なんで泣きそうなの?


「シカマルー、あんたの家はあっちじゃなかったー?何か理由あるんじゃないのー?」

「あー?別に何もねーよ。」


集合場所に行けば、いのがニヤニヤしながら話しかけてくる。やっぱりかよ、めんどくせぇ。
なによー、教えなさいよー!と騒ぐいのを横目にチョウジに任務内容の確認をする。


「チョウジ、今日は情報収集だったよな?」

「うん、そうだよ。もしかしたらちょっと長引くかも知れないってアスマ先生が。それよりシカマル、もしかしてななしさんの家行ってた?最近仲良いんだね。」

「な、お前まで…。はぁ、チョウジ。誰にも言うなよ、絶対。」

「焼肉奢ってくれるなら、いいけど。」


まじかよと項垂れていると、チョウジはウソウソ、言わないよと言って笑う。くそ、こいつまでからかってやがる。


「ほー、シカマルも隅に置けねーなあ。今回の任務は3日程帰って来られねーかも知れないが、大丈夫か?」

「アスマ…、別に大丈夫だよ、何もねーから。それより、そろそろ行こうぜ。時間だ。」


これ以上突っ込まれたくなくてそう言うと、やっと任務の話が始まる。ああ、なんで俺の班はみんな噂話が好きなんだ。まったくめんどくせぇ。






アスマとチョウジの言う通り、長引いた任務は3日と少しかかってしまった。早く家でゆっくりしてぇと思っていると、アスマから報告書の提出を頼まれる。これから寄らなきゃいけねー所があるんだよ、とか言って足早に去って行った。

仕方なく報告書を預かって火影室に向かっている途中、前に見えたのはななしと、見た事のねぇ忍。何か喋っているが、ここからでは話し声までは聞こえない。
何だか勝手に気まずくなって、さっさとすれ違っちまおうと思い速度を上げて歩いていると、怒ったような顔をしたななしが小走りで近付いてくる。


「わっ、シカマルっ!」


どうやら俺に気付いていなかったらしく、ななしは驚いたような声で俺の名前を呼ぶ。


「どうしたんすか、こんな夜中に。」

「火影様に報告書提出しに行ってたの。シカマルはこないだの任務の帰り?」

「ああ。んで、アスマに報告書押し付けられてこれから5代目の所に行かなきゃなんねーんだよ。」


そう言いながらななしがいた場所を見てみると、さっきの忍が気まずそうにそこから去ったのが見えた。


「なんだー、知ってたらもうちょっと待ったのになぁ。」

「あいつと何かあったのか?」

「あー…何でもない。」


何でもないとか言いながら明らかに顔が強張る。明らかに何かあんじゃねーか。すげー気になる。


「ま、何もねーならいいけど。じゃ、俺は5代目の所に行くぜ。ななしはもう帰んのか?」


気にしてないそぶりをして話すと、ななしが俺のベストの裾をキュッと掴む。


「、ついてっちゃだめ?火影室の前で待ってるから。」

「…ま、夜道も危ねえしな。送ってってやるから待っといてくれるか?」

「うん、ありがとうシカマル。」


そう言ったななしの顔には笑顔が戻っていて、すっかりいつも通りだった。

その後は他愛のない話をしながら歩いていて、気が付けばあっというまにななしの家の前。


「逆方向なのに送ってくれてありがと。疲れてるのにごめんね。」

「気にすんな。いくら上忍だからって女が1人で夜道歩くのは危ねえからな。」

「ふふ、優しいね、シカマル。」

「っ、じゃあな。ゆっくり休めよ。」

「あ、待って…あの、」

「あ?なんだ?」


帰ろうと思って来た道を戻ろうとすると呼び止められて、何かあったのかとななしの方を向き直す。


「明日、任務…?」

「いや、明日から2日間は非番だ。何かあったか?」

「あたしも、休みなの。…家、来て欲しいんだけど。」


そう言ったななしは少し弱々しくて、さっきの男が頭に浮かぶ。

「…わかった、何時でもいいか?」

「できるだけ、早くがいい。」

「おー。じゃ、明日な。」

「うん、お休みなさい。」




ななしをあんな顔にさせる男に少しイラッとしながら、明日は昼までには行こう、と思って俺も帰路についた。








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