びょういんだいすき


綺麗な内装、落ち着いたクラシック音楽、清潔感のある白衣。
そして、お約束の薬品の香り。
どこからどう見てもごくごく普通の病院としか言いようがない。
モリはそんな雰囲気が、少し苦手だった。
そう、苦手“だった”。

腕は良いが口はすこぶる悪いと評判の美堂医院の主治医は、本日最後の患者が診察室に入って来るのを見て、その口角をあげる。
…どうやら言いつけは守ってるみてぇだな。
入って来たモリの姿をじっくり観察すると、満足したように自分の前に置かれた丸椅子へと腰掛けるよう少女に言葉をかけた。
「座っていいぞ。で、ちゃんと薬は飲んでんだろうな?」
「……は、いッ」
恥ずかしそうに膝を擦り合わせるモリを見て、蛮は“お薬”の効果が十分だったことを確信する。
「ん、そうか。じゃあ診察に入るぞ。…心臓の音を聞くので、ちょっと服捲りますねー」
まるで本来の診察をする医者のような口調で、モリのシャツを胸の上まで捲った蛮。小さな桜色の乳首が、眼前に晒される。
「あれ?モリさんブラ着けてないんですか。シャツに擦れてもう勃ってるなんて、いやらしいですねー」
「あ、んッ…だってそれは、先生…が」
「そうだったな。だけどこんなに固くさせて来いなんて一言も言ってねぇよな?」
「ごめ、んなさっ…ンッ」
ひんやりとした聴診器が胸の頂を擦める度、唇を噛み締め声を殺そうとするモリ。
服の裾を握り締めた両手にも、力が入る。
モリの体を“診察”していく蛮。
「聴診器越しにもビンビンなのがよくわかるぜ?」
「あっ…はぁ…ん、くぅン…やぁ、だめぇ……」
冷たい聴診器でコリコリと乳首を押し潰されると、いくら我慢しても吐息のような声が漏れた。
“お薬”のせいか、いつもよりもずっと気持ち良い。
「どこか変わりは有りませんかー?」
知ってるくせにわざわざ尋ねる意地悪な医者に、モリは俯きながら体の変化を報告した。
「胸が、痛くて…」
「どんな風に?」
「張りつめたみたいで…その、み、ミルクが…出るんです」
「それは大変だ、今すぐ治療しないと。………けどホントに出るようになるとはな」
わざとらしく言うとすぐに蛮はモリの乳房を揉みしだき始めた。
いつもより重く弾力のある胸は、強く揉むと少々痛そうだったが、蛮は気にすることなくぐにぐにと手の中で乳房の形を変えさせる。
「先生、もう少し優しく、あの………ッひやあああっ!?」
「すげ、乳首捻っただけで軽くイッたな……あぁ、ミルクも出てきた」
不意打ちで、それも強く乳首を摘まれたせいで達してしまう。
ぴゅうぴゅうと乳頭から滴る白い液体がなんとも卑猥だった。
「胸が張って痛いなら、全部出さねぇとな。しばらくの間、おとなしくしてろよ」
モリの乳首から指を離したかと思うと、乳房の形を変えて固くしこったその先端をくびり出す。
そして蛮はむしゃぶりつくようにしてモリの乳首に吸い付いた。
ちゅぱちゅぱと音を立てながら舌で乳首を舐め回し、軽く歯を当てつつ吸い上げる。
気持ち良いと母乳が出る仕組みなのか、舌で激しく扱けば扱くほど蛮の口内にはほんのり甘いミルクの味が広がった。
「せんせっそんなに強く吸ったら…ふあああぁン!」
「いつから乳首だけでイけるエッチな子になったんだモリは。ミルクも出して、ほんっとエロいな…」
少女らしさの残るあどけない顔を切なげに歪め、本来出るはずのない液体を自分の刺激によって噴出させる。
男が股間を熱くするには十分すぎる材料だ。
モリも“お薬”の効果か、理性を失いかけていた。
「あひぃぃんッぉ、おっぱいがびゅくびゅくってぇぇ…ミルク出ちゃうのぉぉっ!」
「ッ…そんなに気持ち良いかモリ。ん、どうなんだよ?」
「はひっ、おっぱいが気持ちいぃれす……はぁ、はぁ………」
荒い息を吐くモリの乳首から唇を離すと、モリを横抱きにして診察台とも言える簡素なベッドの上へ横たえる。
「せんせぇ…?」
「こっちも、お薬の効果があるはずだからな。ほら、もう大洪水」
