『スタンドバイミー』
承太郎の部屋で大学の課題に勤しむ二人を、ニケがいつものように訪ねてきた。ホリィには「もうニケちゃんはうちの娘も同然よ!」なんて言われるほどに勝手知ったる空条邸だが、今日はなんとも落ち着かない。
客でありながらお茶やらお菓子やらをテーブルの上に並べながら、頬をほんのりと朱に染めてニケはおずおずと切り出した。
「わ、私、クラスの男子に告白されちゃいました……!」
「そうか」
「ふーん」
しかし目の前の二人の反応は味気ないものだ。まあそんなものだろうと思っていたので、ニケは特に不満もなく考えを巡らせた。少し寂しい気もするけれど。わかっていたけれど。けれどもけれども。
平々凡々の私と違って承太郎さんも典明さんもモテるから、告白なんてさほど珍しいことじゃないんだろう。私にとっては一大事でも。キャンパス内で黄色い悲鳴を浴び慣れている彼らには、一般人である私の気持ちはわかるまい。クラスで最近親しくしていた男子に何気なく言われた一言。その一言がどんなに心を乱すかなんて。
そりゃあ承太郎さんほど逞しくもないし、典明さんほど落ち着いてもいない。でもそれがいい。ごく普通な自分と対等な目線の持ち主だから。一緒にいて楽しいし。まだクラスメートとか友だちという響きの方がしっくりきても、そういう仲になれば自然にそれなりの雰囲気になるだろう。
そう、断る理由はなかった。
返事をしに行かなくては。
「じゃあお二人とも、論文頑張ってくださいね」
「あれ?もう帰るのかいニケ、今来たばかりじゃないか」
部屋の主はさして気にした様子もないようだが、気遣いのできる花京院はニケを引き留めた。お茶だけ出してもらって何の話もしないなんて、いくら気心の知れた仲とは言えあんまりに失礼だ。
「さっきのことの返事をしようと思って」
「あぁ……それならあんまり待たせないのがいい。あと男って単純だけど案外繊細だから、断り方には気を付けた方がいいよ」
「大丈夫です、断りませんから」
その瞬間男たちを数年ぶりにザ・ワールドが襲った。
1、2、3……スタープラチナでも対処しきれない強い強い力だった。
「お邪魔しまし…ひえっ!?」
沈黙をニケが破ると、すぐに二人は意識を取り戻す。それからのことは一瞬だった。
ハイエロファントグリーンの触脚がニケの四肢を捕らえ、部屋の扉の前にスタープラチナが立ちはだかる。
「えっスタンド!?……えっ?」
突然のことに全く状況を理解できないニケは狼狽えるばかりだ。けれど実のところ、承太郎と花京院の方が遥かに動揺していた。
ニケが告白された。わかる。
断らない、つまり男女交際が始まる。わからない。
なぜなら、ニケには。
「お前には、俺がいるだろうが」
「僕もいるのを忘れないでもらえるかな」
「へ、……えっ?」
きょとん。ニケの頭の上に先ほどよりもたくさんの疑問符が現れた。
「俺たちじゃ足りねえって言うのか」
「承太郎さん?」
「ニケの周りにいる人間の中で、僕らほど君を理解してる人はいないはずだ」
「典明さん?」
様子がおかしい、とニケは思った。これはどう考えても、いや自惚れである可能性を差し引いても。
「ま、まるで私たち付き合ってるみたいな……」
「まるで、って……その通りじゃねえのか」
「まあ彼氏が公認的に二人いるのは変わってると思うけど」
「彼氏……誰が、誰の?」
「俺たちが」
「ニケのに決まってるじゃないか」
なにそれ。なにそれなにそれなにそれ!?
