慰める
昨夜から降り続いている雨は止む気配がなくて、予定していた外での修行は出来そうにない。
父と母は1泊2日の旅行、弟のサスケは任務の為ついさっき家を出て、残るのは俺1人。
特に用事もなくて忍具の手入れをしていると、トントンと玄関を叩く音が聞こえる。
「…どうした、ななし。」
「っ、いた、ち…っ!」
そこにいたのはずぶ濡れになったななしで、目にはいっぱいの涙をためてか細く俺の名前を呼ぶ。
「とりあえず中に入ってシャワーを浴びろ、風邪を引いたら大変だ。」
そう言うとななしは小さくごめんねと呟いて、大人しく中へ入る。
シャワーを浴びてだいぶ顔色がよくなったななしは、俺の寝間着を着て、茶の間の端にちょこんと座る。
「何があったんだ…ほら、もっとこっちへ来い。」
「うん、ごめんね…。」
「まだ体の中は冷えているだろう。ココアだ、飲むといい。」
「ありがとう…、あったかい…」
差し出したココアを一口飲むと、あのね、と小さい声で話しだす。
「カカシがね…、浮気してたの。」
「…本当なのか、」
「うん…。今日ね、予定してた任務がなくなっちゃったから、カカシの家、行ったの。そしたら、その…知らない女の人とベッドにいるの、見ちゃって…。」
そこまで話すとななしはまた目に涙をためて、瞬きすると同時にポロポロと流れていく。
「あたし、…びっくりしちゃって…。っふ、ぅー…っ、」
「もう喋らなくていい。…ななし。」
話せば話すほど大粒の涙を流すななしを見ていられなくて、思わず抱きしめる。
「こうしといてやるから…、思いっきり泣くといい。今日は夜まで誰も帰ってこない。」
そう言うとななしはわあわあと泣きだす。
俺は、頭を撫でたり背中をさすって慰める事しかできなかった。
静かに、慰める
(ななし、)
(っ、なに…っ?)
(目は擦るなよ、腫れるだろう。)
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