まっすぐみつめて


あたしも、好き。そう言って真っ赤になった顔の向きを元に戻したななしは、コーヒーをひと口飲んでからぽつりぽつりと話しだす。


「…好きだからね、言いたくなかったの。その…元彼のこと。別に何があったとかじゃないんだけど。」

「…でも、あいつと会うたび揉めてただろ?あれは何だよ。」

「それ聞かれたら結局全部話す事になるんだけど。」

「別に俺は構わねーぜ。それに、その…あんたが俺の事を好きなら、余計に聞いておきてーだろ。」


自分で言って恥ずかしくなってきた。一旦治った顔の熱がまた上がっていくのがわかる。ななしは照れたように笑って静かに話し始める。


「浮気癖がすごくて、あの人。結構長いこと付き合ってたんだけど、最後はあたしじゃなくて浮気相手の方に行っちゃったんだよね。」

「…へー、ひでー奴だな。」

「うん、ほんとにね。でもそんな奴でもあたしは結構未練たらたらで、ずっと好きだったの。でもね…大戦があって、恋愛どうこうなんて言ってられなくて。あの時はみんな必死に戦ったでしょ?」

「ああ、そうだな。」

「それで大戦が終わった後、すぐくらいかな。あたし、あの人の事もう全然好きじゃないって思ったんだ。」


そこまで言うと、ななしはまたこっちを向いて、俺の目を見ながら話を続ける。


「里もほぼ元通りになった時、上忍と一部の中忍で飲み会あったでしょ?あれでシカマルと初めて会って…恥ずかしいけど、一目惚れだったの。」

「な、そうだったのか?全然分かんなかったぜ…」

「うん。それでね、酔ったふりしたら仲良くなれるかなって思ったんだけど、まさかセックスまでしちゃうとは思わなかったなー。」


酔ってるふりって…じゃああの時は全部しらふだったのかよ。女ってこえーなとか思ってたら、ななしはコーヒーのおかわり持ってくると言ってキッチンへ向かう。
あの飲み会の日、本当に楽しそうに酒を飲みながら話すななしを見て、心臓が跳ねた。気付けばあいつにばっかり目が行って、酔っていたななしを帰りは俺が送ると申し出た。まあ、ふりだったらしいが。

なんだよ、お互いに一目惚れだったんじゃねーか。

煙草に火をつけてそんな事を思いながら、キッチンにいるあいつを待つ。










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