやめんかと怒鳴ろうとしたガルバトロンであったが、 目の前のライオコンボイが何事か考え込んでいることに違和感を感じてしまう。 むっと黙り込んだライオコンボイになるべく静かに話しかける。

「貴様の勝手で部下が倒れそうだな」
 
そんなからかいの言葉にもまったく答えを返さず思いにふけっていた。

「そうか」

何かを納得したように頷いたライオコンボイに怪訝そうにガルバトロンは目を細める。 どうにもライオコンボイの思い付きに嫌な予感がぬぐえない。

「ライ」
「私は」

その嫌な予感をぬぐい去ってしまおうと口を開いたガルバトロンを遮るようにライオコンボイは言葉を続けていく。

「私は、 君を大切にしているんじゃない、 愛している」

その言い方に、 言葉に妙にいらだつ。 言葉の意味をわかっているのかさえも怪しいその様子にガルバトロンはいらだちを隠さずに言う。

「貴様、 己の言葉がわかっておらんようだな」
「いいや、 私の理解は正しい」
「貴様の妄言にはもう」
「妄言ではない! 私は、 君を… 愛しているんだ」

つくづく甘いと、 だが、 嫌悪感はない。

「呆れたものだな、 ライオコンボイ」
「そうだな、 ガルバトロン。 だが私は」

ライオコンボイがいい終える前に、 のし掛かり押し倒す。 動くたびにどろりと、受容部から流れ出るそれがガルバトロンを現実に呼び止める。

「貴様の命、 ここで絶ってくれるわ」
「ガルバトロン」

ライオコンボイは驚きも怖がりもせずにガルバトロンを見つめていた。

「余裕だな」
「君は私を殺さない」
「ふざけたことをぬかしおって、」
「ガルバトロン、 愛しているよ」
「聞きたくなんぞないわ! 貴様らの愛だ信頼だ、 そんなものは不確かで…、 」
「ガルバトロン、 だからこそ価値があるのだと、 そう思わないか」

戯言だと、 だがガルバトロンはライオコンボイにそういうことができなかった。 恐れることなく自らの意志をぶつけてくるライオコンボイに返す言葉がなかった。
視線をそらしたくともそれがゆるされないのだと無意識に悟ったことにより、 今この場での勝敗の行方を知った。

「ガルバトロン、 私たちは思った以上に話せばわかるはずだ。 同じところに向かえなくても根底は同じはずだろう?」
「儂も貴様も大義を変えようなどとは微塵にも思っておらんだろう」
「それでも互いの事を理解することはできるはずだ。」

その言葉にガルバトロンは返事を返さない。 その返事のかわりというべくゆっくりとライオコンボイの上から退けば、 ライオコンボイは悟ったように排気を吐いた。

「理解などしあえるはずがない」
「それでも話をしたいんだ。 だけど、 その前に、 その、 ガルバトロン」

いつになく歯切れの悪い言葉をなげかけてくるライオコンボイは困ったように笑う。 その視線の先を追えば、 己の機体に目がついた。 先程の惨状そのままライオコンボイに導かれた訳であるのだから、 機体の洗浄などできはしなかった。

「洗浄室はその扉のむこうにあるよ」

ゆっくりでいいと、 そういってくるライオコンボイに一別くれてからガルバトロンは洗浄室へと身を投じた。
つねであれば決してうなずかないであろうなげかけを了承するなどと、 その実、 己は参っているのかもしれないと一抹の不安を抱えるも、 それだけであるとガルバトロンは排気をする。
蛇口をくるりとひねれば、 生暖かくも冷たい水が零れて機体をなぞっていく。 さっさと、 やってしまおうとぐちりとさんざん陵辱された受容部に指を突き入れた。

