そのまま いっしょに ねむる {emj_ip_0686}

「よっぱらってないから〜〜、ね?」

ね? と言ったくちびるが、
更に近づいてきて顔に影を落とす。
両頬に感じるまさの手のひらの熱さが、
酔ってることと、暑いことを感じさせる。

「まさ?」
窺うみたいにわざと少し甘めの声をだして、
まさの両頬も挟んで、顔を近づけさせて、
「んんっ、ん、ンっ、ん、む、ぁ、」
長い長い、甘い甘い果実のキスをした。
「…まさは、俺のこと好きなんだ?」
離したばかりの甘ったるいくちびるで、
甘ったるいことを聞く。

「うん、すき」
聞いた相手はするりとなんの躊躇もなく
好意を口にした。
…シラフじゃ聞けない、絶対聞けない。
「そっか。ありがとうね」
俺に跨ったまさの髪の毛を撫でる。
「すき?ゆうは、おれのこと」
耳元辺りの髪の毛を触る手に、
今度は頬を擦り寄らせてくる。
なんだこのかわいい生き物は。
「好きに決まってるだろ〜」
好きじゃなかったらこんなふうに
酔わせたりしないでしょ、と思いながら、
まあ自分の幼稚さにちょっと嫌になったけどだってこの方法しかなかったんだもん。

「そっかあ」
カスタードクリームにラム酒の微笑み、
間延びした声は霧散せずにいつまでも
耳に留まっていて、甘くてくらくらする。
「ん、ふふ」
「なに」
また顔が近づいて、キスかな、と思ったら、
まさは自分の顎を俺の胸の上に載せた。
丁度俺の上にうつ伏せに寝そべるみたいになって、目線が同じ高さになる。
「ふふ…ん」
まさの喉がこくりとなった。

「おやすみ」

あくびをひとつ、まさは目を閉じた。
「おやすみ」
頭を撫でながら、え?と手の動きを止める。

…おやすみ?

まさの顔をもう一度見ると、
まぶたは完全に落ち、少し開いた口からは、
まあなんて健やかなかわいい寝息。

「寝てる……」
起こしたらいけない、そう思わせるほどの寝顔に、髪に触れていた手をそっと離して、すこし優しく笑ってしまった。酔いもあいまって俺も自然とまぶたが下に下に落ちる。

ありがとうHARIBO。ありがとうウォッカ。
あっあと梅酒もありがとう。
おかげでいい夢見れそうです。
ていうか今が夢みたいです。ありがとう。




やまもと ゆう は やなぎだ まさひろ を
こうりゃく した! ▼ テッテレー

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