恋になるまで、あと少し
屋上に続くドアを、がちゃりと開けたそこには先客がいた。
こちらに背を向けて、何処か(多分校庭)を見つめながら、ふーとため息のようなのを吐き出した。
すると立ち上る煙、下げた右手にはタバコが握られていた。
何故だろう。あの先生は何をするにも絵になるのは。
というか、
「生徒が来るような場所でタバコを吸うのはどうなんだ…?」
誰かが真似でもしたらどうするのだろうか。
といっても、あの先生が怖くて誰もやらないだろうが。
それにしたって、生徒の見本であるべき人が、ここでタバコを吸っているのも気にかかる。
何か悩んでいるのだろうか。
ちらりと見えた横顔は、跡が付くんじゃないかというぐらい、眉にシワが寄っていて、空気がなにやら不穏…イラついている。
たぶん、十中八九芹沢さんのことだろうな。
そうなんだとしたら、私は…。
見なかったことにして、回れ右をしようとしたところ、携帯灰皿でタバコを消して仕舞った土方先生がこちらを振り返った。
ばちりと、もう、思いっきり目が合ってしまい、慌てる。
「いや、あの、えっと」
見てはいけないものを見てしまった。
そして、それを相手に気付かれてしまった。
そんな気持ちから纏まらない言葉を発する。
あわあわと慌てる井吹に毒気が抜かれたのか、土方先生は一瞬呆けたあと、クツクツと肩を震わせた。
笑われたことに、じわじわと顔に熱が集まる。
恥ずかしい。
「わ、笑うな!」
キッと睨み付けるが、土方先生は気にした素振りも、ダメージ受けた素振りもなくひとしきり笑う。
「はあ。笑って悪かったな井吹」
近いて来ながら、そう言う土方先生には先ほどのイラついた空気はなく、むしろ柔らかくて。
そして、
「ありがとな」
優しく微笑み、ポンポンと頭を撫でると井吹の後ろにあるドアを開けて去っていった。
お礼を言われる意味が分からない。
そんなことを思いながら、井吹は撫でられた頭にそっと手を伸ばした。
井吹の耳まで赤く染まっているのを見たものは誰もいない。
end
SSLの、にょた龍設定。のつもり。
自分のことは「私」
言葉使いは悪い。
土方先生もにょた龍もお互いを気にしている状態。
例によって土方先生は芹沢さんに無理難題を言われてます。
そしてイラつき、屋上でタバコを吸っていました。
井吹は自分の親である芹沢さんが、土方先生達にそういうことやってるのを知っているので、自分はあまりよく思われてないことを知っています。
ぶっちゃけ、土方先生には嫌われてると思ってました。
まあ、色々あり喋るようになって気になる存在に。
そして、これ以上嫌われたくないし、だけど芹沢さんのことをどうにか出来るわけでもない。
イラついている存在の娘にも会いたくないだろうと思って井吹は立ち去ろうとします。
でも見つかっちゃいますが(笑)
土方先生も井吹を気にしてるので慌てる井吹に癒されちゃう訳です。
顔を赤らめて、むっと上目遣いで睨み付ける井吹を可愛いとか思っちゃってるんです。
そんな二人を書きたかったんですが撃沈…。
タイトルお借りしました。
秋桜(http://nanos.jp/yukinohana7)
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