「ん、ふ、 ぐ…!」

非常に雑で乱暴な方法であるが、 手っ取り早く終わらせるべきだと自分の中で納得させる。 ライオコンボイはいやがりそうであると、 思いながらあいつがなんだと舌打ちする。
さらさらと流れていく水の中にまじる白濁はだいぶんなくなってきていた、 ひとつ排気をし、 少しだけほてった機体を冷まそうと冷水を浴びる。 それでも火照りはなくならない。

「……、 な、 に…」

ふと、 ライオコンボイにつれてこられる前の状況を思い出して再度舌打ちをした。 先程盛られた薬はタダの弛緩焼くなどではないもっと別な意味も含まれた薬であったのだと、 今更に思う。
どうしたものかと、 考え込むまもなく受容部に指を再び突き入れた。 先程ライオコンボイはゆっくり入ってこいと、 そう言っていたのだから、 それなりに満たせば治まるであろうと判断したのだ。

「んぐぅう、 ふぅう、 は、」

声を聴かれてはこまるとなるべくかみ殺して行為を行う。 だが、 全ての声は消しきれない上に、 機体の熱は徐徐に上がっていく。
指を二本、三本と突き入れてぐちゅぐちゅとかき回す。 その指の一本が、 不意に官能部に触れた。

「んあああ!」

思わずかみ切れずに声がもれ、 がつんと扉を蹴り飛ばしてしまう。 しまったと思ったときにはもう遅かった。

「ガルバトロン?」

こつんと扉をたたかれて、 声をかけられる。

「何かあったのかい?」

そう聞かれて戸惑った。 何もないとはいえないがあったとも言うわけにはいかずにだが、 ひくひくとうごめく受容部はさらなる快感を求めている。

「ガルバトロン?」
「ぐ、 なんでも、ないぃ…!」

震える声を抑えてようやく言った言葉に、 ライオコンボイは納得したのであろうか。 何時までも待つと、 そういって扉の前からはいなくなったらしい。 だが、 これにより立場が悪くなったのはガルバトロンであった。

「んんんぅ…」

官能部にそろりと触れれば、 びくりと脈打つように足が震える。 まったく情けなくもあると自嘲してしまうガルバトロンの意に反して機体は素直に快感を受け入れていく。
しばらく受容部だけをいじくり回していれば、 きゅうと自身の指を受容部の内壁が締め付けていくのがわかった。 限界が近いのだと、 ぎりと歯を食いしばる。

「んぐ、ぎぃ! が、っああ!!」

脳の裏で白い視界がはじけるような感覚になにも考えられずにただ浸った。 受容部は収縮を繰り返し、 長い長い絶頂感をガルバトロンに与えてくる。

「ガルバトロン」
「っ!?なん、ひぃ…!?」

突如聞こえた言葉に驚く。 その驚きを感じてか受容部はつきいれた指を締め付ける。

「心配でね、 あれ以来音が聞こえないから」
「にげた、 かと? 」
「そんな卑怯をすると思ってはいないよ」

受容部からあふれでる官能油はしとどに指を濡らしていた。 そしてライオコンボイの声を聞くたびに、 反応して蠢く。

「ガルバトロン」
「なんだ、 …!」
「愛しているよ」
「っ!」

そのとたんに下腹部の奥から生まれた熱が背筋を登っていくのを感じた。

「あ…、 ふぅっ」

受容部の奥が疼く。 欲しいと、 そしてもう我慢できないほどにガルバトロンはライオコンボイを求めていた。

「ガルバトロ」

がちゃりと大きく戸を開いたガルバトロンをみてライオコンボイは驚いているようだった。 それもそうだろう。 ガルバトロンの機体はぬぐいもしない水が滴り落ちているからだ。

