シヴァルリィ・ライトの祝福を


「ランスロット団長とナマエさんって、どういう関係なんですか?」
 ただの顔見知りと言うにはあまりに親しげ。それは漸く王都の街並みに馴染んできたモルドレッド達から見ても明らかだった。そう問うた幼馴染に同意して、無邪気な金髪がうんうんと首を縦に振る。ランスロットとナマエは一つ瞬きをして互いに顔を見合わせた。
 柔らかく瞳を細めたランスロットの隣で、ナマエが視線を泳がせる。その頬が桃色に染まっている
「ナマエは俺の婚約者だ」
「こんやくしゃ……って、え、ええええっ!?」
 予想だにしなかった返答にアーサーからはとびきり大きな驚きの声を上げた。二人を交互に見やり
「こっ、婚約者って、結婚を約束してるってことですよね!?」
 ――分かる。気持ちは分かる。憧れの騎士団長の恋人が知り合いでしたなんてそりゃあ吃驚するよね、うん。何も間違ってはいない。間違ってはいないのだが、改めてそう言われると照れくさいものがある。
「ああ」
「ナマエさん! 俺たち聞いてないですよ!?」
「ナマエは照れ屋だからな」
 話を振られてもすぐに返事を返せないと理解しているランスロットがふふ、と綺麗に笑う。
成程それで。成程あれは惚気だったのか。と言外に語る幼い視線が突き刺さり、ナマエは声にならないうめき声を上げながら両手で顔を覆った。

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全く関係ないんだけど13歳で163cmもあるモルドレッド高すぎ