重ねる


戦争が終わってしばらくした頃、サスケが旅に出るらしいと噂で聞いた。


里抜け、暁への加入、ダンゾウ殺し…。


たくさんの罪を犯したサスケには厳しい声がたくさん上がっていたけど、無限月読の解術と、6代目に就任したカカシ先生とナルト達同期の声もあって、なんとか極刑は避けられた。



「あ、いたいた!ななし!」

「いの!どうしたの、そんな急いで。」



いつ出発するんだろう、きっとあたしには言わないで行くつもりなんだろうなと思いながら商店街でお昼ごはんを選んでいると、急な用事でもあるのか、いのが走ってこちらに近づいてくる。



「サスケくん、そろそろ出発するみたい。あんたを呼んでこいって、カカシ先生が。」

「わざわざ、それだけ伝えに?」

「わざわざって…、大事な事でしょ。」



早くしなさいと微笑むいのに、うん、ありがとうと返して、自分のお弁当とおかかおむすびを2つ買って門へ向かう。



……



「、サスケっ!」

「ななし。ギリギリ間に合ったね。…門の先にいるから、行っておいで。」



ちょうどナルトとも話し終わったみたいだよと言われてサスケのいる方を向くと、もうこちらを振り向かずに歩き出している。

慌てて走り出してサスケと呼べば、振り返ったその顔は少し驚いた表情で。



「ななし、なんで、」

「あたしに言わないで行こうとするなんて、最低。一応彼女なんだけど。」

「……すまない。」

「みんなが伝えに来てくれたからいいけど。…はい、これ。」



さっき買ったおむすびを差し出せば素直にそれを受け取って、少しの沈黙の後ななしと名前を呼ばれる。



「そろそろ、行く。」

「、うん。気をつけて…っ!」



そう言った瞬間目の前が暗くなって何かと思えば、そこはサスケの腕の中。

抱きしめたままなかなか離さないサスケの背中に、あたしも腕を回してみると、ようやくサスケが口を開く。



「いつ帰るかわからんが、」

「うん、」

「帰って来たら、その時は…」



うちはを背負う覚悟をしておけ、と言ってから、ようやく腕を解かれて、あたしも同じように背中に回していた手を下ろす。



「それって…、」

「っ、じゃあ、俺は行く。」

「あ、待ってサスケ!」



耳まで真っ赤にしながら去って行こうとするサスケを止めて、少し離れた距離をまた縮める。


うちはを背負う覚悟をしておけ、それは何ともサスケらしいプロポーズで。


にやけが止まらないまま、あたしよりも随分と背の高いサスケの首元をきゅっと引っ張って目線を同じにしてもらい、チュッとひとつキスをして、行ってらっしゃいと見送る。


サスケは少し驚いた後にふっと笑って、あたしのおでこにトンッと指を置いて、またなと言った後静かに歩き出す。










唇を、重ねる
(サスケも大胆だねえ、公開プロポーズなんて。)
(わっ、カカシ先生、聞いてたんですか?)

















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