「は、初耳ですが……」
ぼふん!と音を立てて耳まで真っ赤にしたニケ。
「ニケのことならなんでも知ってるぜ、ほくろの位置から性感帯まで」
「わ、わーっ!?やめて、やめてください承太郎さんのえっち!」
あ、今のえっち!の言い方いい…僕にも言ってくれないかな。と、花京院は思った。
「でも否定はできないんだろう?」
「の、典明さんのばかぁ!二人とも私をからかって楽しいですか!もうっ!」
「本気だ」
そうして、とうとうニケは何も言えなくなった。
仰向けになる花京院の顔を跨いで腰を落とさせられた。顔面騎乗というやつだ。
「んっ、ん……気持ちいいの、もうやだぁ……あうぅぅぅううっ!?」
「気持ちいいのが好きなのはわかっているよ」
「典明さんやめて、も、もう……イきました、イきましたから……ひん!」
「何をやめろって?こんなに体は喜んでるのに」
ぢゅるぅぅうっときつめに肉芽を吸い上げると、ニケは何度目かの絶頂を迎えた。構うことなく花京院はびちゃびちゃと音を立てて少女の股間を舐めまわす。痛いぐらいに締まる膣にいれた指で中をかき回すと、面白いようにニケの体が跳ねた。
「クリトリスが大きくなってさくらんぼみたいになってる」
「れ、れろれろしちゃ、だめぇっ」
「ふふ、本物のさくらんぼより美味しい」
「ひんっ、きゃうぅぅぅぅ!」
巧みな花京院の舌使いで、腫れた肉芽を弄ばれる。ニケは何度も腰を浮かそうとしたが、上から承太郎に押さえつけられてしまった。許しを乞うように彼を見上げれば、その大きな手で胸を鷲掴まれる。
「逃げるんじゃあねえぜ」
「い、あっ……やだ、やああっ」
「痛いから嫌なのか?」
「まさか承太郎、それはないよ。ニケのおまんこはきゅうきゅう僕の指を締め付けてるから」
「そんなこと、な…んひゅううっ中かきまぜちゃあっ!承太郎さんも強くしないでえっ!はぅんっ」
「嫌がるわりにはいい声が出てるじゃねえか」
「らって、らってえ、こんな気持ちいいの我慢できないよぉ……」
二人の手によって快楽を教え込まれていたニケは、すっかり蕩けていた。
初めてこういうことをしたのはいつだったか。エジプトでの旅を終えて、季節が一巡したころだったか。二人から求められたニケは、そのまま身を任せた。強い好意を抱いていたのだから、拒みきれるはずもなく。
好きも付き合おうも言われないまま、ここまで来てしまった。男たちと少女の見解が食い違っていたのはその辺りが原因だ。
執拗な快楽攻めからようやく解放されたニケは、力なくその場に崩れ落ちた。
「あうぅ。からだ、切ないです……」
「で、どうされたいんだ?言わなきゃわからねーぜ」
ベッドの上に体を投げ出して、ニケはふるりと身を震わせる。与えられていた快楽の余韻に自然と腰が跳ねた。
これ以上我慢するなんて、二人に十分すぎるほど仕込まれているニケには到底無理だ。
「中に、承太郎さんと典明さんの欲しいよぉ……っ」
「ずいぶん欲張りになったじゃねえか、俺たち二人を欲しがるなんて」
「承太郎は前と後ろ、どっちにする?」
「まえと、うしろ……?ちがっ!違いますそういう意味じゃありませ、きゃああっ!?」
否定の声も気にせず、承太郎が強引にニケの体を抱き起こして引き寄せる。
「俺は前にいれる」
「そうか、じゃあ今日は僕がお尻にいれようか」
「無理、無理です!せめて、一人ずつ……」
当たり前のように二穴陵辱が決まっていくのに、ニケは身震いした。恐怖と、期待で。
胡座をかく承太郎の上に向かい合わせになるように抱き抱えられ、ニケはその首に手を回してすがり付いた。
後ろから尻を撫で擦っていた花京院が、無遠慮に割れ目を開く。
「相変わらず可愛いアナルしてる。こっちも慣らさないと、ね」
「お、お尻は嫌です!や、やだぁっ!ひうぅんッ」
後ろの穴も何度か経験はあったが、それで羞恥がなくなるわけではない。不浄の穴にゆっくり侵入してくる花京院の長い指に、ニケはこの上ない羞恥を覚え唇を噛み締めた。
「ほら、アナルがどんどんけつまんこになっていってる。やらしいなぁ」
「そんなことありませ、んひぃ!あっ…あっ…」
