今ではもう笑い話になったけど、当時は生きてる事が苦痛でしかない程の笑えない過去。

ストレス発散のための暴言罵声影口悪口でっち上げの噂、すれ違いざまの舌打ち、わざと押されたり足を掛けられたり。

地元から離れた高校に進学したけどそこでも変わらなかった。小さな妬みが大きな嫌がらせに変わるちっぽけな世界。プリクラIDメアド電話番号の悪用、何十人もの知らない人たちからの気持ち悪いメールや写真、顔も知らない同級生からの影口、援交売春の噂。

本当に毎日が苦しくて辛かった。消えてしまいたいのに怖くて踏み出せない。結局は吐き出せない感情を傷に変える毎日。耐え切れなくなった私は8歳の時から追いかけていた夢を諦めて中退した。

でも現実は甘くなくて、辞めたのに居なくなったのにSNSでは見えるように悪口を書かれ教室でも私の悪口が絶えなかったそうで。おまけに中退の理由は妊娠だと。馬鹿すぎて笑う気にもなれなかった。

楽な方に逃げたはずなのに13の時から続く自傷癖は怖いもので全然治まらず傷は癒えない。少しでも心が乱れるとすぐ傷をつけたがる。

でも孝支と付き合ってからは幸せすぎて頭から抜けていた。そんなある日、1回だけ、隠すのを忘れてて見られた。

少し薄くなったがはっきり見える傷痕を見た孝支は物凄く怒った顔で近づいてきた。痛いくらいの力で手首を掴まれ問い詰められる。
酷く取り乱した様に声を荒らげる孝支が怖いわけじゃなかった。この傷を見て拒絶される事、過去を話して捨てられる事が怖くてたまらなかった。

震える声で過去を全部話した。途中から泣いてしまった私に釣られたのか孝支も静かに泣いていた。

「こんな私でごめんなさい」
『そんなりかでも大好きだよ』
「優しいからいつも気を使うよね」
『これは本心だから。
大丈夫嫌いにならないし離れない。
ゆっくりでいいから、治そ?
何でもするから言って?
りかの為なら俺は何でも頑張れる』

そう言っていつもの優しい笑顔で笑ってくれた。私はこの人の為に頑張りたい、やるべき事をやらなければいけない。そう思える私に変えてくれた孝支は魔法使いなのかもしれない。

その日から着々と治っていき今ではすっぱり止めれた。全部全部孝支のおかげ。怒られる事よりも愛しい人が悲しむ顔はもう見たくないな、って心から思えた日でした。