ことばがたりない
目が覚めるともう太陽がてっぺんまで来ていて、昼過ぎだと言う事を知らせる。やべえ、休日だからって寝すぎた。起き上がって横を見るとななしがいねぇ。昼過ぎだし飯でも作ってんのか。とりあえず、水が飲みてえからキッチンに行くか。
寝室のドアを開けようとすると、玄関の方から小さく話し声が聞こえてきて、ドアを少し開けて覗いてみる。
「…だよ、ななしっ、!」
「……ないでっ!やだ、っ!」
「おい!……って!」
何喋ってんだ?てか、あれはこないだ見た男じゃねぇか。
あいつとどういう関係なんだ、ていうかあいつ嫌がってねぇか?と思っていると、男は観念したように玄関から出て行く。
ななしは鍵を閉めた後リビングに座って深いため息をついている。
…え、なんかすげー気まずくねぇかこれ、と思いつつも喉の渇きに耐えられなくて、平然を装ってドアを開ける。
「っ、シカマル…、おはよう。」
「あー、はよっす…水、もらっていいすか。」
「うん、どうぞ。…ごめんね、起こしちゃったね。」
「や、大丈夫だ。あいつ、前もお前と話してた男だろ?…何かあったのか?」
冷蔵庫から出した水を飲みながら思い切って聞いてみると、ななしは俯いたまま静かに呟いた。
「、何でも、ない。」
「何でもないって…はぁ、嘘つくなよ。」
「……シカマルには、言いたくない…。」
この言葉に思わずカチンとくる。何だよそれ。俺には言いたくないってどういう事だよ。
「…あー、そうかよ。…帰るわ。」
「待って、ちがうの、」
「何が違うんだよ…、まあ所詮俺らは身体だけの関係だからな。言いたくねーか。」
「っ、違うよ…っ!シカマル」
「じゃーな。また欲求不満になったら呼んでくれ。」
「やっ、待ってシカマル…っ!」
待ってと言うななしを無視して家を出る。くそ、気分わりーな。俺に言いたくねー関係って何だ。彼氏か、元彼か、俺と同じってとこか?どんな関係でも腹立つ事には変わりねぇ。
イライラする気持ちを抑える事も出来ないまま歩いていると、あれー?シカマル!と言う声が聞こえて、声のする方へ目をやるとそこにいたのはいのだった。
「…おー。いのか。何やってんだ?」
「別に、ちょっとフラフラしてただけよ。…元気ないじゃない。」
「あ?そんな事ねーよ。」
「隠しても無駄よ、何年あんたの幼馴染やってると思ってんの。」
「はー、めんどくせえな…。いの、誰にも言わねーって約束できるか?」
「甘栗甘で手を打つわー。」
俺の班には素直に黙っててくれる奴はいねーのか。
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