探索1



view:いお


とりあえず、ハゲ(担任)からの頼みをさっさと終わらせるために急ぎ足で教室に向かってみる。

(教室にいてくれると助かるんだけど…。)

彼、ノートの主の宮地清志は学校の中でも割と有名人だ。
整った顔立ちのイケメンで、強豪と言われる男子バスケ部のレギュラーで、その上、教師からもノートを参考にされるほどに頭が良い。

天は二物も三物も与えすぎだと思う。
口調がかなり物騒だが、それすらも男らしいとモテ要素に変換されることもあるらしいので世の中不公平過ぎだろ。

そんな宮地くんとは、幸か不幸か3年間ずっと同じクラスだ。
更には中学校も一緒だったりする。
喋ったことはあまりないが、気安いクラスメートくらいの位置にはいると勝手に思ってる。
いや、まあ、覚えられてすらいないという可能性もある。

教室に入り、彼の席の辺りを見回すが、荷物すら残っていなかった。
もしかして帰っちゃったかな。

「どしたの、いお?用事終わったなら帰ろ。」

くい、と腕を引かれ振り返れば不思議そうな顔をした親友がいた。

「智世ちゃん、宮地くんってもう帰っちゃった?」

「んぇ?宮地?5分くらい前に出てったよ?」

それがどうかした?と尋ねてくる智世ちゃんにヒラヒラとノートを振ってみせる。

「おつかい。」

「またぁ?相変わらずお人好しだ。」

お人好しじゃなくて、ただのチキンです。すみません。
呆れたように笑った智世ちゃんが鞄を持ち上げた。

「今ならまだ追いつけるんじゃない?靴箱行ってみよ。」

「智世ちゃん天使!好き!」







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