「…… 今から何するんだよ」
「お菓子でも作ろうかと思って」
「帰る」
目の前の様々な粉塵を見て、ドリフトはげんなりと顔を歪めた。 しかし、 となりのウィングはとても楽しそうに笑っている。
やはり、 こいつの頭はおかしいのだ。とドリフトは、 笑いを深めるウィングに思う。
… というもそれがなにかわからない。
「きっと楽しいと思うよ」
「っていうか、 お菓子?そもそもそれが何かわかんねえ」
その瞬間、 ウィングが固まった。
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「お菓子は嗜好品のひとつで小さな高エネルギー物質なんだけど、 」
「… 小さかったら腹が満たねえじゃん」
「だから嗜好品… これだよ食べてみて」
澄んだ色をした小さな固まりに、 ドリフトは首をかしげた。 しかし、 ウィングが どきどきしているので… 仕方なく口にいれた。
「なんらこへ!?」
がりっと噛み砕いた。
「あ」
がりがりと、咀嚼する。 ウィングがなにかいう前に、ドリフトは言った。
「口がいたい!」
「ええ… 」
「甘い!」
「… お菓子だからね」
ウィングが引いている。 だがそんなこと言っている場合ではない。得体の知れないなにかを食わされた!と、ドリフトはウィングを見る。
「病気になりそう」
「… それくらいじゃならないよ。 あとね、それはなめるものだから」
「舐める?」
もうひとつ机に置いたウィングをドリフトが見上げた。
「舐める…?」
「そう」
「… ふーん」
今度は棒つきだった。
「舐めるのか」
「そう」
「… 痛い?」
「お前のいう痛いがよくわからないんだけど…」
少し考え込んだウィングが、 … 笑いだした。
「… なに笑ってんだよ」
「ふふ、だっておもしろくて、くっ、ふ…」
訳のわからないドリフトと反対にウィングは笑っている。
「わらってんじゃねー!」
おもわず声を荒げた。ようやく笑い終えたらしいウィングが、 長く息を吐いた。
「ああ、まったく。お前は可愛いな」
「はあ? 殺すぞ」
「こら、 そんな乱暴な言葉遣いはするんじゃない。どうしても言いたいのならプライマスの元へ召してもいいですか?と言いなさい」
「うっせぇ!」
剥れて口を閉ざせば、 ウィングがようやく説明を始めた。
「お前がいたいといってたけど、 あれは痛いんじゃなくてそういう刺激を楽しむものなんだよ」
「… そういう趣味はないけど」
「なれたら心地よくなる」
「絶対にならない」
「でも、これは平気だよ。ふつうの飴だから」
「お菓子と飴って違うのか?」
「銃の中にも、 施条銃と機関銃ってあるだろう?
「ある」
例えが非常に物騒だが、 致し方ない。
「それとおなじでお菓子は総称、飴はその中の1つ」
「なら他にもあるのか?」
「あるけど、 いまは、飴だけにしようか」
「ふつうのと痛いのの違いは?」
「貫通弾と、 時差式弾のような違いかな」
「… ふーん」
そんな物騒極まりない例えが一番分かりやすいドリフトに涙が出そうになる。
「舐めてみる?」
「… いらねえ」
「怖い?」
「馬鹿怖くねえよ!」
ドリフトが腹立たしげに、飴を握る。
「(舐めるって言ったよな)」
恐る恐るぺろりと舐めた。 今度は先程のような刺激はなく、 舌に優しい甘さが広がった。
「… いけるかも」
「ああ、よかった」
舌先でぺろぺろと舐めていくと、 徐々にその甘さになれていく。
次第に、 口腔へと招き入れる。
ちゅぱちゅぱと、 音がなるが気にしない。 むしろそれが楽しい。
「これ美味しい」
「… それはよかった」
からりと、 歯に当たると乾いた音がする。 それも、 楽しい。
ちら、とウィングを見ると視線がかち合った。気恥ずかしくなり、 即座に視線を反らす。
「… なに見てんだよ」
「随分楽しそうだから。 俺にもくれるかい?」
「やだ」
なんであんたに、 と言おうとした直後だった。
「… つれないな」
ウィングの言葉に、 ぞくっとする。
「っ、みんな」