「ガルバトロン、 どうし」
「来い」

不安そうな声をたてるライオコンボイを無視して、 腕を強く引っ張る。

「ガルバトロン、 ガルバ」

乱暴きわまりないと思いながら自分の方へと引き寄せる。 困惑する視覚器をみつめて、 がつりと音がなるほどの力で口唇へと噛みついた。

「んむ、っい!」
「っっっ、ぐ、ぅ」

口唇を濡らす体循環油をなめとり、ガルバトロンが言った。

「儂を抱けライオコンボイ」たっぷり時間を空けてから、ライオコンボイは慌てた。

「ガ、ガルバトロン…?!」
「抱け」
「なっ、 何をばかなことを」
「ばかは貴様だ。 薬を盛られた」
「… 薬、 ?」
「うむ」

ライオコンボイの指をつかみ、 ガルバトロンは受容部の上をなぞらせた。

「ガ、 ガルバトロン」
「なんだその反応は」

あまりにもどぎまぎと落ち着かないようすにあきれて笑いが溢れた。

「だ、 だめだ」
「やらねば治まらん。 誰彼構わず儂が襲いかかって良いのならそうするが」
「それはもっとだめだ…」
「なら、 んぅ!? ひっ、 あ、 !」

そろりとライオコンボイの指が受容部の淵を浅くなぞった。 突然の事に、 ガルバトロンは言葉を詰まらせ恨めしげにライオコンボイを睨んだ。

「貴様」
「… 解毒させる」

強張った表情を不思議に思ったガルバトロンにライオコンボイは続ける。

「こんな風に君をいいようにしたくない」
「ならば、 儂の醜態をこれ以上さらすと言うのか? 勘違いも甚だしい。 ライオコンボイ、 儂は別に貴様であろうとなかろうと抱けといっているはずだ」
「もういい、 ガルバトロン」

ライオコンボイの表情がさらに歪む。
その表情は、 ついに見たことがない。

「こんなのは嫌だったよ」


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ぐちゅっ、 と受容部にいれられたライオコンボイの指が水音を立てるのをガルバトロンは矯声をあげることで答えた。

「ひぃっ、 あああ、 やめ、 きさまぁっ…!」
「これでも押さえているんだよガルバトロン」
「ひっふ、くぅ…!? 」

言い方が悪かったと、 ガルバトロンは唇を噛み締めようとし、 だがそのくちびるからもれたのは甘ったるい声だけでなんの意味もなさない。
ライオコンボイはわかっていない。 ただの媚薬ではないのだということに気づいていないのだ。 飲まされた薬は、 「生殖油によって解毒」される。

「ライ、お、もういいからぁ…!」
「まだよさそうには見えないけれど」
「あっ、!?やめ、らめぇそこぉおっ!んあー!!」

もう何度イカされたかもわからない。 それでも熱は増していくばかりで全く満たされなかった。

「い、いれ、はやくぅいれろぉ」
「私は、 同意の上でなければ君を抱かない。 しかしずいぶん強い薬を」
「ちっちがっ!! きさまの、 おくにぃいっ…!」
「ガルバトロン」
「どういするっ、どういするからっ!! は、やくせよ… 」

浅ましいほどに求めぬくそのさまは常であれば見下げていたはずだ。 だがいざ逆になればこんなものかと、 自虐してしまう。

「愛しているよ」

そういうライオコンボイの表情がひどく突き刺さる。

「だから乱暴できない」

その瞬間ぶちと、 なにかがきれた。

「ガルバト、 ロ、 ン…」

そっと頬を撫でるてをつかみ肩口をつかんで押し倒す。 突然の逆転にライオコンボイはたっぷり時間をかけて唇を開き、 ガルバトロンは何かを発するよりも先に唇へと噛みついた。

「まて、ん、ちゅ、ま」
「ふ、んぅ、くちゅ、ちゅる、 ライオコンボイ、 儂は」

言葉を塞ぎたくて、 言葉を紡ぐ。

「見えぬものに信頼をおこうなどとそんな愚かな事はせん。 だが、 お前がそこまで言うのなら一度だけ信じてみてやってもいい」
「ガルバトロン」
「貴様が儂を蔑まぬと言うならば証明せよ。 浅ましきを見てなにを思うか」