「中がうねうねして僕の指を締め付けてくる」
「言わないで、言わないれぇ…!」
わざと品のない言葉を選んで、花京院はニケを追い詰めていく。目の前の逞しい承太郎の体にしがみついて、ニケはひたすら悲鳴をあげた。
「汁まみれになってるぜ、淫乱」
「ちがっ、いんらんなんかじゃあ……ひっ、承太郎さん!?」
指の腹でニケの膣口を撫でると、一瞬で愛液にまみれる。
好いた少女の体を押し付けられて、何もしないでいられるわけがなかった。それがあの空条承太郎であっても。
十二分に勃起した肉棒を何度か割れ目にすり付けて、愛液と馴染ませる。
「あんまり待たせたら可哀想だからな、いれてやる」
「待ってください、まっへぇ!今おしりにも入ってるぅ……んあぁぁぁぁッ!」
ぬぶぬぶと耳を塞ぎたくなるような水音を立てて、承太郎の肉棒がニケの中をこじ開けて侵入していった。
「あ、あーっ…うあぁ……壊れちゃぁ……おまんここわれひゃうぅ」
屈強な体躯に見合うその逸物を突き入れられて、ニケはあっという間に絶頂を迎える。狭い中をぐいぐいと押し広げて、承太郎はより深い繋がりを求めた。
「これ以上入りませんっ、だめ、承太郎さんもうきちゃだめえ!」
ぺニスの先が子宮口に当たるのを感じて、ニケは全身を強ばらせて抵抗する。それも、無意味でしかなかったが。
「花京院、少し手伝ってくれ」
「僕は僕でやることがあるんだよ承太郎。まあ、可愛いニケが見れるからいいですけど」
「典明さん何す……やめ、やめてえっクリトリスいじるのやめへえぇっ。う、あ、あぁぁぁあぁッ!?」
花京院が承太郎に言われて肉芽をぐりぐり押し潰すと、快楽に負けて子宮口がわずかばかり開いた。ニケの腰を引き寄せて、強引にその奥へぺニスを突き刺す。
「承太郎、いつも思うが君って鬼畜だね」
「てめぇに言われたかねぇぜ」
「はー…ッ、はぁーっ!」
「ニケ大丈夫かい?」
聞かれたニケは息も絶え絶えにぶるぶると首を横に振った。
「でもだいぶんアナル柔らかくなったから、僕のも入れたいんだけど」
ちゅぽっと後孔から指を引き抜いて、花京院は猛る自身をそこにあてがう。
危険を察したニケの顔が恐怖に歪んだ。
「だめ、らめです、入らな」
「大丈夫、入る」
ニケの言葉を遮って、花京院が問答無用で腰を押し進める。
初めての同時挿入に、ニケは悶絶した。
「同時なんて無理ぃ……やめて、やめてえぇっあ、ひぎぃ!」
「ニケ、息を吐いて力を抜いて。ん、そう…いい子だ」
「はあっ、あぁーっ、やだ、やぁっ二人のが、苦し…苦しいよぉ!」
「こっちを向けニケ」
「承太郎しゃん、ふあ、あっ」
ニケの唇をはみながら、承太郎は乳房を優しく揉みしだいてその先端を撫でる。桜色の突起に指がかかると、ニケはもどかしそうに息を漏らした。承太郎がその隙間を縫って口内へ舌を這わし、やがておずおずと少女の舌も彼のに絡む。徐々に刺激を強くしていけば、それに反比例するように強ばっていた体の力が抜けた。
ぐぶ、ぬぶぶうう!
「ひい゙っ、いやあぁあああァッ!?」
僅かだが体に余裕が生まれたチャンスを見逃さず、花京院はニケの体に自身の凶器をねじ込んだ。
「あ゙ぅぅ……あ゙ーッんあ゙ぁー!」
二本の剛直に奥の奥まで貫かれた少女は、ひたすらに震えて強烈な快楽の波にその身を流されるしかない。
「抜いてくだしゃ 、おちんちん抜いれぇぇ……」
荒い呼吸を繰り返しながら、ニケは哀願した。ひどく二人の庇護欲をそそらせたが、それが聞き入れられることはない。そんなことが叶うくらいなら、そもそもこんなことにはなっていない。
それどころか挿入できたのをいいことに、肉棒は我がもの顔でニケの中を堪能していた。
「んぉっお、奥……奥らめぇ」
「駄目?こんなときに嘘つくもんじゃあねえぜ」
「じょ、じょおたろぉさんの、おっきすぎてずっと奥に当たってるし……お尻も、典明しゃんのそんらにいれたら、死んじゃ、う……」
「ニケのお尻の中、突き上げるたびにきゅんきゅん締め付けてきて気持ちいい」
「やだ、やあァ!二人のおちんちんおっきしゅぎるからぁ!も、ゆるひれ、ゆるひれくらしゃい……ひんんぅぅ!?」
