近くて、遠い


いつだって手が届くと思っていた。

「臣クン!今日の夕飯何ッスか〜?」

アイツの隣にいるのは私だと思っていた。

「伏見くん、今日のサークルのことなんだけど…」

幼なじみっていうのは厄介だ。近くて、近すぎて、気がついたら手の届かない所へ行ってしまっている。隣にいるのが私じゃない人になっている。
臣くんの一番近くにいるのは、私でありたいのにそんなちっぽけな願いさえ叶わないんだ。笑っているアイツが好きだけど、でも本当はその笑顔を私だけに見せてほしい。

「私だけが知っている臣くんが、もっと欲しいの」
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