ドリフトの手を掴んで引っ張る。そのまま、窓際に近づいた。
「向こうを向きなさい」
「っ、な」
「早く」
悔しい事だが、ウィングの気迫に耐え切れず、ドリフトが渋々窓の方へ機体を向ける。
そんなドリフトの背後に立ち、ウィングはドリフトの機体を窓へと押し付けた。
「さて、お前にはここで反省してもらおうか」
「や、ウ、ウィング、だめ、これ、!外から見える、!!」
「そうやって、自分の事ばかり気にしているから、あんなことが言えるのか?」
「ちが、やだ、いやあ、ごめ、ごめんなさっ、ウィング、もう言わないからっ!」
ドリフトの吐いた息が、窓にくもりを作った。ぽろりと涙が溢れていく。羞恥と、屈辱に支配される。
「いや、ウィング、ごめんなさい、だめ、ウィング、ウィングう!」
「嫌いって言って、本当に嫌いになったら、お前はどうする気だったんだ?」
ウィングの言葉が、ドリフトの聴覚を刺激する。そんなことは、考えていなかった。なぜなら、ウィングは絶対に自分を嫌いになったりしないと思っていたからだ。でも、―― もし、本当に嫌われてしまったら?
「ちが、ひっ、いやぁ、ごめ、なさっ…!」
「俺は、傷付いたよ。とても。それが、本心じゃないとわかっていてもね」
「ごめ、… おれ、うっ、ひく、ごめん、うぃんぐ、きらっ、なんないで…!やだ、やだぁぁ… うぃん、ぐ、うぃんぐっ、」
羞恥と、屈辱と、それよりも悲しみが勝って。 ドリフトはただ、ウィングの名前を呼んだ。
「ドリフト」
「ごめ、うぃんっ、」
「ドリフト」
泣きじゃくるドリフトの聴覚に聞こえてきたウィングの声色が、いつもの優しい色に戻った気がした。視線をウィングへと動かすと、ウィングは少し困ったようにドリフトへ笑んだ。
「…… 本当に。もう、言わない事」
「…ッう… ウィング…!!」
ウィングがドリフトを押し付けるのをやめてドリフトを離した。ドリフトは、両手でウィングに抱きつく。
それに応じて、ウィングもドリフトを抱き締め返した。 ドリフトが、もう一度、謝罪を言おうとしても、嗚咽しか出てこない。
そんなドリフトを、なだめながらウィングが言う。
「もう言うんじゃないよ」
ドリフトが頷く。
「他の目線からも、物事を考える事」
再びドリフトが頷けば、ウィングはドリフトの頭を撫でた。
「いい子だ」
ひとしきり泣き終え落ち着いた所で、ドリフトがウィングを見て言った。
「ごめん…、なさ…」
「反省したなら、それでいいよ」
ドリフトの機体を、ウィングがなぞる。指で末端までなぞり、掌で全体をいじる。
「ウィング、ほんと…、ん」
「いい、ドリフト」
「…、でも、あんたを傷付けた」
「それについては、お互い様だ」
ウィングが、ドリフトに口付けを施し、今度は明確な意図で機体をまさぐった。 それに答えるように、ウィングの首に、ドリフトが腕を回す。 が、すぐに口付けを中断させる。
「ドリフト?」
疑問を抱くウィングに、気まずげにドリフトが言った。
「こ、ここは、いやだ」
ウィングはすっかり忘れていたが、ここは窓際だ。 しばし、思案した後にドリフトに言う。
「大丈夫」
「だ、大丈夫じゃな… 誰か、みるかもっ…」
「その時は、逆に見せつけよう」
ウィングが言えば、ドリフトの瞳が揺れて動く。 ウィングがいたずらに、ドリフトに聞く。
「俺を嫌いになるか?」
「ばか、!んなこと、あるわけっ、な…、ない…ッ」
「こんなにされても?」
「、、だって、う… もう黙ってろ!」
ドリフトが、仕掛けた口付けをウィングが甘いものへと変えていく。 その口付けに流されるように、ドリフトの中を占めていた問題は解決してしまった。
「、たのしそ、」
「ドリフトが、可愛いからね」
「…、っ、くやしい」
「可愛いよ」
ウィングがドリフトの、片方の大腿を撫で摩りながら、再び唇を合わせるとぴりと、舌尖が痺れた。 その痺れが癖になって、さらに深く絡ませる。ふと、疑問が浮かんで、ウィングが舌を離す。
「…、お前、」
「んあぅ、んく、な、何…??」
「さっき、これだけで達して、」
「、いうな、っ!」
視線を反らしたドリフトに、苦笑をしつつ、大腿を撫で回す指を官能油に塗れた受容部へと、這わせる。 大袈裟な程、身体を震わせたドリフトが、誤魔化すようにまた口付けを始めた。
ドリフトの背を、窓へと押し付け受容部へいれる指を増やした。ぐちゅぐちゅと卑猥な音がなり、ドリフトの受容部からしとどに官能油が落ちた。
ぢゅうと音をたて、ウィングの舌を吸っていたドリフトが、唇を離して口腔に溜まったものを飲み込む。そして、切なげに言った。