「何故」
「うっせえ」
ちゅ、ちゅと音がなる。 それが何となく、 ウィングとするキスを連想させた。
しばらく舐めてはいた。 だが、 我慢できなかった。
口腔の飴をがりがりと噛み砕き甘い破片を舌で転がしながら言った。
「やる」
自分からキスするのはあまり好きではない。 そろりとウィングの頬に手を添えてゆっくり口付けた。
少しだけ開いたウィングの唇から舌を忍ばせれば、 ぴりっとパルスが通う。 その刺激に目の前がちかちかする。
「ん、、んんぅ…、ちゅ、ちゅっ… は、 ん…」
ドリフトの口腔から、 しゃらりと噛み砕いた飴の破片がウィングの舌へと移る。 それを蕩かすように、 舌を絡める。 次第に砕いた破片が消え、 舌に広がる甘さはなくなるが、 今度は違う甘さに酔いしれる。
「好きか?」
何が、 だろうか。 そう思うも、 それを尋ねるのはなんだか無粋な気がした。 もはや何だっていい。 どちらにせよ好きだ。
こくりと頷けば、 ウィングの手がドリフトの背に回る。
「素直だね」
「… うるさい」
暴言を吐きながらも、 ウィングの背に手を回す。 そろりと背をさすり、 その続きを促した。
「どうされたい?」
「…、 え?」
「どうされたい?」
いつもなら、 内腿をなで上げるなり、 首の配線にふれるなりしているはずのウィングが、 ドリフトに尋ねる。 あんたの好きにしたらどうなんだと、 言おうとして… ウィングがいたずらに笑んだ。
「ドリフトの好きにしていいよ」
先に言われてしまったことに、 少し苛立つ。 今日のウィングは優しくない。
「…、 どうって…」
「どうしたい?」
必死で考える。 いつものようにしてほしいといったところで、 どうにもならないし、 それはそれでウィングに一本取られたような… とにかく、 負けを認めたくなかった。
「なら、」
「ん?」
「…、 っ…、 な、なめる」
「… ん?」
ウィングが解らないといいたげに、 首をかしげた。 それとは反対に、 ドリフトは床に跪いた。
「お前の接続機」
「つまり?」
「ああもう!フェラしてやるってば!!」
正直な話、 あまり好きではない行為だが、 此処まで来たら仕方ない。 それに、 口腔がなんだか甘いような気がしたのだ。 とっくに、飴は消えてしまっているはずなのに。
「ほら、 さっさと出せよ」
「何を考えてる?」
「…… 何にも」
ウィングが懐疑的な視線を向けてくる。 しぶしぶ言った。
「… たまには俺もしてやりたいと思ったんだよ… いつもしてくれるから……」
「俺がしたくてやってるんだけどな、 伝わっていない?」
ウィングの口調に、 慌てる。 このままではいつものように彼の下で啼かされてしまう。
「そ、 そうじゃなくて…、 俺あんまりフェラ好きじゃないんだけど、 でも、 ウィングのならいける気がした」
「無理にとは言わないよ」
「大丈夫」
鍵の解除される音がした。 ちょっとした緊張が走る。
「大丈夫?」
「平気」
するりと、 指で蓋を開くと、 まだウィングの接続機はゆるりと起ちあがっていた。 まじまじと見つめていれば、 くすくすとウィングが笑った。
「無理そう?」
「う、 だまってろ…」
包み込むように指を絡める。 幾度かしごくとまたウィングの笑う声がした。
「そんなに弱くやってる? 自分で」
そういえば、 自分も同じ器官をもっているのだからそんなに恐れることはないのだ。
「ん、 こ、こうか?」
「好きにしていいよ」
「そ、それやめろよ…」
次第に、 ウィングの接続機が硬く張り詰めていくのがわかった。 とろ、 と零れた官能油がなんだか淫猥だった。
「… は、…、ん…」
自然と口腔油がたまる。 無意識にごくりと、 喉を鳴らす。
「ドリフト」
ウィングの声に、 顔を見上げる。 ウィングの金色の瞳が、 蕩けているのが解った。 ぎこちなく視線をそらす。
「…、ん、ぅ…、 」
ゆっくりと、 ウィングの接続機に舌を伸ばす。 ぺろりと、 舐めたその舌に独特の味わいが広がる。だが、 不思議と悪い気はしなかった。
