「あいしてます!」 *
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「は…はぁ……」
生地の上から熱を持ったそこを往来する指。
学校の女子トイレの一番奥の個室でナミと2人きり。
私は壁に手をつき、ナミに背中を向けて立たされた。
「喋っちゃ駄目だよ?」
最初はスカートの上から臀部の曲線を確かめるように、上から太ももへゆっくりと撫で降ろしたり、大きな円を描きながらものだった。
それだけでも、これから起こるであろう事への変な期待が膨らんでしまう。心臓の辺りは変に締め付けられ、下半身に熱が集まっていく。
早く触れて欲しい、いつになったら大事な部分に近づくんだろうと考えながら静かに蜜を私は溢れさせた。
下着が陰列に沿って張り付いていることから、大量に濡らしていることを触れずとも察する事が出来た。
僅かに体が動く度に感じる、ぬるっとした淡い感触が実にもどかしかったが、ただいつか及ばされる刺激を待ちわびていた。
それから暫くして、やっとスカートの上からだがお尻の割れ目に沿って撫で始める。その先にある股の部分へ指が触れる。
「もしかしてもう濡れてる?」
「…う、………ん。」
勃起して主張する場所を、指で軽く押される。何度かそのまま先端を布越しに撫でられた後、待ち受けるかのよに蜜まみれになった窪みの上を指が通る。
中へ入りたそうに力が加わるが、当然ながら布の上でそんな事されようが直に触れはしない。焦れったさと恥ずかしさが募るばかりで、俯いた。
「ちょ…、……」
「…ん?」
あどけない声で聞き返す私とは裏腹に、ナミの指先はしっかりと腫れ上がった粒を捉え撫でる。
「っ……」
「そう。静かに、ね」
「ん…ぐ………!」
粒を弄る動きが電動歯ブラシのスイッチを切り替えたかのように速くなる。
ほとんど、淫らな音を周囲に響かせはしない。
打って変わり、体制を保てない私の吐き出す僅かに乱れてしまう呼吸や、スカートや制服の擦れる音が個室内で響き耳についた。
この音だけで周囲にバレてしまいそうで、ただ必死に足を閉じる。
するとこじ開けるように手が割って入り、そのまま下着の隙間をぬって潤った蕾を捉えた。
「待って…ゃ」
待ち望んでいた筈なのに、何故か腰が引けてしまう。
「やめ、は…。や、やあ!」
「もう」
拒絶の言葉を無視してナミは触れ続けた。
そして、ゆるりと愛しい人の指を、私は受け入れていく。
「馬鹿、やだっ。あ、や………っ」
「素直になった方がいいよ?」
やたらと落ち着いたナミの声が憎らしい。
「だって、だ……ぁ、あ。、ん」
「んでも静かにしてね?」
「っん。…ぅ、う゛」
必死に堪えなければ声が漏れてしまう自分が悔しい。
「…………は、ぁっ」
ナミの指が私の一番敏感な奥をノックする。小刻みに中を揺さぶるように的確に動く。
「きもち、ぃい」
「可愛いね」
そう首の横に顔をうずめてナミは微笑んだ。
それからは粘着質な愛液の音を無遠慮に響かせ、出たり侵入を繰り返し行われる。
「ひ…………ぃ、あ」
火照った額が冷えたタイルの壁に当たった。
焦る事なく、一定のリズムで個室に水音が響く。
少しずつ絶頂に近付いていく。
ふいに、手の動きが止まった。と思えば再び動き出す。
「は、あっ」
中を掻き乱すように、幾度も突かれる。
瞬く間に脳が麻痺しそうになる。
「ぁあ! 熱い…苦しい……」
「……っ…苦し、い」
体は身震いし、足もわらった。蜜が掻き出され、太ももを伝い静かに垂れていく。
「我慢しなくていんだよ?」
「…っ、あ、……はぁ!」
我慢も何も、達してしまう間近でまともに返事を返す余裕などない。只、容赦ない攻めを受け入れた。
悔しくてタイルにしがみつくも、しがみつけない。
「う、、く…ぁあっ」
―――熱いと感じた。
もてあそばれている此処。自分だけの呼吸……むしろ全身が。
「っん!あああ、ぁ。はあ、ぁっああ」
はぁ、はぁと自らを落ち着かせる為に息をした。
そのまま軽くうなだれて見せる。
「お疲れ様」
私の左手を取り、ナミはこちらを向き直させる為に軽く引く。
よろめき体制を崩しかけた私にそのまま口付けた。
ほんの短い間深いキスをして、離れていく。
「………んー」
なんとなく恥ずかしくて顔を伏せた。だけど、この程度のキスでは物足りないのは確か。
微笑み、ナミの首に手を回す。
「…………ねぇナミ。もっと」
僅かに貴女も笑う。
再び私達はキスをした。
※「あい」ではじまる20題よりタイトル引用
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