気付けばピストンは高速になり、ニケの体を極悪サイズの肉棒が好き勝手に出入りする。
次第にニケは快楽に溺れていった。
「らめ、りゃめぇ……きもちぃ、はっ、あぅう」
「どこが気持ちいいか、僕たちに教えてニケ」
「や、言えない、言えないよぉ……」
「ならお預けだな」
「あっ、抜いちゃあ……!」
二人はくぷくぷと先端だけで入り口を擦って、ニケの体にもどかしいだけの快楽を与える。
名残惜しそうな声をあげてしまったニケの心なんて、二人にはもうわかりきっていたが。
「とびきりやらしいのが聞きたいなぁ」
「お前も大概だぜ花京院」
「ニケにだけだよ。可愛いニケが悪い」
さらりと責任転嫁して、花京院はいたずらっぽく笑う。耳を甘噛みしながらほらほら早くとニケをせっついた。
「お、おまんこと、けちゅまんこ、きもちいいれしゅ……はあ、あっひもちぃよぉ……」
自分から腰を落として、二人の肉棒に秘裂を擦り付ける。
その淫魔のような姿に男たちは喉を鳴らした。
「承太郎、もういいだろ。僕が我慢できない」
「……今しっかり味わわせてやる」
「ふあっあぁーッ!?おちんちんきてるううぅっ!イひゅ、イっひゃうよお!」
再び二本の肉棒に貫かれた瞬間、ぷしゃっという音とともにニケの股ぐらはびしょ濡れになる。
「あっ、あっ……ごめんなさい、ごめんなさ……」
「構わねえぜ、好きなだけイけばいい」
「これは潮吹きってやつか。ニケの体がえっちになってる証拠だ」
じゅっぶじゅっぶと盛大な音をさせて、二人はより激しくピストン運動をした。
「きす、キスしたいです……っ」
「ニケ、ほら顔を上げろ。舌を出せ、吸ってやる」
「はひっ、承太郎しゃ……んくぅっ」
子猫が出すような甘えた声をさせて、ニケは承太郎と舌を絡ませ合う。舌を甘噛みされるたび、体内が媚びるように男たちを包み込んだ。
「妬けるなぁ……ニケ、僕を忘れないでくれ、よっ!」
「んおっ、あううーッ!おひりが、典明さんおひりらめぇぇ!」
ガッ、といつもの彼らしくない荒々しさで後孔を突き上げられる。ニケは背を弓なりに反らせ、足の指先までピンと伸ばした。今まで以上にキツい締め付けになる。
「ニケの中、気持ちいいよ!イきそうだッ!」
「俺も、出そうだな」
「中はっ、なかはだめえぇっい、今中で出されたら、頭おかしくなっちゃいま……はおぉっ」
深々と突き刺さる肉杭に、ニケは身を捩って腰を浮かせようとした。わずかに浮いたと思った途端に、最奥まで貫かれる。
焦点の合わない目で承太郎を見つめて、力なく首を横に振った。
「だらしねえ顔して、今更何言ってんだ」
「おかしくなればいいだろ、僕もニケが中出しアクメきめるところが見たいな」
「ゆるひれ、許してくだしゃ……やぁ、やだあ!きちゃうぅ、アクメきちゃいましゅから許してぇええ!!」
体に電撃が走っているのではないかと思わせるその一瞬の後。
そのときはきた。
「んんううぅぅあああぁあッ!?」
「うっ……」
「熱いのびゅーって出てえぇ!お腹やけろしちゃうよぉおおッ」
男たちが低くうめいてニケに自身の腰を強く押し付ける。ともすれば、びゅうびゅうという音が部屋中に響きそうな射精の勢いだった。
「もう出さないれ、らしちゃだめえぇ!」
「う、あー……気持ちよすぎて止まらないや。ごめんねニケ」
花京院は首筋に何度もキスをしながら欲望の最後の一滴まで注ぎ込む。ごめんね、と言いながらも密着させた腰を離すつもりはなかった。
瞳に張った水の膜越しに、承太郎の深い翡翠色が見える。ずいぶんと今日は優しい色だな、とニケは思った。
「好き、典明さんと承太郎さんが好きです。好き……好き……」
「僕らよりクラスメイトのほうがいいんじゃないのか?」
「二人じゃなきゃやだぁ……二人がいいです」
「気づくのが遅ぇんだよ。やれやれだぜ」
すっと二人の顔がニケの耳元に寄る。承太郎の顔はニケの右耳に、花京院は左に。
「いいかニケ、一度しか言わねえからよく聞いておくんだな」
囁かれた短い言葉に、心臓が跳ねあがった。
「愛してる」
「愛してるよニケ」