※中学生設定
※爆豪組と同一主人公



朝から何かが不思議だったんだ。
今日は一段とかっちゃんの機嫌が悪くて、でも僕に当たったりしなくて。いつもなら視界に入るだけでも「気に入らねえ」と殴られ、なまえちゃんが怒って、そこで漸く止めてくれるのに、だ。

「あ、」

そうだ、今日はいつも隣にいるはずのなまえちゃんが、いないんだ。

「(喧嘩でもしたのかな…?)」

でも朝登校してきた時は一緒にいたはずだし、1日中なまえちゃんもニコニコしていた。でも今思うと確かに休み時間のたびになまえちゃんはふらっとどこかに消えていた気がする。放課後になった今も、鞄こそあるものの教室に姿は見えなかった。いつもならいつだってかっちゃんの側にいるのに…。

そんなことをブツブツと考えていたら、いつの間にか目の前になまえちゃんがいた。

「う、わ!なまえちゃん!?」
「いっくんってば、さっきから呼んでるのに気付かないから面白かった〜。ね、ね、ちょっと来て?」
「う、うん」

心なしかなまえちゃんはいつもよりご機嫌でニコニコしていて、対照的に後ろのロッカーの方からかっちゃんの射殺さんばかりの視線を感じる。(まだ残ってたんだ…)
が、僕にとって数少ない友達であり大事な人のなまえちゃんを優先しないわけにはいかなかった。…後日殴られそうだなあ。
ともかく、なまえちゃんの後をおとなしく付いて行くと、授業以外では立ち寄ることはないだろう教室ー家庭科室に連れて来られた。

「…家庭科室?」
「そう!入って入って!」

ぐいぐいと急かすようになまえちゃんが背中を押してくるので押されるまま中に入ると、本来学校にはないであろうケーキがあった。そのプレートには…

「あ…」
「えへへ!いっくんお誕生日おめでとー!!先生に特別に許可貰って作ってみました!」

このくらいしか出来なくてごめんね〜、喜んで貰えると嬉しいな!
なんて困ったように笑うなまえちゃんの声が横から聞こえたけど、このくらい、なんかじゃない。喜んで当たり前だと、頭で考えるより言葉が先に出ていた。
だって、無個性だなんだと周りが批難している中、なまえちゃんだけはいつも変わらずにこにこ話してくれて、そんな彼女が僕自身だって忘れていた誕生日を、こうして特別に祝ってくれたんだ。嬉しくないわけがない。
それにきっと、これだけじゃなくて。このために事前に先生に許可を取りに行っていたんだろうし、休み時間の間もいつもならかっちゃんといるのに僕のために準備をしてくれて。かっちゃんに対してもきっと殴らないよう言っててくれたんだろうな。

「さ!食べよ食べよ!チョコプレートはいっくんのだよ!貰ってね〜!」

そう言いながら笑うなまえちゃんの笑顔がとてもキラキラと眩しくて。思わず涙が出そうになるのを誤魔化すように"いっくんおめでとう"と書かれたプレートを大事に口にいれた。


愛に包まれて
happybirthday!Izuku Midoriya

back

ALICE+