するりとスカートを脱がせショーツも剥ぎ取り、下だけ丸裸にされてしまう。面倒だったのか好みの問題か、ハイソックスだけはそのまま残されていた。
「あ…だめ、見ちゃ……」
「今さら何恥ずかしがってんだよ、ンなエロい格好しといて」
蛮の目から恥態を隠そうともがくモリだが、身をよじり抵抗する姿はより一層男の情欲を煽る結果にしかならない。
息のかかるほどの至近距離で濡れた秘処を見つめられたモリは羞恥でより一層蜜壷を溢れさせた。
もちろん蛮もそれを狙ってモリを辱めるのだ。
「あー重症ですねぇ、ちょっと触診で診てみましょう」
「ひああぁァアっ!」
気付けばずっぷりと二本の指がモリの胎内に突き立てられていた。
ぐちゅ、ずちゅ…
「熱くて、トロトロだな。たしか…此処、か」
「はうぅぅっあッ、ダメぇ!そこダメなのぉっ」
探るように蠢いていた指先がある一点を的確に捉える。
何度も抱くうちに覚えたモリの一番イイところだ。
「せんせ、蛮先生ぇっもう、私…んあぁッ!」
「ったく早ぇな、指でイくか?それとも…」
「蛮先生のがいいっ!先生と一緒が、いい…あンッ」
敏感になった肉芽も指の腹で押し潰されて、モリは体を震わせた。
本当はもう達してしまいたかったが、大好きな先生と一緒に気持ち良くなりたくて、モリは懸命に堪える。
「欲しけりゃ俺をその気にさせてみろ。俺がてめぇをハメ倒したくなるぐらいやらしくおねだりしてみな」
ここに来て一番意地悪なことを言う。普段ならここまで突き放したりはしないが、今日は特別だった。
お薬―――――蛮が一週間前にモリに渡した、いわゆる媚薬だ。ホルモンバランスに対する働き掛けもあるらしく、飲み続けると母乳が作られるようになる。
元々素質があるのか薬のお陰か、あるいはその両方か、今日のモリは恥ずかしければ恥ずかしいほど感じてしまうのだ。
それを蛮が見逃すはずがない。
「おねだり、してみろよ」
蛮の強い言葉にモリは抗がえず、自らおねだりする為に四ん這いになった。
「……蛮先生のおっきぃのを、ください」
「どこにだ?ここか?」
「そこはぁ、違ぁっダメ、ダメぇッ!」
蛮は指を未開拓のアナルに侵入させる。ぬぷぬぷという音とともにモリの口からは嫌悪感からくる悲鳴があがったが、気にせず蛮はその長い指を奥まで飲み込ませた。
「ちゃんと言わねぇと、このままケツの穴犯すぞ。いいのか」
「ごめんなさ…っ言います、ちゃんと言いますからっ!許してせんせぇッ」
悲痛だが甘さを含んだ矯声に、蛮の股間ははち切れそうになるが、モリのおねだりを聞いて、これが未だ限界ではないことを悟った。
羞恥に染まるモリのおねだりで、完全に天を向くのだから。
「モリの、うぅ…トロトロおまんこに、先生の硬くてぶ…ぶっといお注射で、は、ハメて…その…溢れるぐらい精液びゅくびゅくしてくださいッ!」
「ンなの、どこで覚えてきたんだよッ!」
あまりにも予想以上な少女のおねだりに我慢しきれず、男は一気に自らの肉棒で串刺にした。
四ん這いが崩れて尻だけを突きだした状態のモリに覆い被さって、蛮は激しいピストンを繰り返す。
「せんせっ蛮先生ぇッ!激しいよぉッ…ひやぁぁあっ」
「エロい声であえぎやがって……。モリ、お注射気持ち良いか?」
「蛮先生のお注射気持ちいい、好きぃッ!せんせぇが大好きなのッ」
モリがそう叫んだ瞬間、蛮の腰が止まり、モリの中から肉棒が引き抜かれる。
突然なくなった刺激に、不思議そうに背後の蛮を顧みたモリ。
「……あの、ど、して」
「モリ、今言ったこともう一回言えよ」
「…あッ」
蛮に言われて先程無意識に口走っていたことに気付き、モリは焦ったように声を漏らした。
このまま放置されるのは辛い、それにもう言ってしまったなら仕方ないと、蛮の言う通りモリは繰り返す。
少し前まで淫らにおねだりしていたとは思えないような少女らしい愛らしさで、モリは恥ずかしげに告白した。
「そ、れは…その…蛮先生……大好き、です」
「そうか…………


