おまけ
数日後。
少し用事があり、土方は屯所から出ようと玄関へ向かった。
草履を履こうと下を見ると、何故か草履が無い。
「あれ、っかしいな。何処やったんだ?」
見る限り、無造作に脱ぎ捨てられた草履の中に土方のそれは無さそうだ。
特に急ぎの用事という訳でもないので、目に付く限りそこら辺を探す。
「土方副長?」
探している最中、通り掛かった平隊士が不思議そうにこちらを見ていた。
丁度良かった、と土方は彼に話し掛ける。
「俺の草履、何処にやったか知らねぇか?」
「草履、ですか?さぁ……、あ、でもさっき」
そう言ってポンッと手を打った彼から、驚く言葉が出て来た。
「沖田組長が誰かの草履、持っていましたよ」
「何だと!?」
途端に鬼の様な表情に変わった土方を見て、隊士は震え上がる。
土方は隊士の胸倉を掴んだ。
「で、総司の奴は何処に居る」
「ぉ、沖田組長ならっ、ななっ中庭にっっ」
チッと舌打ちし、胸倉から手を離した土方は走って中庭へ向かった。
ドタドタドタッ!
「総司!!」
「あ、土方さん。何ですか、そんな恐い顔して」
「てめぇ、俺の草履返しやがれ!!」
「草履?………あぁ、コレの事ですか?」
そう言って摘み上げたそれは、正しく土方の草履だった。
雑巾みたいに摘むな!、と引ったくると、何やら草履らしからぬ感触がする。
何だ?、と裏返してみると、横向きで綺麗に縦に並べられた五寸釘が。
「総司ぃぃいい!!」
それからというもの、沖田による土方への嫌がらせが続いた。
END