逃げる
放課後の教室。
いつものように眺めるのは、グラウンドで練習しているサッカー部。
たくさん部員がいる中で、一際目立つ存在のサスケくんを見て、思わずため息が出る。
「ああ、今日もかっこいい…。ね、ヒナタもそう思わない?」
「わっ私は、ナルトくんが、1番…」
言いながら顔を真っ赤にするヒナタ。可愛い。こんな子が彼女だなんて、ナルトは幸せ者だ。
………
2人で喋りながら飽きもせずに練習を眺めていて、気付けばもう夕方。
「あ、終わったみたいだね、練習。」
「今日は早いんだねー。ヒナタはナルトと帰るの?」
「うん…!着替えたらここまで来てくれるって。」
「そっかー、じゃあナルトが来たらあたしも帰ろ。一緒に待っててもいい?」
「もちろん!……あれ、」
「んー何?どしたの?」
ヒナタが何かに気づいたようにグラウンドに視線を戻すと、その先にはサスケくんとナルトが何やら話してる様子。
「普段、練習が終わったらすぐ帰っちゃうのに、今日はナルトくんと話してるから、珍しいなと思って…サスケくん。」
「あ、ほんとだ。何話してるんだろうね?」
サスケくんの家はグラウンドの奥の方らしくて、練習が終わると校内には入らずにそのまま帰ってしまう。
確かに珍しいなと思いながら見ていると、ナルトがヒナタに向かって今から行くってばよー!と手を振っている。
その後に、サスケくんを肘でちょんちょんとつついてニヤニヤしている。何やってんだあいつ。
するとナルトと同じようにこちらを見上げたサスケくんと目が合う。え、どうしよう、初めて目合っちゃった。
「お前、もう帰るのか。」
「えっ…、えっ?!あたし?!」
「お前以外に誰がいると言うんだ。」
「え、あ、そ、そうだよね…。ナルトが教室に来たら帰るつも、り…です、」
「そうか…なら送ってやる、そこで待っていろ。」
……………えっ?!?!?!
今なんて言った?え?送ってやる?そこで待ってろ?サスケくんが?あたしに向かって?
まさかの展開にフリーズしていると、ヒナタにとんとんと肩を叩かれる。
「…ななしちゃん?」
「どうしよう、ヒナタ…。」
「よかったね、いきなり送ってやるなんてさすがサスケく、」
「っ、あたし!もう帰る!じゃあねヒナタ!」
ヒナタがななしちゃん!と止めるのも無視して、急いで教室を出る。途中、現文のイルカ先生に廊下は走るなと注意されたけど、ごめん今日だけ許して!と言い残して全速力で下駄箱へ向かう。
ごめんサスケくん、あたし、やっぱり帰ります!!
君から、逃げる
(サスケくんと一緒に帰るとか緊張しすぎて無理…!)
(あれー?ヒナタ、ななしは?)
(教室飛び出して行っちゃって…、)
(…だからいきなり誘うのは嫌だったんだ。)
(だってさ、仲良くなりてーなら一緒に帰るのが1番だって思ったんだってばよ!)
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