「クッッラマくーーーーん!!!」
「のわーーーっ!?」
しゃがみこんでいるその背中に突撃すると、クラマくんは抵抗なくそのまま板張りの床にずべっと転げた。
「な、なんなんだ!?」
「クラマくんほんと足腰弱くない? されるがままじゃん」
「うるさい! その前に退け! そして謝れ! お前は猪か何かか!?」
「ねえ人生ゲームしようよお」
「聞け!!」
しぶしぶ退いてあげると、クラマくんはむすっとして起き上がり乱れた羽織を直している。
「まったくお前は……」
「人生ゲームしよ?」
「やかましい。大体お前人生ゲームが好きすぎるだろう、なんなんだ」
「だって人生ゲームは頭使わなくても勝てるから」
「ああ、頭使うゲームは勝てる見込みが全くないからか……」
「でも人生ゲームは今のところ全勝してるよ?」
「本当に運だけで生きてるな……」
はあーっと深いため息を吐きながら、クラマくんは押し入れをガサゴソと探し人生ゲームを引っ張り出してくれた。
なんだかんだ、ゲームと名のつくものに誘って断られたことは一度もない。ものぐさに見えて実は面倒見の鬼だなあと思う。
「この間は……アイドルになって馬鹿稼ぎしたような気がする」
「俺は出目が悪くて開拓地送りになった」
「運悪いの?」
「お前が良すぎるんだろう……」
言いながら当然のように銀行を引き受けてくれているクラマくんが、お金を数えながら初期の所持金を配ってくれる。
「火災保険……火災保険どうしようかな……」
「現実なら入るべきなんだろうが、家が火災になるマスは実はそんなに多くないからな」
「そのマス止まったことない」
「だろうな」
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- 落下地点より -