冬組
シロツメクサの花冠を作らないと出られない部屋 / 紬さん
「まーた変な部屋だなぁ…」
「劇団七不思議かもね」
「紬さん落ち着いてますね…」
「ああ…うん、ちょっと前にも似たような経験してるから…この紙に書いてあることをやれば出られるのかな?」
「恐らく。…『シロツメクサの花冠を作らないと出られない部屋』…?」
「遥ちゃんは作ったことある?」
「小さい頃に何度か。今も作り方を覚えてるかはわからないですけど」
「花は好きだけど、花冠は作ったことないんだよね」
「そんなに難しいものではないですよ。…でもこのシロツメクサどこから持ってきたんだ」
「細かいことを気にしたらダメだよ、こういう時は」
「はぁ…そういうものなんですね」
「あれ…?」
「紬さん、これをこっちにこうして…」
「あっなるほど?!」
「はい、これで完成でーす」
「ちょっと歪になっちゃったけど、これ遥ちゃんにあげる」
「じゃあ私のは紬さんにあげますね」
腕立て50回しないと出られない部屋 / 丞さん
「簡単じゃないか」
「筋トレしてる丞さんにとってはね。50回かぁ…」
「お前もできないことはないだろ」
「まぁ…母の手伝いで本が入った段ボールを運んだりはしてましたけど、今は回数の話ですよ。ここまでやったことないですもん」
「できるかどうかはやってみなきゃわからないだろう」
「ド正論きた。…とりあえずやりますかぁ、出れないのは勘弁ですしね」
相手のネクタイを結ばないと出られない部屋 / 誉さん
「ふむ。寮内にこんな不思議な部屋があったとは…出口はないのかね?」
「この紙に書いてあることをやらないと出られない、ってシステムです」
「それはそれは…しかし出られないのは困る。何をすれば?」
「『相手のネクタイを結ばないと出られない部屋』です。なんだそれ」
「意図はわからないが、比較的簡単なことで助かったよ。遥くん、ネクタイを結ぶことはできるかね?」
「一応…高校の制服はネクタイだったので。でも人のは結んだことないんですよね…」
「なぁに、結び方は至って簡単だ。さあ、よろしく頼むよ」
「じゃあ…失礼しますね、アリスさん」
「―――ああ、違うよ。こちらに通すんだ」
「え?あ、そっか…うう、やっぱり自分のを結ぶのとは違って難しい…!結び方は一緒のはずなのに」
「向きが違うから混乱してしまうのかもしれない。だが、綺麗にできているよ」
膝枕をしないと出られない部屋 / 密さん
「あー…めっちゃ簡単なことではありますけど…」
「遥、膝貸して」
「ですよねーーーそうなりますよねぇ…はい、どーぞ」
「うん」
「…密さん、暇になっちゃうので寝ないでくださいね?」
「勝手に眠くなっちゃうから…無理………」
「あ、マジで寝ちゃった…ええ、どうしてろと言うんだこれ……」
相手をもてなさないと出られない部屋 / ガイさん
「ああ…だからお菓子やティーポットとかがあるんですかね?」
「恐らくはそういうことなのだろう。…東雲、好きな飲み物はなんだ?」
「え?好きというか、よく飲むのは紅茶ですかね」
「わかった。では…茶葉はこれにしよう」
「まっ待ってガイさん?!」
「何だろうか」
「もしかして…私がもてなされる側ですか……?!」
「何か不都合なことでもあっただろうか」
「いえ、ないんですけど…」
「ゆっくり座っているといい。すぐに用意しよう」
「……はい」
2人で手の大きさを比べないと出られない部屋 / 東さん
「簡単なお題で良かったね。遥、手を出してもらえる?」
「あ、はい。どうぞ」
「遥の手は綺麗だね。でもちょっと荒れてる?」
「まじまじと観察しないでください…この時期は水を使うと、すぐに荒れちゃうんですよね。クリーム塗ってはいるんですけど」
「此処から出られたら、ボクのお気に入りのハンドクリーム塗ってあげるよ」
「ありがとうございます。…てか東さんの手、めちゃくちゃ綺麗…」
「ふふっそうかな?ありがとう」
「指も細いですけど、…大きさは全然違いますね」
「そりゃあボクも男だから。それなりに大きいと思うよ」