足を開き受容部を見せつける。 その奥からどろりと感応油が溢れるのをみたライオコンボイが少し戸惑い、 そして言った。

「君は、 とんでもなくずるい」
「ディセプティコンがサイバトロンのようにはゆかぬわ」

機体に押し乗るライオコンボイの重さを感じ、 少しだけではあるがガルバトロンも戸惑っていた。信じてみてもいいと思いはしたが、 果たしてこの際になにをすればよいのかと、 その戸惑いをかんじてだろうライオコンボイが苦笑を隠さずガルバトロンに言った。

「私の背にでもすがってくれ。 爪を立てたっていいから」
「…… うむ、 」

迷いを隠すために、 ライオコンボイの背へと腕を回せばなにとはなく距離が狭くなる。 今更ガルバトロンは恥を覚え始めていた。
かちと、 音がなる。 見ないようにしようと思ってはいたが、 反射的にちらりと下をみてしまっていた。

「… なんだそれは」
「愛する人が目の前で魅力的な事になっているのにこうならない者はいないよ」

相変わらず歯の浮くような台詞だと思うも、 その言い方以外にライオコンボイらしい言い方もないとガルバトロンは眉をしかめた。
少しの期待が胸中に浮かぶ。

「前戲はもういいかな」
「構わん。 さっさとやれ」
「言い方が、 あるんじゃないかな…」

ぬちゅ、と宛がわれた接続機にガルバトロンは少し腰が動く。

「… きつかったら言ってくれ」

ずちゅずちゅと、需要部に押し入ってくる接続機に、 ガルバトロンはあげそうになる声を必死で噛み締める。 その顔に不安になったのかライオコンボイは心配そうにのぞきこんで、 言った。

「やはりきつい?」
「っ…、 いい、はやく…!」
「やはり駄目だ、 抜くよ」
「よせ、 貴様、 んあぁあ!」

突然ざりりと、 胎内を擦られ噛み締めていた唇から嬌声が漏れた。 あまりに突然の出来事ではあったが、 それはガルバトロンの羞恥をあおり反対にライオコンボイは驚いて固まる。 少しの沈黙が続きはしたが、 それを打ち壊したのはガルバトロン自身であった。

「、 さっさと、 せんか…!」

己が今どのような顔をしているかなどガルバトロンはわかりたくもなかったが、 恐らくそれは悦を誘う猥らな顔なのであろうと、 さてこれで幻滅したのだろうか、 それを望んでいたはずなのにそのことが胸の内をいためる。

「ここ」

ライオコンボイは少しの空白の後に、 ぐちぐちと内壁を擦るように挿出する。 上げそうになる声を再び必死にかみ殺すガルバトロンにライオコンボイは言葉を続ける。

「… 気持ちがいい?」

どうすればいいのだろうか、 と思った後にガルバトロンがとった行動はライオコンボイから目線をそらすことであった。 それをした瞬間に、 ガルバトロンはライオコンボイの言葉を肯定してしまったのだと理解した。

「そんな風に顔をゆがめるものだから」
「、 ちゅ…、 だから、なんだ」

安心したように口付けるライオコンボイに答えることもできずに続きを促した。

「てっきり、 気持ちがよくないのかと思ってたんだ」
「…… 黙れ」

接続とはこうも気後れするものであったかと、 ガルバトロンは初めてそう感じていた。 とろりと受容部の奥から官能油が濡れてくることにおそらくライオコンボイも気がついている。

「君は、 思ったよりも私のことをすいていてくれたんだな」
「何を、ひぅ!? な、なん、ん、 !!?」

奥へと腰を深く押し付けるライオコンボイに、 ガルバトロンの受容部は健気にも受け入れるべく少しづつ広がっていく。 その分け入られる感覚にぎゅと受容部に力をこめてしまう。

