弄ぶ(もてあそぶ)
「ななし、」
「…このあと予定あるの。」
「……そうか、わかった。」
またねと言って家を出て行くななしの後ろ姿を無言で見送った後、乱れたシーツを整える。
あいつが俺に気がない事くらい分かっている。
俺の他に、同じ関係の男がいる事も。
くだらないと思いながらも、あいつから会いたいと連絡が来れば受け入れてしまう俺はよっぽど馬鹿だと思う。
「あ、サスケ。」
突然ガチャリと玄関のドアが開いて誰だと見ると、そこにはさっき出て行ったばかりのななしが顔を覗かせている。
「なんだ、忘れ物でもしたか。」
「んーん。…まだちょっと、ゆっくりしたくなったから。」
「予定は、ないのか。」
「面倒くさくなっちゃった。上がっていい?」
質問したくせにななしはもう靴を脱いでいて、行為後上半身裸だった俺は、脱ぎ捨ててあった服を着る。
「何かサスケの家落ち着くんだもん。」
「調子のいい事を言うんだな、お前は。」
「違うよ、ほんとに思ってる。」
適当にあしらおうと思ってそう言えばななしは真剣な表情でこちらを見ていて、返答に困りながら俺もななしから目を逸らさずにいると、
「サスケが1番面倒くさくなくて、好き。」
と笑いながら言う。
弄ばれてるな、俺と心の中で苦笑しながら、そうかとただ一言返す。
弄ばれる
(サスケ、)
(……こっちへ来い)
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