気を許してくれている姿が嬉しくて
「…二階堂さん?」
ふっと顔を上げて、彼が座っているはずのソファに視線を向けると何とまぁ珍しいことか。台本を膝の上に載せたまま、スヤスヤと寝息を立てていた。わぁ…二階堂さんの寝顔ってすっごく貴重…!
思わず仕事をほっぽってそーっと近づいてみる。起きるかな、と思ったけど、想像以上に熟睡しているらしく頬をツン、とつついてみても僅かに身じろぐだけ。
「ゆっくり休んでくださいね」
そしてまた、素敵な笑顔を見せて。
オレ好みに染めたいんだ
「ん。あげる」
ことん、とデスクの上に置かれたのは可愛らしい瓶。中ではちゃぷちゃぷと液体が揺れている。…もしかして、香水?
「どうなさったんです?これ」
「ブラついてたら偶然見つけてさ、お前さんに合いそうだなぁって」
そっとフタを開けて香りを嗅いでみると、柑橘系の爽やかな香りで…とても好きな香りだった。
二階堂さんが突然、香水を買ってきた本当の理由を知るのは―――もう少し後のこと。