願う
「…そっか。ついに始まっちゃうんだね…戦争。」
「あぁ…。」
「カカシさんは隊長だっけ?…あの、」
「心配するな、ななし。必ず勝って、お前の所に帰ってくるよ。だから、そんな泣きそうな顔しないの。」
ポンポンと頭を撫でられて、堪えていた涙が一気に流れる。
忍連合のみんなが戦うのは、暁とかいう集団らしい。
一般人のあたしには詳しく分からないけど、いきなり木の葉を襲ってきたり、尾獣を集めていたり、とにかく少人数で馬鹿みたいに強い人達。
そんな人達と戦うというんだから、心配しない訳がない。
「…泣くなよ。必ず、生きて帰ってくるから。…ななしは俺を信じて待ってて欲しい。」
「っ、でも…っ、!」
「大丈夫だよ。絶対に死なないから。…ななし。」
困ったような、でも真剣な表情で、まっすぐあたしを見つめて言うカカシさん。
戦争の前にこれ以上困らせてはいけない。流れる涙をごしごしと拭いて、あたしもカカシさんを見つめる。
「わかっ、た、…!生きて、帰って…きて…っ、!」
「…あぁ、約束するよ。じゃあ、行ってきます。」
そう言ってもう一度あたしの頭を撫でて、くるっと玄関の方を向いてカカシさんが歩き出す。
その背中を、目に焼き付けるように、ずっと見つめる。
どうか、どうか無事でいて。
あなたの無事を、願う
(あたしにはそれくらいしか出来ないから)
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