「は、…、ちゅ、れろ…、う、うぃん、これ…、んんぅ…、ちゅう…」
恐々と舌を絡めていたが、 もっといけるかもしれないと口腔内へと招き入れた。
「大丈、夫?」
ウィングの声に頷き、 口淫を激しくしていく。 何とはない甘さを感じていた。
「ちゅ、んん…、 れろ、ん…、ちゅぅ…、は、ちゅ、ああ、ん、…、これぇ、」
「どうした? 」
「わ、わかんな、でも…、これ、すきかも…」
あまり好きではないはずなのに、その行為におのずと自分も高まっていくのがわかる。
じゅんと、 受容部が濡れるのが解った。
「あ、ぅ…、ふああ…、んちゅ…れろ、れろ、…すき、これすき…、!」
「いい子だね、」
「うぃん、はあ…、ちゅう…、ちゅく…、ひもひいい?」
「っつ、、 上手だ、」
ウィングが、 やさしく頭を撫でてくれる。 嬉しいと純粋に思った。 大きく口を開けて、 喉奥にまでそれを招き入れる。
「んん、ぐ…ん、んう…!」
みっしりと奥まで侵入した、 ウィングの接続機に排気の自由がきかなくなる。 自然と、 口腔油が流れて、 口端を伝った。 吸い込みながら、 ゆっくりと、 喉奥から引き抜く。
「は、は、…、はあ…、うぃ、んぐ、は…、」
「ドリフト? 苦しかっただろう?」
「ううん…、へいき、…、ん、はあ…、 」
舌に広がる官能油の味が癖になりそうだった。 ウィングの接続機は完全に立ち上がっていて、 熱い。
「う、うぃんぐ、あの、」
ウィングから伝わる熱で、 脳がくらくらしていた。 このままおかしなことを口走ってしまいそうだと思うが、 それがしたいことなのだからと深く考えずにいった。
「のみ、たい、のませて、」
「っ…、こら、ドリ、っ、ぅ…!あ、」
ウィングの返答を聞く前に、 接続機にしゃぶりついた。 とてもじゃないが、 そこまで待っていられなかった。
排出口を舌でえぐり、亀頭に吸い付いたときだった。
「ドリフト、だめだ!」
「ちゅううぅ、ん…! んん、くぅ、?!」
どくんと、 ウィングの接続機がはじけて生殖油が口腔にぶちまけられる。 なんともいえない匂いが鼻覚器へ抜けていくが、 それよりも嬉しさがまさる。 ちゅ、ちゅ、と、 幾度か優しく吸い、 残渣も総て口腔に収める。
「ドリフト、」
「ん、、、んぐぅ…、 ん、 はあ…、」
ウィングが吐き出してもいいという前に、 ごくりと飲み込む。 喉に、 生殖油が張り付いているような気がするが悪くはなかった。 むしろ、 その感覚が気持ちいいとすら思える。
「う、ぃんぐ、きもちよかった?」
「ああ、 でも飲み込まなくても、」
「…、うれしい、だからいい、」
ふらりと立ち上がった瞬間、 内腿を官能油が伝うのが解った。 ウィングの接続機を舐めていただけなのに、 とおもいながらウィングの首に手を回す。
「フェラってきもちいいんだな…、」
浮かれていえば、 ウィングの唇にふさがれた。 舌から伝わって送り込まれるどちらのものともいえない口腔油をこくりこくりと嚥下していく。 やはり、甘いと思った。
「はあ、うぃんぐ、あまい」
「俺も、 すごく甘いな」
ウィングの指が、受容部の淵をなぞる。 それだけで、 また官能油があふれ出るのがわかった。
ちゅくちゅくと、 受容部を犯すウィングの指の動きがわかりすぎて、 恥ずかしくなる。
「や、」
「ドリフト」
「うう…、 もっと…、」
ウィングが教えこんだものは様々ある。 有りすぎてよくわからないほどだった。
「後ろを向いて」
「え、…、…、う…、 」
この体制は好きじゃないのに、 と思うも機体は言われたとおりに壁に手を着いているし、 誘うように腰が揺れてしまう。
「無意識かい?」
「わ、わかんなっ…、うぃんぐ、うぃんぐ、からだ、あつい」
じくじくと疼き、 胎内が熱を発する。 早くと訴えかければ、 笑われる。 ウィングがほしいもの総てをくれると解っていても、 機体は納得してくれずに疼きは収まらない。
「うぃんぐ、ほしい、いれて、」
「…、 お前のその話し方、かわいくて好きだよ」
