ハジマリ


興味本位で拾った、人間のように見える子供。


親に捨てられたのは明らかで、全てを諦めたような瞳で見つめている小さな子供は―――どこか僕のココロを擽ったのだろう。


いまだに拾った理由は定かじゃないけどね。自分でもわからないっていうのが本音。


だけど、その子供は人間じゃあなく妖怪の子供で。更に言えば、とても面白い能力を持っていた。



妖怪のクセに、『妖怪を滅する力』を持ってたんだよ。

そしてもう1つ。"滅"と"癒"を司る2体の召喚魔をその小さな体に飼いならしてたってワケ。



ど?面白い子供でしょ?


これは化学者としての一面を持つボクの好奇心を擽るに値するモノだと思うんだよね。


教えなきゃいけないことがたくさんあって面倒ではあるけど、ボクの計画にはなくてはならない材料になりそうだし…その為の努力は惜しまない方が得策、かなーって。


全てを諦めていた少女を手懐けるのは容易かった。


何もなかった少女に生きるに必要なものを与えれば、少女は当たり前のようにボクに懐いちゃってくれたんだから。


クク、…こんなにも計画通りにいくとは思ってなかったけどね。


何もなかった少女のセカイに入り込めたのは、ニイ健一という男ただ一人。


彼女のセカイを構築したのはボクで、彼女のセカイの中心もボク。


そう。努力の結果、出来上がったのは盲目で従順な1匹のウサギだ。





さあ、おいで?
ボクの可愛いウサギちゃん―――
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