焦がれる
「水遁、水龍弾の術!」
「、土遁、土流壁!」
「くっ…、!っはぁッ、はぁッ…!」
「何だ、終わりか?木の葉の上忍ともあろう者が情けないな。」
要人警護の任務を任されたのは今朝。もう少しで目的地に到着するという所で敵襲に遭ってしまって、戦闘を続けてもう数時間。
くっそ、なんでよりによって土遁なの。相性最悪。
ここはあたしが、と他の仲間に先に行くよう言ったはいいものの、相手は土遁使いで、水遁使いのあたしとは相性が悪い。
大戦が終わって大きな争いは無くなったけど、こうして小さな争いはまだまだ色々な所で起こっていて、本当の平和なんか来ないんじゃないかと思ってしまう。
「木の葉の忍、なめないでくれる…?」
「ほう、まだ戦うと言うのか。」
「、っはぁッ…、水遁…水牙弾の術…!」
「水遁は俺には効かんと何度も言って、」
「千鳥!」
チャクラも残り少ない中で出した水牙弾はあっという間に土遁で消されて、もうだめだと思った瞬間、後ろからチリチリと鳥が鳴くような音が聞こえて、何かと振り向く前に目の前の敵が叫びながら倒れていくのが見えた。
「お前…、1人なのか。他の仲間はどうした。」
「え、あ、要人を連れて城に…。あの、あなたは、」
「俺は忍界を見て回っている。お前と同じ…木の葉の忍だ。」
「さっき千鳥って…もしかして、あなたがうちはサスケさん、ですか、?」
「…あぁ、そうだ。」
目の前に立っているのは、綺麗な顔立ちの人。
千鳥を使える忍はそう何人もいる訳じゃない。もしかしたらと思って聞いてみると、やっぱりそうだった。
この人が、うちはサスケ…。
元木の葉の抜け忍で、今は忍界を回る旅をしていると誰かから聞いた事がある。今までしてきた事を懺悔する旅でもあるとか。
「あの、ありがとうございましたっ…!サスケさんが来てくれなかったら、あたし、危なかったです…。」
「別に構わない。…お前、名は何だ?」
「ななしって言います、」
「ななしか、覚えておく。」
「え、あ、ちょっと、!」
そう言うとサスケさんはあっという間に消えてしまった。
…どうしよう、かっこよかった。
ちょうど城から戻ってきた仲間達に、大丈夫かとか顔が赤いぞ、何かあったのかとか色々な事を言われる。何もない、大丈夫とだけ返して里へ帰ろうと言うと、2人は顔を合わせて首を傾げながら、あたしの後ろに続く。
初めて会ったのに、ほんの数分話しただけなのに、胸が苦しい。
恋、焦がれる
(あなたにもう一度会いたい)
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