拝啓、遥先輩。
拝啓、遥先輩。
先輩が月へ行ってから、もう4カ月が経ちました。お勤め先はどうですか? 先輩のことだから、きっと頑張っているんでしょうね。
こちらはみんな、元気にしています。教授の話は相変わらず長いので、ゼミの時間はいくらあっても足りません。
先輩方は、年明けの試験と卒論の準備に追われています。いつものことですが、私たち後輩連は、勉強になるから、と強制的に手伝わされています。確かに勉強にはなるけれど、これを数年後には自分がやらなくてはならないのかと思うと、今から頭が痛くなります。
そういえば、遥先輩は卒論、一人で仕上げてましたよね。教授は事あるごとにその話をします。遥くんを見習え、遥くんは優秀だった、って。
みんなも、けっこう遥先輩の話をするんですよ。中里先輩が、アナログの手紙を貰ったって、ゼミのみんなに自慢してました。
遥先輩、きっと新しい場所でも色んな人と仲良くされているのでしょうね。後輩の私がこんなことを言うのもなんだかおかしいですけど、遥先輩なら、何があっても大丈夫な気がします。
お伝えする機会がなかったから、遥先輩はご存知ないかもしれませんが、私こう見えても遥先輩のこと、かなりリスペクトしているんです。
私に言われても、嬉しくはないでしょうけれども。
月はどんなところですか?
以前お話しされていた、古いお友達には会えましたか?
月でエンジニアとして働くという夢を実現された、遥先輩を尊敬しています。私の夢は、まだぼんやりとしていますが、ぼんやりとしている間は大学に、とりあえず籍を置かせてもらおうと考えています。
あとたった数年で、自分の人生を決めなければならないなんて、正直どうしたらいいのか分かりませんが、今手元にある研究テーマを追っていれば、もしかするとやりたい事が見つかるかもしれないし。
叶うかどうか分かりませんが、遥先輩みたいに月へ行くのもありかな、と考えています。
まだ月には行った事がないし、月の環境についてはまだ解明されていない事が多いから、その辺りを研究してみるのも面白そうかなって。
今の研究テーマからは外れますが、興味はあるので、少し悩んでいます。
遥先輩ならどうしますか?
やりたい事はそれなりにあるけれど、将来を決めるまでのタイムリミットがせまっているとしたら。どういう基準で選びますか?
いつか、機会があったら聞かせてください。
なんだか無駄に長いお手紙になってしまってすみません。
今夜の月はとても眩しくて、つい沢山書いてしまいました。アナログのお手紙なんて初めてだから、よく分からないけれど、ドキドキします。
なるべく丁寧に書きましたが、乱筆乱文お許しください。
どうか、遥先輩の月での暮らしが素敵なものでありますように。先輩のご活躍と健康を願っています。
私も、頑張ります。
敬具
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