ときめく


踊り場でネジ先輩と話してから、学校に行くのが今まで以上に楽しくなった。

話したい事っていうのは仲良くなりたいって事だったらしくて、クラスの人以外と交流がないあたしはぜひ!と即答。そこから番号とメッセージのIDを交換して、何やかんやで毎日やりとりしている。

今日は部活が休みらしくて、よかったら一緒に帰らないかと言われた。連絡を取り合ったり校内で何度か話しているうちに先輩に好意を持っていたあたしは、にやける顔を隠しながら、帰りのHRが終わったら連絡しますと返す。



「隠せてないわよ、にやけ顔。」

「わっ!サクラ!びっくりしたー…。」

「先輩とは順調みたいね、頑張りなさいよー?」

「うん、ありがとうサクラ!」



………



担任のカカシ先生がいつものように遅刻して、終わる時間が少し延びてしまった。
はい、じゃあまた明日ーと言う声の後、すぐに携帯を取り出して先輩にメッセージを送る。

すると、俺もちょうど今終わったと返事が来て、メイクと髪を整えると少し急いで下駄箱に向かう。



「ごめんなさい、お待たせしちゃって…!」

「構わない。さ、帰るか。」



そう言うと先輩は車道側を歩いてくれて、そのさりげなさに胸がキュンとする。



「でね、カカシ先生ってばいっつも遅刻するんですよ。ひどくないですか?」

「ははっ、俺のクラスの授業もよく遅刻して来るぞ、あの人は。」

「えーやっぱりそうなんだ。ほーんと適当ですよね、いつも眠そうだし。」



2人で色々な話をしながら夕暮れの道を歩く。

先輩はあたしの話をうんうんと聞いてくれて、たまにおかしそうに笑ってくれる。それがすごく心地良くて、ついついあたしばかり話してしまうけど、ネジ先輩は面白いからたくさん聞きたいと言ってくれて、それがまたあたしの脈を少し早くさせる。




楽しい時間はあっという間で、気が付けばもうあたしの家の前。



「送ってくれて、ありがとうございます。」

「いや、楽しかった。俺の方こそありがとう。」

「、じゃあ、また連絡しますね!気をつけて帰って下さい。」

「ああ。……なあ、ななし。」

「…はい?」



少し声のトーンを下げて名前を呼ばれて、何を言われるんだと少し体が強張る。



「ななしは部活、やってないんだよな?」

「?はい、」

「もしななしが良かったら、その…なんだ。明日からも一緒に帰りたいんだが、」

「え、」

「いや、嫌だったらいいんだ。変な事を聞いてすまない、」

「…部活終わるまで待ってます。あたしも、一緒に帰りたいです、先輩。」



すると先輩は小さく笑って、明日も楽しみにしてると言ってそのまま歩きだす。




ああ、だめだ。


あたし、先輩に








ときめいてばかり
(どうしよう、にやけが止まらないや)
(明日、楽しみだな。)














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