「え、? な、なに? や、な…! ん、あああ! うぃんぐ、うぃんぐ、!」
縋りたいのに、 と思うも出来ない。 だが、 ウィングが、 上から手を重ねてくれた。 それだけで、 安心する。
「ふああ、ひゃ、っぅ…! うぃんぐ、あつ、い」
「ああ、 お前の中も、おなじだよ」
「んんぅ…、やああ…、あつ、やうぁ…、あ!」
ウィングと接続するのはきもちいい。 果して、 ウィングも気持ちいいと思ってくれいるのだろうか。 ウィングの事が好きだと思った。その瞬間に、 ウィングの接続機を内壁が締め付けた。
「っ…、くぅ…、、ドリフト」
「ご、ごめ、…、でも、」
「謝らなくていいよ」
聴覚器の傍にある、 ウィングの吐息に高まった。 霞むような、 吐息がじわじわとドリフトを焦がす。 ゆっくりと、 ウィングが挿出をはじめる。 このいたわるような瞬間が、 意外にもドリフトは好きだった。
「うぃんぐ、うぃん、ああぅん、あん、!」
「ドリフト、 ああ、…、ふっ…、」
「すき、うぃんぐ、すきぃ…!」
言いたい事はたくさんあるはずなのに、 何を言えばいいのかわからない。 熱で浮かされた脳内には、 言葉が浮かんでこない。これだけはいわなくちゃと思い続けて、 いつも口からでるのは『好き』と、 『ウィング』の言葉だけだった。
迫り来る、絶頂に身を任せてしまおうかと思ったとき、 ウィングの唇が首筋に触れた。 そのままがり、 と噛み付かれる。
「ひゃうぅ! な、なに、うぃんぐ、あ、」
「たまには、 お前に色をのこしたくて」
「え、やあん! ばか、もう!、」
噛み付かれた痛みで、 絶頂に上り詰められなかった。 じくじくと、 焦げ付くように熱がくすぶっている。
「ぅうう…、 うぃんぐ、あ、ひっぅう…!」
ウィングが一度、 つながりを解いた。 そして、 ドリフトの機体を反転させる。 ようやく、 ウィングの顔が見られて安心する。
蕩けた瞳が、 ドリフトだけを見つめているのがわかる。 その二人の間には、 空気さえも存在しないようだった。
ウィングの腰に、 片足を回して誘い込む。 唇が重なりあうと同時に、 再びウィングの接続機が胎内を突いた。
悦が機体を駆け抜けるが、 奪われた口腔の自由によりその悲鳴もすべてウィングにもって行かれてしまった。
「じゅ、ちゅく…、ああ…、ぅいん…、んんう〜、ちゅ、は、ちゅぱ…、ん」
「ちゅく、くちゅ…、じゅ、どりふと、ちゅる…、くちゅ、ぴちゃ…、」
好きだと伝えるように、 夢中で舌を絡めた。 それに答えてくれるウィングの舌が、 蕩けるように動く。
徐々に激しくなる挿出と、 キスに酔いしれる。 いく、いくと、 伝えようとしたとき、 ウィングが唇を離した。
「あ、はあ、はあ、うぃん、はあ…、」
「…ー 中にだすよ」
「ふぇ、? や、ああ!まってぇ、 うぃんぐ、やっ、〜ああああ!」
ぐちゃんと、 最奥を突かれてびりびりと機体が震えた。 真っ白になり、 何も考えられなくなる。 だが、 胎内に感じる熱い奔流だけは解った。
「ん…、んぅ…、うぃんぐ、うぃんぐ…、」
ウィングの背に、 手を回して抱きつく。 結合は解いていないが、 それにより密着できることが嬉しかった。
「ドリフト、愛してるよ」
「うん、うん…、おれも、おれも、すき、」
全身に感じるウィングの存在にうれしくなる。 荒い排気を落ち着かせていけば、 ウィングの指がドリフトの首を撫でた。
「すまない、痛かった?」
「う、ううん…、う、うれしかった…、」
いいながら恥ずかしくなって、 目線を下に向ける。 だが、 ウィングはそんなドリフトの顎に手を当て、 目線をあわせた。
「嬉しい?」
「……、 ああ」
「痛かったろう?」
「…、 でも嬉しかっ、や、な、!なんでまた、!」
「ドリフトが悪い」
「え、な…! なんで俺のせい…!」
「だめか?」
ウィングは意外と旺盛だ。 だが、つまるところそんなところもまた。
「…、 好きだから許す」
END
はっぴーはろうぃ〜ん!!!
鳳櫻月雨