今からあなたに告白します


最低だ。きっと心配してくれてるのに。あんな言い方するなんて、最低だ、あたし。
シカマルが家を出て行ってから後悔が押し寄せてきて、どうする事もできない気持ちが涙になって溢れる。


「っふ…ぅっ…、しか、ま…るっ…、」


何時間経っても涙は止まらなくて、気付けば夜になっていた。突然インターホンが鳴って、こんな時間に誰だと思いながら玄関に向かおうとしたけど、そういえば顔やばいかもと思って洗面台に確認に向かう。


「ひっどい顔…、」


ぼそっと呟いてとりあえずボサボサになった髪だけ直して玄関のドアを開けると、そこにいたのはシカマルで。話、してーんすけど。と言って真っ直ぐにあたしを見る。昼間の事を謝りたかったあたしはそれを受け入れて、シカマルがリビングに向かうのを確認してからキッチンに立ってコーヒーを淹れる。


「…。」


妙に気まずくて無言でシカマルの前にコーヒーを置いた後、あたしもひと口飲んでから横に座ってみる。どんな顔をしてシカマルを見ればいいか分からなくて、顔は自然と下を向いてしまう。それでもあたしは早く昼間の事を謝りたくて、あの、と小さく発した言葉はシカマルの声にかき消される。


「悪かった。理由も聞かねーで勝手に怒って出てって。」


顔を見なくてもわかるくらい申し訳なさそうに謝られる。悪いのはこっちなのに、と思いながらあたしもごめんと返すと気にすんなと言われて、シカマルの優しさにまた泣きそうになる。


「それで、その…話、なんだけどよ。…まだ言いたくねーか?」


昼間とは違って、その声はあたしの様子を伺うみたいに弱かった。でも元彼の話をシカマルには話したくなくてうんとだけ返すと、今度は何でだか聞いていいかと言われてそれにはやだ、と返す。話が進まないのは分かってるのに、言いたくないとだだこねるなんて子供みたい。

少しの沈黙の後、じゃあ無理には聞かねーよと返ってきて何も言えずに黙っていると、シカマルはただ、と続けて話しはじめる。


「ただ…、俺はあんたが悩んでたら話くらいは聞いてやりたいし、あんたが泣いてたら助けてやりてえ。」


なんでだか分かるか?と聞かれ返答に困っていると、こっち向けと言われて素直に顔を上げる。そこには顔を真っ赤にしたシカマルがいて、あたしは次の言葉を期待してしまう。だってこの状況で、それ以外言われる事が思いつかない。
シカマルはあたしを真っ直ぐに見つめて、少しの沈黙の後、その薄くて綺麗な唇を動かす。



「あんたが好きだからだよ、ななし。」



その言葉を期待してたくせに、いざ言われると脳内の処理が追いつかなくて固まってしまう。しばらくするとあたしの顔はどんどん熱を帯びていって、きっとシカマルより真っ赤なんじゃないかと思うくらい。そしてたった一言、声を振り絞って返事をする。



「……あたしも、好き…。」











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