「やめ、あ、やめぇ! んあ、 らめ、 いま」
「爪をたててもいいんだといったんだ、 遠慮しないでくれ」
「ちがぅ、あ、あーーー!!!」

派手にがつりと入れられるそれとはまったく別の感覚がガルバトロンを襲う。 それはまるでさめない熱のように生まれては生まれ消えることのない欲情であった。

「はー! ふぁ、あ、な、ひぅぅぅ…!」
「…、 ぅ…、 っ、 きもちいい、 ガルバトロン」

ライオコンボイはぎゅうと、 ガルバトロンを抱き締める。 その瞬間に爪を立ててしまっていたガルバトロンではあったが、 それに気づかないほどに快感におぼれていた。

「きゅうに、うごくなぁあ…!」
「それは、すまない」

詫びの証だとでも言うのかライオコンボイは軽く唇を啄んでくる。 ガルバトロンが少しだけ舌を伸ばせば、 あっという間に絡めとられちゅくと音がなる。 その口付けはこれまでに感じたことのないほど優しいものであった。

「… なにを見ている」

うすら目を開けたガルバトロンはじっと見つめてくるライオコンボイに不満そうに言う。

「ガルバトロンが見たい」
「なにをいって…、 んっ…くぅっ…!」
「私を受け入れてくれガルバトロン」

断ると言いかけて、 ガルバトロンは口ごもる。 目の前のライオコンボイは決して冗談ではなく、 真摯にきいているのだと気がついたからであった。

「… っ、できぬ」
「… どうして?」
「そう生きてきた」
「なら… 」

かちゅりと、 深くまで押し込まれ背筋が震えた。

「いまからでもそうしてくれないかな?」
「そんな、あ、アァ!」
「あいしてる、」

否定の言葉を言おうとすれば、代わりに漏れるのは自身の喘ぎ声のみとなる。 霞む視界の中に見えた憂えの表情に高鳴る。
何故、 お前がそのような顔をする?と、 尋ねれば答えるのだろうか。

「っあぁ!! きさま、 なに、!!」
「こっちも、 気持ちよくするべきかと思ったんだ」

突然、 くちゅりと握り込まれた接続機に背筋が震えた。

「よ、ぁん…、 やめん、くぁッ」
「君の声は、 可愛らしい」
「やっ、 なに、んぶ、 ひ、ぁ」

接続機を抜く強弱にあわせるように受容部を抉られ、 ライオコンボイにすがる。
たまらなくなってガルバトロンは叫んだ。

「あ、ぁ、 だめだ、いく、いくぅっ…!!」
「ぁっ、ほんと、か? いっしょに、ね?」
「〜〜 ッン、んぁあっ…!!」

どろりと体内に感じた生殖油が焼けるように熱いと思わず身をよじった。

「逃げないで」
「ひぅ!?」
「ちゃんと感じて」

とぷとぷと体内に注がれつつ生殖油を感じさせるようにライオコンボイの接続機が抽出する。

「ら、らいお、やめ、や、めぇえ…」
「君は、 忘れてしまいそうだから」
「だ、だからといって、んぁ、ふ、なかぁッ、ン!!」

機体が震えるつど、小さく達してはライオコンボイの接続機を締め付ける。
その間ずっと、ライオコンボイは愛していると呟き口づけをおくってくる。

「愛しているよ」
「わ、わか、んっ…!!」
「まだいってるね」

ただなされるがままだったガルバトロンの機体が、 少しずつおさまり絶頂の波が緩やかになる。
長くため息をついて、 ガルバトロンは言った。

「貴様の、 愛情表現は、 激しすぎる」
「 君の表現もなかなかだよ?」
「何を」

なにをいっても無駄かと、 諦めて口を閉ざす。

「君が来るまで待っているよ」

ライオコンボイはそう言い、 ガルバトロンを抱き締めてくる。

「余計な事に時を費やしおって」

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その日の夜、ガルバトロンは開け放たれた牢から紫煙の翼で飛び立った。
果たしてこの鍵が開けられたのは単なる偶然かと、 疑問を残して。


→あとがき・説明→
鳳櫻月雨