………………………よし、孕ませる」
「蛮先生っ!?えぇっ、ダメぇ、一気になんてッ」
ずぶぶぶんッ!
「ひゃあぁあぁぁっ!」
蛮の唐突な宣言の下、一息に貫かれたモリは呆気なく達した。
それでも蛮は容赦なくモリの華奢な細腰を掴み、最奥をねっとりとかき混ぜる。
「はっ、ふぁ…先生、何を……?」
「孕ませるっつってんだよ。わかんねーのか?テメェの中も絞り取ろうとしてんだろうが」
「んあッ深いぃ…奥、やらぁ……はぁ、はぁっなんで、赤ちゃん…?」
肉棒がイイところを擦る度にきゅうきゅうと無意識に肉壁が締まり、より過敏に中の存在を認識してしまうのを堪えてモリは懸命に言葉を紡いだ。
その健気な様子と裏腹に官能を高めようとするモリの体が、蛮をたまらない気持ちにさせる。
「好きな女を孕ませたいと思うのに理由がいるかよ!モリも、俺が…好き、なんだろ」
改めて確認するのもなんだか恥ずかしかったが、愛しい女を手に入れた喜びの方が大きい。そしてその喜びは今、悦びに繋がろうとしているのだ。
「せ、んッせぇ…!でも、そんな…、だからって…いきなり…んあぁッ」
子宮口まで擦り上げるような深い愛撫。
戸惑う余裕さえ奪う甘い痺れが、モリの思考を溶かす。
「それに…お前みたいな淫乱は他のヤツじゃ手に負えねぇよ。ミルクだって出るしなぁ?」
「そ、れは…先生のせいっふやぁッ、おっぱい搾らないでぇ!」
「恥ずかしいなモリ。シーツまでミルクで濡らしてよ。あんなに出したのにまだ出るのか」
腰を掴んでいた手を伸ばして未だ張ったままの乳房を揉みしだく。
蛮の手の平の中でまろびやかな双球が形を変えるたび、その先端からぴゅるぴゅるとミルクがシーツに滴り落ち染みを作った。
「はうぅんっ…せ、んせいが私をこんな、えっちな子にしたんですよ……だから、その、ちゃんと、責任取ってくださ、いあああぁッ!」
乳房を掴んでいたはずの右手が、いつのまにか下降して敏感な肉芽を摘み上げる刺激に、モリは悶える。蛮の左手はミルクを垂れ流す乳首を捻り上げ、右手は肉芽を、おまけに子宮口まで肉棒でいじめられて、モリは二の句が継げなくなった。
あまりの快楽に、一瞬で達しそうになる。でも駄目だ、先生と一緒じゃなくては。
「責任?取ってやるよ。モリのならいくらでも、な。とりあえずは…」

モリをこんな淫乱にしちまった責任から。

ぱんッぱんッ、ぐちゅっずっちゅうぅ…
強く肌と肌とがぶつかる乾いた音と対照的に、性器同士が擦れ合う濡れた粘着質な音が行為の激しさを物語る。
二人の荒い息遣いや矯声もひどく淫猥な雰囲気を釀していた。
「あッんあぁっ!先生、蛮せんせっ…わ、たしもう…」
「イきそうか?いいぜ、イけよ」
「はふぁ…だめぇっ蛮先生も一緒が、いいのぉっ!」
「っバカ!そういうこと言うからいじめたくなンだろーが!!」
言うなり、加減を忘れて腰を打ち付けはじめる。乳首や肉芽をこねくり回すのも忘れない。
肉棒の形に押し広げられていた膣の締め付けはよりキツくなり、モリの限界は蛮の限界も誘った。
「ひやぁあッだめぇっイくの!もうイっちゃうよぉおっ」
「…出すぞ!」
一際深く深く突き立てた瞬間、肉棒が勢いよく精子を弾けさせた。
びゅ、びゅううううぅ!!
「あ、ひぃぃぃいぃんッ!あ、熱いのがで、出てるぅ…奥で出てるよぉ……」
恍惚とした表情で精液を流し込まれるモリに、再び興奮してしまう蛮。
肉棒を抜くことはせず、そのままぐちゅぐちゅと律動を再開した。
「モリ、赤ちゃんができるお注射もう一本打ってやるよ」
「くぅンっお注射…好きぃ。せんせぇが、大好きなのぉ…」
「あぁ、俺も…愛してる、モリ」

好きなお注射をしてくれる大好きな先生のいる病院が、今のモリは大好きなのだ。

綺麗な内装、落ち着いたクラシック音楽、清潔感のある白衣。
それに、お約束の薬品の香り。

そして、待合室で足を擦り合わせる少女がいたら、その病院では淫らな治療が始まるのかもしれない。





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