「うぃんぐ、はぁ、おねがい」
「あまり、そう誘うんじゃない」
「んやあ、だって、さっき、ちゃんといかせてくれなかっ…」
「そうだったかな?」
「ひどぃ、とぼけた」
受容部から指を引き抜き、片方の膝裏に手をさしいれてあげさせる。 露になった受容部に、接続器を宛がう。
「いれるよ」
「ん、うっ…、あ、あああぁ、んーーっう」
「っ、あついな」
「まっ、まってっ…、これ、んやああッこれえっ」
一気につきいれれば、ドリフトはウィングにすがり、必死に排気を繰り返す。ドリフトの体内は熱く爛れていて、ウィングにも悦楽をもたらす。ドリフトの頬に口付けをして、律動した。
「うぃ、んぐ、!ああぁ、うぃんぐ、うぃんぐっ、!」
「っう… 、可愛いな、」
「ああンぅ、おく、もっとぉ…、もっといれてぇ…、?」
「もっと?本当に?」
上げさせた足がウィングの腰に回って、距離がさらに近くなる。ウィングも、距離を縮めるべくぐっと腰を押し付ける。
「んああっ きて、おくにうぃんぐの、ぁあああ〜、んァああ!」
「ここ、? 好きだろう、」
「んやあああ〜!、それえ、そこきもちぃっ、ふあぁん、」
甘い悲鳴の聴こえてくる所を集中的に突き上げれば、ドリフトは乱れ狂って涙を落とした。
「ああう、そこっ、ふかぁいの、すきぃッ、ういんぐ、ああああいく、らめぇ、いくからあぁっ!」
「ん、っ…、、く!」
「うぃんぐの、あっ…、ぅやん!」
立っている足をがくがくと震わせながら絶頂に至った、ドリフトの体内にウィングも耐え切れずに吐き出す。
「あ、うぃんぐ、の、おれ、のなかでぇッ、ひゃぅうっ…!」
「ドリフト、おいで」
「ひんっ、」
ドリフトの受容部から接続器を煩雑に抜き去ったウィングがドリフトの手をひく。機体をもつれあわせながら、柔らかな布地の上に一緒に倒れ込むとドリフトを仰向けに転がし、その上に覆い被さる。
「うぃん、っ、はやくきて、きてぇッ、いれてっ、、んやああ、はっ、はやっ、くうぅ」
膝をたててを擦り合わせてねだるドリフトの、その有り様にウィングはくらくらと酔いながら接続器を突きいれる。
その瞬間に、ドリフトが絶頂を向かえたらしかったが、折悪しくウィングに気にするような余裕は無い。
声すら惜しく感じてウィングはドリフトの唇を噛みつくように奪う。 そんな、あまりにも乱暴な口付けに答えるようにドリフトも舌を絡ませてくる。 健気だった。
「ん、はっ、俺をこんなに乱す、お前は何者なんだ?」
「はっ、はあ、んふぁあっ、ウィング、うぃんぐぅう、すきぃ、うぃんぐがすきっ、」
「俺も好きだよ、ドリフト」
「ほんと??ほんとぉ?」
不釣り合いな程無邪気に笑ったドリフトが、ウィングの頬に手を添えて言う。
「りょう、おもい、?」
かっと熱が高まったウィングが、腰をがつんと打ち付けた。 ドリフトが達したらしい。ウィングの聴覚を犯すような嬌声が上がった。そのまま、がつがつと律動する。
「いゃああアァあん!らめ、いまいってるからぁッ!んあああ!!」
「すまない、おれも、っ…!」
ドリフトの足が、ウィングを捉えて離さない。ぎゅうっと、きつく抱きついた。ぞくんぞくんと、奥底から凄まじい程の波がやって来て、首を振る。
「あ、ああ! やぁ、なにぃっ、くるっ、くるッ! ―――!!」
「ドリフトっっ!」
「んっ、あ!!!」
ドリフトは声も出ない程の悦楽に、感じ入った。ウィングは、ドリフトの最奥に全てを注ぎ入れた。しばらく、息を整えてウィングは接続器を抜き取る。 ぐちゅん、とやたらと淫猥な音がした。
ふらつく頭で、なにもなくなったドリフトの受容部を見る。どろりとドリフトを汚す自身の官能油が、ひどくいやらしい。
殆ど意識の無い、ドリフトの機体を抱えて布を纏う。
「愛してる、ドリフト」
そのまま、目を閉じた。
―――――
「言いたくはないんだけど、限度って知らないかな?」
翌日、ドリフトはウィングとともに治療を受けていた。 足と腰の稼働や装甲の凹みと、傷が無数。
「そんなにかい?」
「かなり。何をしたの?殴りあい?」
「え、っと、」
「わからないんだ、普通に接続するくらいでこんなになる理由が。普通にやってるって言うんなら、接続の様子を見せてもらいたいくらいだ」
その言葉に、ドリフトがびくっ機体を揺らした。ウィングは、目線をそらす。
「あと、教えてあげたいんだけど」
「?」
「声の周波によっては、防音しても意味が無いからね?」
「」
「よく、悲鳴が聞こえたっていうでしょう?」
「」
END
語句説明
鳳櫻月雨