落歌生

海の揺籠
ぱちぱち弾けて。満ちては欠けて。
水底子守唄
波打ち際の明晰夢
潮騒に耳を澄ませて
ひとりぼっちの狩りをしよう
夜光虫だって眠らない
一泡吹かせど所詮は水さ

さようなら、刹那の夢よ
刹那の夢よ、さようなら
どうかまた会う日まで
いつかおれも、そちらに行きますから
拝啓、お元気ですか
心鏡/心境
鏡合わせのお前に問う「私は、誰ですか」
電子の港もあるにはあるさ
後悔日誌

月下氷人
水深二万マイル
白鯨はいずこに
泡のような話でございます
人の航路のお守りを
彼の人生が平安でありますように
されど浮世は姦しく
嗚呼、それでこそ湊と言ふものよ

船は今日も海を渡ります。ざぶざぶと揺られ、時に呑まれながらも、それでもゆるりと、征くのです。
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