第17話
「…ゲンマさん、今何て…」
「聞こえなかったか?ななしちゃんが好きだって言ったんだよ。」
あたしは近いうち死ぬのかもしれない。
デートの帰り、家まで送ってくれたお礼にお茶でもとゲンマさんを家に招いて、リビングで他愛のない話をしている時。話題はカカシさんとの任務の話になって、その流れでそう言えばあいつに告白されたんだって?と聞かれた。少し俯いてはいと答えると、返事はしたのかと問われて、それには首を振る。すると、そっかと少し安心したような返事が返ってきて、俺も好きだからさ、負けてらんねーよなと笑いながらサラッととんでもない事を言うゲンマさん。聞き間違いかと思ってもう一度聞けばやっぱり好きだと返ってきて、まさかの展開に開いた口が塞がらない。
「いきなりこんな事言われても困る、か?」
「あ、いや、そうじゃなくて…」
木の葉の里でも名前が知れてるカカシさんと、特別上忍の中でも重要な任務を任されているゲンマさん。優秀な上に整った顔立ちの2人は、里内でも好意を寄せている人は少なくない。そんな人達からほぼ同時に告白されて、びっくりしない人なんていないんじゃないかと思う。
「びっくりしちゃって、その…」
「ははっ、まあそうだよな。」
まあ考えといて、と頭を撫でると、そろそろ帰るかーと腰を上げて玄関へと向かうゲンマさんを慌てて追いかける。カカシさんの時もそうだったけど、告白してすぐに帰るというのは男の人の中での決まりなのかなんなのか。少しでいいからその後1人で考えるこっちの身にもなってほしいと思いながら、靴を履くゲンマさんに楽しかったですと声をかける。
「そういや、店はどうすんだ?もうすぐ営業再開するだろ?」
「え、あー…とりあえず、初日は出勤します。そこから先はまだどうするか迷ってて。」
「ん、わかった。じゃあまたな。」
この前と同じように戸締まりだけはちゃんとしろよと言って、玄関のドアがパタンと閉まる。
仕事、かあ…。
この前の一件があってからあんまり出勤したくないなあなんて考えるようになってしまった。
いや、仕事よりまずは2人に告白された事について考えないといけない。玄関にガチャリと鍵をかけながらそんな事を思う。
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