奪う
7班での任務を終えて、3代目に報告書を提出した帰り。
俺の前に現れたのは目を真っ赤に腫らしたななしで、おいと声をかければ静かに俺の方を向く。
「…カカシ。」
「どうしたの、そんな目して。」
「、彼氏、が…」
「はー…、話聞いてやるから、おいで。」
「いつもごめん…、カカシ。」
俯きながらそういうななしにいいから早く行くよと促して、俺の家まで足を進める。
………
「お邪魔します…。」
「はい、どーぞ。任務から帰ったばっかりだから少し汚いけど、ごめんね。」
「大丈夫、いつも通り綺麗だし…」
相変わらず元気のないななしに適当に座ってと言えばソファーの端っこに控えめに腰を下ろす。
俺も隣によいしょと腰掛けて、また喧嘩?と問いかけると、ななしは眉を下げながらうんと頷く。
「まったく…、今回はどうしたのよ。」
「浮気、かな。もちろん向こうがだけど…。」
あたしってそんなに魅力ないのかなと漫画に出て来そうな台詞を吐いて、はぁ、とため息をつきながら顔を下げる。
「あいつのどこがいいの?ななしは。」
「…最近あたしにも分かんなくなってきちゃった。」
でも何か離れられなくて、と無理矢理笑って見せるななしの腕を引っ張って抱き寄せる。
「えっ、カカシ、」
「…俺にしときゃ、そんなに泣かないで済むのに。」
俺も漫画みたいな台詞言っちゃったよ、と心の中で苦笑しながらななしの髪を撫でてみると、意外と大人しくそれを受け入れている。
「、ねえ、ななし。」
「なに、」
「お前の事、あいつから…」
奪っちゃっていい?
(………カカシ、)
(俺と居た方が幸せだよ、絶対。)
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