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「ウィング、 休んでる暇はない」
デッドロックは開けた土地に、 遺体を並べる。 指を組ませ、 一機ごとに名前と、 十字を地に刻んでいく。 それがおわると、 インナーモストエネルゴンの奪取に入った。
「それ、 やらないと駄目かい?」
「これやっとかないと、 死体荒らしに滅茶苦茶にされる」
「へぇ」
「早く手伝えよ」
見よう見まねでインナーモストエネルゴンを探る。 まさか死体を弄り回すことになるとは思っても見なかった。 五体の中から3つ分だけ奪取すると、 デッドロックは再び、 遺体を整え直した。
「土は」
「かけない。 かけると荒らされやすい」
「よく知ってるね」
その問いには答えず、 デッドロックは言った。
「こいつらはみんな俺の仲間達だ」
「え?」
「ディセプティコンにいたときの俺の部隊は俺を含めて150体いた。 その中のたった一人を救うために俺は、 裏切ったんだ。 こいつが、 148体目」
「デッドロック」
「ようやく、 終わったんだ」
デッドロックが、 空を見上げた。 澄んだ空には何も浮かんでいなかった。
「一人で背負ってきたのか」
「俺が始めたことだしな」
ウィングが何か言おうと思案にくれるうちに、 デッドロックが、 もう話したくないと背を向け、 黙りこんだ。 ウィングは、 何故ここに来たのかを果たすために手紙を差し出す。
「これを渡してくれと頼まれたよ」
「ん?」
その手紙を受け取り、 無造作にデッドロックは読む。 読み終えると、 デッドロックはその手紙から視覚器をウィングへと向けた。
「こいつらののって来た宇宙船をつかっていいってさ」
「差出人は」
「ターモイル。 俺が救いたかった奴」
がつんと頭を殴られたような感覚に陥る。 手紙を託されたときの縋るような視線がよみがえり、デッドロックが歩んできた年月とウィングの過ごした年月には大きな差があったことを改めて感じた。
「その方のところに戻るのか?」
「戻る気はない」
「これからどうするんだ」
「わからない」
ウィングは緊張しながら言った。
「一緒に行こう」
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ターモイルは、空を見上げて思う。もしあの機体がデッドロックを救えるのならば救ってほしいと。 少し昔、デッドロックの聞いてきた住所の先くらいは調べてあった。 その機体がデッドロックにとってどんな存在かもわかっていてなおかつ、手紙を託した。 ターモイル自身がデッドロックの元にいくことは出来ない。デッドロックに殺された己の部隊に属するものたちの死に背くことになるからだった。、ターモイルに付き従い、デッドロックを殺せと命じたターモイルの責任で死んだそのことくらいは理解していた。
救ってやってほしかった。それが、ウィングに手紙を託した意味なのだ。
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祿章 完
鳳櫻月雨