自惚れる
「ななし、待たせたな。」
「先輩!」
あれからネジ先輩は、部活が終わると教室まで迎えに来てくれる。
最初は下で待ってますと遠慮していたんだけど、部活の終わる時間が遅くなる事も多いから申し訳ない、迎えに行くと言われて、それならとお願いした。
「そういえば、言っていた課題は終わったのか?」
「全然終わらないです…あたし、数学苦手なんですよね。」
「何だ、そうなのか?…俺でよければ、教えてやろうか?」
「え、いいんですか?」
「あぁ。」
数学は俺の得意分野だからなと笑って言われて、思わずやったーと声が出る。
「あ、でも、」
「ん?どうした。」
「課題の提出、明日までなんですよね…。」
喜んだのも束の間、提出期限が明日だと気付いてがっくりと肩を落とす。
あー、もっと早く言えばよかったと思っていると、先輩が口を開く。
「ななしは、門限などあるのか?」
「え?あー、うち両親が帰ってくるの遅いんで、特にないです。」
「…家、来るか?お前が良ければだが…」
ちらりと視線を外して言うネジ先輩の顔は少し赤くて、あたしもつられて赤面する。
何でここまで優しくしてくれるんだろう。
どうしよう、自惚れてもいいのかな…これ。
「あの…、ぜひ。」
「、じゃあ、行くか。…こっちだ。」
「あれで付き合ってないのよ、あの2人。」
「そうなのか?側から見ればカップルだな。」
「早くくっ付いてほしいのよね、焦れったいから。」
後ろを歩いていたサクラとサスケがこんな会話をしていたのを、あたしは知らない。
自惚れて、いいですか
(ところで、課題はどれくらいあるんだ?)
(10ページくらい、です、)
(ははっ、なら頑張らないとだな。)
.